MIU404がおもしろい
はじまる前から気になっていた星野源と綾野剛コンビのドラマ「MIU404」がとてもおもしろい。ワタシ的に、最近の1時間ドラマのなかでは超ヒット作だ。
星野源が演じるのは、冷静で論理的だけどやさしさや柔らかさも持つ志摩一未。同僚が亡くなった過去があるらしく、ほんのりダークサイドというか、心の闇みたいなもんも見え隠れするんだけども、そのバランスがすばらしい。
綾野剛が演じるのは、直感で動く男・伊吹藍。運動神経がよく、足の速さが自慢だけども、考えずに動くのであまり評判は良くない、そんな男。
まず何がいいって、綾野剛が割とおバカな役なのが新鮮でいい。私の知る綾野剛は、どちらかというと、静かで冷静な感じの役が多かったように思う。こんなにポップで陽気な綾野剛はあまり見たことがなかったので、見ていて楽しい。さすが演技派。どんな役でもハマる。
そして相変わらず素敵すぎる星野源。冷静で論理的なのは、ドラマ「コウノドリ」の四宮先生と一緒だが、四宮先生よりも最初から人間味がでていて、優しさや人間味もプラスされているので、なんかもう好きしかない。現実でこんな人がいたら間違いなく好きになる。あんな簡単にピタゴラ装置作れるって天才かよ…。
そしてなによりストーリーがよい。テンポの速いストーリー展開と毎回強いインパクトを残してくれるゲスト出演者。志摩と伊吹をはじめとした機捜メンバーの会話のテンポも最高だし、それぞれのキャラクターが放つ深いセリフと絶妙な余韻を残した終わり方。最後に流れる米津玄師のメロディ。
第四話まで観たところだが、私にしては本当に珍しく、心の底からドラマを楽しんでいる。そこで、私の独断と偏見で、これまでのストーリのなかで「ここがたまらん!」と思わず巻き戻してしまったポイントを振り返ってみようと思う。
第一話 「俺までマウントとっちゃったじゃないかっ!」
あおり運転のお話。直感で動く伊吹(綾野剛)にイライラしっぱなしの志摩(星野源)。あまりに考えなしに動くので「奥多摩の交番から来た素人が野生の勘だけでしゃしゃってんじゃねえよ!」と怒鳴り、その直後に「俺までマウントとっちゃったじゃないかっ!」と飛び上がって後悔。このセリフがでるまでの間にマウントとりたがる人達の話がちょこちょこ出ていたので、その流れでこの叫び。
よくあるドラマなら、普通に伊吹に切れて、切れっぱなしでストーリが進むんだと思うんだけど、ここで、直後に「マウントとっちゃったじゃん」って自分で気付いてすぐ後悔しちゃうのが最高。かわいい!!!さすが!!!お源さん!!!!
第二話 いろんな人たちの謝罪
殺人の容疑をかけられ、老夫婦の運転する車に乗り込み、脅迫し逃げ続ける加々見(松下洸平)と、それを追う伊吹と志摩。最初は脅されてビクビクしていた夫婦だが、自殺した息子と同じくらいの年齢だったこともあって、加々見の無実を信じて逃亡に協力しはじめる。
理不尽だった父親に謝ってほしかった加々見と、息子を信じきれず自殺させてしまったことを後悔する老夫婦が最後に伝える「ごめんな」。最後のシーンはそれぞれ求める相手とは違ったけれども長く苦しんでいたそれぞれの思いを昇華できた瞬間だったのではないかと思う。親子、後悔、謝罪が心に沁みる、そんなストーリー。
いやーーー、加々見を演じた松下洸平が素晴らしかった。人は信じたいものを信じる。私も信じちゃったよ。
第三話① 走りで負けた伊吹を心から笑う志摩
三話は推しポイントがたくさんあったんだけど、巻き戻してみちゃったポイントが志摩の大笑い。
女性が襲われる事件が発生してるのと、陸上部の子たちがニセの通報して、警察がきたところで逃げるゲームを楽しんでるのとが組み合わさったストーリー。足の速さが自慢の伊吹が、ニセ通報者を追いかけるものの追いつけず敗北を喫する。機捜メンバーでご飯を食べながら、伊吹の敗北を笑う志摩がたまらんかった。かけあいも最高で、思わず巻き戻しましたわ。なんでしょうね、冷静で論理的な男が声をあげて笑うのはキュンです。キュンが止まりません。
第三話② 「人によって障害物の数は違う。正しい道に戻れる人もいれば、取り返しがつかなくなる人もいる。誰と出会うか、出会わないか。」
ピタゴラ装置を作りながら、九重に語る志摩のセリフ。この後のストーリーにものすごく響いてくるセリフで深くて切ない。
陸上部の成川くんがなんともいえず悲しいのです。これまできらびやかに順風満帆に活躍できていたのに、先輩が起こした事件という不運がきっかけで、少しずついろんなことがズレてきてしまい、最後の最後、他のみんなと道を分けてしまう。
成川くんを追いかけたのが伊吹だったらよかったのに…そう思わずにはいられなかったし、なんだかもう彼が気の毒でならない。
本当に強い人はそこでも流されないのかもしれないけど、どんなときでも常に強くブレずにいられる人がこの世にどれだけいるのだろう。
「自己責任」という言葉、もともとあまり好きじゃないのだけども、このドラマをみて「自己責任は、圧倒的に強者の言葉なんだな…」と改めて思った。持つ者が、自身の持っているものに無自覚なときに発せられる言葉なのかもしれない。
順風満帆な私の息子たちも、いつどのタイミングでこんなふうになってしまうのかわからない。なんか、ホント、難しいよな…。
そして最後に現れる菅田将暉。あいつ、絶対また出てくるヤツ。
第四話① 美村里江(ミムラ)の演技力
不幸な女・青池透子(美村里江)の一億円持った逃亡ストーリー。美村の演技が素晴らしかった。最後、泣いたーーー(/ω\)
うまいこと言えないけど、めっちゃ悲しくて、でも救われる終わり方だった…。
ミムラ、前から好きな女優さんだったけど、いつの間にか名前変えていたのね。
どうして世界はこんなにも不条理なんだろうな…。ホント、思うよ。どうして、ほんの少し道を踏み外したり間違ってしまった人に対して、どうして世界はこんなにも冷たいのだろう。
第四話② 志摩の虚無感
バスに乗った犯人を取り抑えようとしたところで、潜んでいた犯人の仲間にピストルを突きつけられてしまう志摩。
絶体絶命だというのに、笑顔でピストルを塞ぎ、自らの頭に銃口をあてる、そのときの志摩の表情がなんともいえず。
虚無感というのか、諦めというのか、生への執着のなさは、彼の過去の事件での出来事があるんだろうなぁ。そんなことを感じさせてくれる表情でした。あんな表情ができるなんて、星野源たらホント素敵。
その後に伊吹が本気で怒るのもいいよね。伊吹、いいやつ。
ほんと、いいドラマなので、まだ見ていないという方はぜひ今からでもみていただきたい。
さて、今日は土曜日。
録画した第五話をみましょうかね。
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