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青森県立美術館 ミナペルホネン「つづく」展で もう一度「ハレとケ」について考えてみた

旅行に行くなら、
その土地にある美術館へ行きたい。

夏休み、
姉と子どもたちとで旅した青森県青森市。
旅の最終日、青森県立美術館を訪れました。

広々した敷地に、悠々と建てられた大きな美術館で、主に現代美術を取り上げているみたいです。


この日はミナペルホネン「つづく」展を開催


テキスタイルのデザイナー、皆川明氏の手かげるブランド、ミナペルホネン。
少女心をくすぐるデザインですよね。

館内のスタッフさんもミナペルホネンのワンピースを着ていました。


流行に左右されず、
長年着用できる普遍的な価値を持つ
「特別な日常服」をコンセプトにしているんだそうです。

館内はとても広々
美術館に飾れる洋服たち


どれも可愛い

ちと話はそれますが、
先日、次男の声楽教室の発表会がありました。
こういう日って特に女の子(女性)はおめかししますよね。

参加者はうちの子以外、みな女性。
気合の入ったドレスで登場。
女の子は可愛いワンピース。
この日のために用意した晴れの舞台のための
ハレの日の装い。

合唱の発表会は何度か観に行ったことがあるけれど、
独唱の発表会は初めてでした。

皆さん、とっても緊張していて
観てるこちらもハラハラしちゃう。
たった一人で、道具も使わず、
声だけで発表するって、
考えただけでも怖い。

楽譜を持つ手は震えていて、
それでも日頃の練習の成果でしょう、
とても素敵な透明感の歌声でした。

私と同じくらいの年齢か、それより上?
くらいの方が多くて、どんな気持ちかなぁと想像しながら聴きました。
日々の生活の中で、歌のレッスンに行くって
きっと特別な日常ですよね。

発表会のためにドレスやお洋服を選ぶのも
特別な日常。楽しいだろうな。
そして発表会は晴れの舞台。

日々を送るその時間軸に、
自分の意思で、特別な日常や晴れの日が生まれ、
その日の私はその瞬間の立ち会い人なのだなと思いました。


人の生活にはハレとケ(日常)がある

これ因縁なのですよ。

学生時代、民俗学の講義を取ったんです。

なぜかというと、
レポートを提出すれば「可」は必ずもらえるよ、という先輩のアドバイスで。

その講義では一年間、
教授が「晴れと褻(ハレとケ)」について話します。

期末にはレポート5枚に「ハレとケ」について思うことを書くけれど、
「ハレとケ」とは何かを書いてはいけない。
今まで「優」「秀」を取った人はいないかも、という噂の講義でした。

もちろん私「可」でした。

読書家の同級生は「優」を狙って、
授業にもちゃんと出席し続け、レポートも気合いを入れて、、、でも
「可」でした。

それ以来、ハレとケは
私の人生の謎。

さてさて
話は戻りまして

ミナペルホネンの提案する「特別な日常」


ドレスでもない、
普段着でもない、
どこか素朴で、でも特別なテキスタイル。
絵本の「わたしのワンピース」を思い出すな。

何かに感動したり、
行きたい場所に行く日だったり、
こんな色の服が着たかったと思っていた服を着たり、装いで気持ちも着替えて。
特別な日常は、
割と自分の思うように生むことが出来る。

時間を自由自在にデザインするみたいに。

生活が豊かになるにつれ、
ハレとケは曖昧になりつつあるのかもしれない。

でもその時代らしい「ハレとケ」はいつでも、思うままに生まれている。


あぁ、やっぱり「可」しか取れないな。
これじゃぁね。

美術館でこんなことも考えなどながら作品にワクワクするのも、
ましてや青森まで来ちゃってるのも、
私にとっての特別な日常。旅はいいね。

ミナペルホネンの「つづく」は

創作の背景や、生地の産地、その生産者さんにも続く、受け継がれていく、
そんな意味があるのだそうです。

バラバラのようで統一感のある色彩
日常をスタンプのように切り取ったデザインは、馴染みがあるようで、洗練されていますね


青森県立美術館の館内や敷地はとっても広くて、
作品数も多いので、見応えあり。
草間彌生、奈良美智、成田亨などなど、
現代アートで良く知られたアーティストの作品がたっくさんありました。

奈良美智「あおもり犬 」 超デカいワンコ
あまりの広さに走り出す次男坊


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