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Vincent

今日はどんな朝を迎えましたか?
目覚めたとき、夜はまだ残っていましたか?

私は寝入り端に入り込んだ夜が、形を変えて
目覚めるとまだ、隅に座っている事がよくありますよ。

時に夜は親しみのある友の様にも見えます。

---Starry Starry night Paint your palette blue and grey

Vincent-Don McLean

星がこぼれ落ちる夜
あなたはパレットをブルーとグレーに染める

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Don McLeanによって書かれた「Vincent」という曲があります。
Vincent Willem van Goghの作品を見たマクレーンが
彼が駆け抜けた生涯と、美しい作品達に捧げた曲と言われています。

---How you suffered for your sanity
How you tried to set them free

どれほどあなたが、健やかであるために苦しんだか
どれほどあなたが、彼らを自由へ導こうとしたか

「彼ら」とは誰か、あるいは何か。


---They would not listen
They did not know how
Perhaps they’ll listen now

彼らは耳を貸そうとしなかった
彼らは術を知らなかった
今なら彼らも聞き耳をたてるだろう

ゴッホの世界は少し複雑で、他者に難しくあったのかもしれない。
自分に健やかであろうとする彼を、
外の世界は訝しく見つめたのかもしれない。

自己を、時に挫こうとするものがこの世界にはあります。
外の世界の物差しがいかに不安定で、信じられないほどに
不公平であるかという事を忘れない様にすると
ほんの少し、暮らしやすくなるかもしれませんね。

そんなものを見つめ返す必要など
微塵も無いのは確かな事ですが、その冷たい吐息は
知らぬ間に我々に入り込む厄介者ですね。

決して無理に戦う必要はありませんよ。
気を楽にして自分の世界を手放さずにいれば良いのですから。

---For they could not love you
But still your love was true
And when no hope was left in sight on that starry starry night
You took your life as lovers often do;

But I could have told you Vincent
This world was never meant for one
As beautiful as you

彼らはあなたを愛せなかった
それでもあなたの愛は本物だった
そして望みが一つ残らず瞳を去っていった星がこぼれ落ちる夜に
あなたは命を、まるで恋人達がする様に懸けた

しかし私はできることならあなたに伝えだろう
ヴィンセント
この世界は決して誰のものでもなっかった
美しいあなたの様に


どこまでも自由であったはずです。
多種多様な溢れかえる思想や、それに伴う争いが絶えずとも
世界はいつでも自由で止め処ないのです。

際限のない表情を見せ、同じ夜明けが訪れる事は決してありません。
それはどこか絶え間無く変わり続ける思想にも似ています。

---Portraits hung in empty halls
Frameless heads on nameless walls

 with eyes that watch the world and can’t forget

静寂の訪れたホールに掛けられた絵
額縁は無く 名の無い壁に佇む

世界を見つめる 忘れられない瞳

マクレーンはゴッホの絵をそっと彼の世界へ持ち帰り
大切にしているのかもしれません。
眺めていたその時、きっと彼は額縁などは忘れ去り
ただ、ゴッホのそばに生きてみたのでしょうか。

彼の世界に招かれたゴッホの表情が
豊かに伝わる柔らかい文字達が美しい。
大切に磨かれた思想なのだと、すぐに解りますね。

私の世界にも今度、お越し頂こうと思うばかりです。


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