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”これ以上のことはないだろう”の危険

台風19号で、市内を流れる河川が氾濫し、多くの住宅や事業所が浸水、そして市内全域が断水となった相馬市。

台風19号で浸水した住宅や事業所の片付けがようやく終わった、と、思った矢先の、10月25日の豪雨。

2度の浸水被害を受けました。


●「台風の時は備えをしていたけれど…」

相馬駅前にある、青田ミシン商会さん。
什器を外に出して乾燥をさせながら、後片付けをしていらっしゃいました。

台風19号時は浸水の高さは40センチ。
25日豪雨時は60センチにも達したそうです。

台風の時は備えをして、商品は2階に上げて助かったそうですが、その商品を1階に下した矢先の豪雨だった、といいます。

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現在は、市役所の罹災証明の申請は終えましたが、商工会議所の被災状況の現場確認がまだこれからで、いつになるか分からないとのこと。

2階は無事だったため、いまもミシン教室は行っています。
「商売をしないと始まらない」
と話す、店主の青田さん。

2度の水害にも負けない青田さんの凛とした姿がそこにはありました。

■ 青田ミシン商会
〒976-0042 福島県相馬市中村1丁目1-6
TEL 0244-35-2432
https://www.babylock.co.jp/dealer-list/07-234/


●「これ以上はないだろうという考えはしない方がいい」

相馬駅から700メートルほど離れた、小泉川近くにある、相馬銘菓「相馬麦つきせんべい」を作る、大江製菓さん。

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店舗と工房が浸水。相馬駅の西側にある倉庫は1メートルも浸水。
台風での浸水と断水被害でお店は一時休業。ようやく再開した、2日後に、豪雨で台風時以上の被害を受けました。

お菓子を作る機械が壊れなかったのが、救いであり、希望に。豪雨被害からの工事も終え、いまはお店も再開をしています。

大江さんは、2度の浸水被害を受けて、
「これ以上はないだろうという考えはしない方がいい」と、断言。
次への備えとして、できる限り浸水域を抑えるためのシャッターの改造などをすすめようとしています。


■ 大江製菓
〒976-0042 福島県相馬市中村字泉町7-6
TEL 0244-35-4223
https://www.rakuten.co.jp/ooeseika/

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青田さんも、大江さんも、
「これが日常になるかもしれないね」と。

昔から、「この地域は浸水する」と言われてきたそうですが、「実際ここまでとは・・・」と肩を落としています。


相馬の暮らしに楽しみや彩りをつくるサービスや商品をつくっている、商店のみなさん。

考えたくはありませんが、
たとえばこの地域で今回のような被害が日常化してしまうとしたら・・・

前例から考えるのではなく、そして、事業所単体での努力だけで済ますのではなく、この地域の商店、地域経済を本当の意味で守っていくための対策が早急に必要になってくるのだろうと思います。