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私は今、批判する人になっていないか? / 質問思考・選択の地図


この前、アドラー心理学の『嫌われる勇気』を引用して書いたが、ほかにも「出会えてよかったな〜」と思った本がある。


正確な日本語タイトルは『すべては前向き質問でうまくいく』だけど、私は『質問思考の本』と呼んでいる。


ノウハウ本だが、「ベン」という男性が主人公のストーリーになっていて、読者はベンと一緒に「質問思考の技術/Question Thinking」について学んでいく。


この本のメッセージを一言で言うと、

つい頭に浮かんでしまう「批判する人の質問」を
意識的に「学ぶ人の質問」に変えるのがコツよ!

吹替感


たぶん、これだけ。


「批判する人の質問」とは、例えばこういうの。

なんで私ばかりひどい目に遭うの?
なんでこんなにうまくいかないの?
なんでこんな辛いことが起きたの?
これは誰のせい?
どうすれば自分の正しさを証明できる?
どうすれば主導権を握れる?
なぜあの人はいつも私を不愉快にさせるの?
なんであの人はいつもくよくよするんだろう?

マリリー・G・アダムス(2014)
『<新版>すべては「前向き質問」でうまくいく』
p.82を参考に一部アレンジ



分かる分かる。
うまくいってない時や余裕がない時ほど、こういう質問を考えがち。


「学ぶ人の質問」は、例えばこういうの。

何をしたら、うまくいく?
事実はどういうこと?
全体の見通しを考えたらどうなる?
どんな選択ができる?
この件から何を学べるだろう?
あの人は何を考え、感じ、何を必要としているかな?
今できることは何?

p.83を参考に一部アレンジ




同じ「質問」なのに、全然違う。

どっちのタイプの同僚と働きたい?と聞かれたら、誰でも後者の「学ぶ人」と答えるはずだ。


批判する人の質問は、自分や他者を責めたり、原因を探したり、自分の正しさや勝ち負けにこだわっている感じ。

学ぶ人の質問は、次のアクションを考えたり、何かを学ぼうとしていたり、他者との勝ち負けではなくwin-winの関係を目指している感じ。



初めて読んだ時、私はこんな感想を抱いた。

色々とうまくいっている人は
頭の中でこういう建設的な質問をしていたのか〜
こういうことこそ、学校で教えてもらいたかった!


持って生まれた前向きな性格とか運とか育った環境もあるかもしれないが、ないものねだりをしたって何も変わらない。

このスキルなら私でもすぐ取り入れられそう、身に付けたいと思った。


あれから数年。


何が変わったか?

うーん、あんまり分からない。笑
成長したかなぁ。


ただ、何かを責めたり悲観したりする癖は結構なくなった気がする。

誰のせい、どうしてこうなった、どうしてうちの親は金持ちじゃないんだ、なんで私はこんなに記憶力が悪いんだ、なんで私だけこんな目に…とか、そんなことばっかり考えていても何も進まないので、これ以上悩むのは無駄!終了!と意識的に切り捨てられるようになった。

最近は、なにか嫌なことが起きても「OK!じゃあどうする?何を選ぶ?」ってすぐ切り替えて次のことを考える思考の癖が、わりとナチュラルに身に付いてきたような気がする。

この辺はアドラーから学んだのもあるかも。
(課題の分離ってやつ)



もちろん、私はまだまだ修行中。

全然しっかり身につけられてはいないし、油断するとすぐに批判する人の質問が頭に浮かんでしまう。


だけど、何かを考えるとき、こういう質問を頭の中に浮かべるようには意識するようにしている。

私は今、批判する人になっていないか?
今できるベストな選択はなんだろう?


この本には「選択の地図」のイラストが載っている。

選択の地図



途中、「ここでスイッチ」というポイントがある。

「自分は今、批判する人の道にいるな」と気付けさえすれば、あとは切り替えるだけ。(それを自覚できるかどうかが難しいので、まず訓練すべきはここ)



学ぶ人の道へ簡単にスイッチするための質問までちゃんと提示してくれている。

それが、さきほども書いた「私は今、批判する人になっていないか?」という質問。

すごく実践的で親切な本だな〜と思う。


これも好き。

自分になにが起こるかは必ずしも選択できないが、起きていることに対して自分がなにをするかは選択できる

p.62



選択の地図では、スタート地点に立つ人の上に、3つの丸が浮かんでいる。

つねに人に影響を与えるもの
思考 感情 環境

p.58,59「選択の地図」より


思考と感情と環境の3つが、私たちに常に影響を与える。

「思考」は言い換えると、頭に無意識に浮かんでしまう考え。なんであの人はいつもこうなんだろう?とか。

「感情」はそのまま。むかつく!傷ついた!とか。

「環境」は外部からの刺激。他人の言葉や態度とか、自分ではコントロールできないもの。


その3つに影響を受けたとき、
私たちは選択の分岐点に立っている。


批判する人の道を進むか?
学ぶ人の道を進むか?

反応するか?
それとも選択するか?


人間は愚かなので、意識していないと分岐点で立ち止まらずに反応してしまい、すぐに批判する人の道を進んでしまう。

誰のせい?
私のどこがいけないのだろう?
彼らのどこがいけないのだろう?
どうして失敗ばかりなんだ?
彼らはなぜあんなに愚かなの?

責任追及型



学ぶ人は、自分の意思で適切な質問を選び、学ぶ人の道を進む。

何が起きているのだろう?
ここで役立つことはなに?
私の望みはなに?
何を学べるだろう?
あの人は何を必要としている?
どんな選択ができる?
今なにをするのがベスト?

問題解決集中型


どんな質問でもいい。

とにかく頭になにか質問が浮かんだら、「批判する人の質問になっていないか?」「私は今、批判する人になっていないか?」とさらに質問するだけ。

その答えがYESだと思ったら、「ほかにどんな考え方ができる?」「私はどんな思い込みをしている?」とさらに質問していくだけ。


私はアドラー心理学の建設的で前向きな考え方が好きだが、この質問思考も意識の持って行き方というかスタンスが、アドラーとよく似ているな〜と思う。



人生を楽しむために今の私に必要なことは何か?
私は今、やりたいことをやれているだろうか?

どうしたら面倒なことをもっと楽しめるだろうか?
周りの人をもっと喜ばせるために何ができるだろうか?

子供のために今やるべきことは何だろうか?
私はどんな親になりたいだろうか?

私はどんな人間になりたい?
どんな人生にしたい?




貴重な1回きりの人生、
意識のベクトルはできるだけ良い方へ向けたい。


答えは簡単に出ないが、質問は尽きない。

修行は続く。


↓質問思考で自分に質問しまくってセルフコーチングできる大人になりたい。

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