環状交差点「ラウンドアバウト」
今日のニュースは、Forbesより、環状交差点についてのお話。
環状交差点は、その名の通り多数の道路が中心の環状路に接続している道路形状のこと。
内側が走行車線、外側が合流車線で構成されており、信号機を必要としない交差点という特徴があります。
日本の道路で言うと、IC付近の高速道路の車線のイメージに近いかもしれません。
信号機がないことから、適切なルール(一方通行、環状路内優先など)に従って車両が通行していれば、一般的な交差点より渋滞が発生しづらいという特徴があり、欧米の交通量の多い都市で多く導入されています。
この道路形状、1960年代のイギリスで生まれました。
原型となるものは19世紀にあったのですが、交通量の増加により事故が多発するようになり(現在の環状交差点と違い、進入路優先など事故や環状路内での渋滞を誘発しやすい要素があった)、一度廃れた後に1960年に再導入されたものです。
また、通常の交差点に比べて、歩行者と車両、或いは車両同士の動線が交差するポイントが圧倒的に少なく、また環状路進入時や走行時に減速するため、事故が起きづらい点が特徴。
また、先述の通り渋滞が起きづらいことから、記事中にもある通り排気ガスによる大気汚染も軽減されるなどの良い点が多くあります。
一方で、中央部に大きな用地が必要になるため、既存の都市の交差点を再開発などの特別な状況以外で環状交差点に置き換えるのは、ややハードルが高いと言えるでしょう。
日本ではあまり見かけないのは、用地の確保の問題が大きいと思われます(駅前の「ロータリー」はよく見かけますが)。
記事中にもある通り、これだけで「地球環境を救う」ような革命的な効果は無いにせよ、こういった一つ一つの取り組みが環境を良くしていくことも確かです。
ちなみに、これらの環状交差点の話は、パリなどにみられる「放射環状路」とはまた少し違う話です。
この放射環状路は、古代の城壁を都市の拡大や近代化の中で破壊して、その跡に環状路を整備したケースもあり(或いは都市中心部の広場を囲むように道路が設置されたケースも)、1960年代以降の環状交差点とはまた成因が異なるものです。
というわけで、今回は環境問題に対する交通面からの一つのアプローチ、環状交差点についてでした。
「ラウンドアバウト」の方が良く使う言葉かもしれませんので、こちらも是非覚えておきましょう。
ちなみに日本でも、2014年ごろから導入の検討が始まっていて、これから導入される事案が増えてくるかもしれません。
また、それぞれの国情に合わせたユニークな構造も「発明」されており、今後導入される国も増えそうです。
今回はこれくらいで。
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