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9.25HAYATA対YO-HEY〜轟音を超えた情念〜

トップ画像は@shun064さんの作品です。

プロレスリング・ノア、9.25名古屋のGHCジュニアヘビー級タイトルマッチ。この試合について私はこんな形でプレビューをまとめました。

私は記事の最後をこのような形で結びとしていました。

過去から続くテーマはあれど、両者の戦いには「俺たち以外の要素」は介在しません。純度の高い「HAYATAとYO-HEYにしかできない戦い」。それがきっと9.25名古屋で見られるはずです!

https://note.com/mom_run/n/n9974f6541f3e

そして実際に試合を見て。私が思った通り。いやそれ以上の「彼らにしかできない戦い」を。両者が満員の観客に対して見せてくれました。

序盤からあらゆる手段でYO-HEYの左腕を攻めるHAYAYA。それに対してHAYATAの頭部を攻めるYO-HEY。両者はリング上だけではなく。YO-HEYが場外に飛べばHAYATAは鉄柵を使った攻撃。場外も含めてあらゆる場所で相手を攻撃し続けました。

腕攻めでYO-HEYをコントロールするHAYATA。その流れを変えたのはYO-HEYが磨き上げてきたドロップキックでした。フィニッシュにもなりうる打点の高いドロップキックを放ちリズムを掴むYO-HEY。ロープワークを巡る攻防でもHAYATの後の先を読み。一度掴んだ流れを離しません。そしてエプロンから場外のHAYATAに顔面Gを放ちます。HAYATAはここでYO-HEYを捉えて被弾回避し、試合は再びリング上へ。速射性の顔面G→トラースキック→正調顔面Gを狙うYO-HEY。その動きを避けるHAYATAはここでものドロップキック→アームバー→変形のアームロックと左腕への攻撃を畳み掛けます。

HAYATAの403インパクトからのムーンサルトプレスをキックアウトしたYO-HEYは満を持しての正調顔面GをHAYATAへ炸裂。これはHAYATAが返し、今度はHAYATAが403インパクトをYO-HEYへ。フィニッシュになりうる技を受けても両者とも3カウントを許しません。そしてついにYO-HEYはドロップキックを撃ちトップロープへ。切り札のスーパー顔面Gを繰り出します。

これで勝負あったかと思いきや。なんとHAYATAはこれを返す。お互い切り札を失う状況でHAYATAが出したのはラリアット。ここまで緻密に試合の流れを計算してたHAYATAが出したのとても珍しい。まるで本能のまま繰り出した技でした。そしてHAYATAはYO-HEYの腕をクロスしてロックすると。雄叫びを上げてクロス式403インパクトを狙う。これは受けまいと切り返しドロップキックを撃つYO-HEY。勝敗を分けたのはまさに一瞬。ドロップキックブロックしたHAYATAはへデック一閃。死闘を制したのは王者HAYATAでした。

どんな試合でも冷静に組み立てるHAYATA。彼が雄叫びとともに技を出す。また計算から外れたラリアットを放つ。試合終了後のバックステージで悔しさを隠さないYO-HEY。そこに見えたのは両者の「勝利への執念」でした。緻密さがありつつもそこに強い情念の込められた試合。そんな試合はなかなか見られません。技術と感情を両立させた試合。絶対的強者を追いかける情念の込められた死闘。それはかつてのレジェンドが見せた光景にも近いと私は感じました。

名勝負は一人では作り出せない。そこに相手がいるから。自分の力を出し切れる。感情を出し切れる相手がいるから。そこには運の要素もあります。その意味でノアジュニアにHAYATAとYO-HEYが存在したことは神のめぐり合わせとも言えるでしょう。

9.25名古屋はジュニアという枠組みではなく「ノアの黄金カードが新たに生まれた」。そんな記念すべき日です。勝者と敗者に分かれはしたものの。名勝負を見せてくれた二人に感謝しかない。私はそんな感想を持ちました。

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