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たまには俳句鑑賞③

恩田侑布子『句集 空塵秘抄』より

花筵てふ透きとほるエンタシス 恩田侑布子


歳時記によると、花筵は花見に使う筵、或いは宴会そのもの、花が散り敷かれてる様、と三通りある。
この場合は花が散り敷かれてる状態だと思われる。
エンタシスとは下が、或いは真中が太くて上が細くなってゆく様式の柱のこと。
道に立ったとき、当然近くは太く(大きく)、遠くは細く(小さく)なって見える。
その景を透きとほる柱と視たのだ。

ふりつもるちりひぢの絖花菖蒲

 (同句集より)


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