見出し画像

【読書感想】「働く男」 星野源

読了日:2017/1/20

Amazonで購入する

音楽家、俳優、文筆家とさまざまな顔を持つ星野源が、過剰に働いていた時期の自らの仕事を解説した一冊。映画連載エッセイ、自作曲解説、手書きコード付き歌詞、出演作の裏側ほか、「ものづくり=仕事」への想いをぶちまける。文庫化にあたり、書き下ろしのまえがき、ピース又吉直樹との「働く男」同士対談を特別収録。
「BOOK」データベースより

星野源の本です(^∇^)
相変わらずいい人感満載。

この本の概要

この本は色々ごちゃっと混ぜちゃったような本でした。
雑誌ポパイで連載してた映画について語るエッセイがあったり、
過去に書いた短編小説が載ってたり、
自分が出した曲について語ってたり、
出演した映画や舞台についての年表があったり、
対談してたり。

本人っぽさが一番でてると感じたのは、映画評と又吉さんとの対談。

星野源の映画評

映画評、良かった。
又吉さんの「第2図書係補佐」と似ていて、作品について詳しく説明するものではありません。(1/3くらいは作品についても説明してます。)
作品の根っこの雰囲気を、別の要素を交えて伝えてくれる、そんな書き方。
でもちゃんと雰囲気がわかるし、下手に作品を評論するより観たいかも、と思わせられる。
映画、特に洋画なんてほぼみないけど、人に上手に勧められると観たくなりますね。

死にそうになって開眼するなにか

興味深いと思ったのは、この本の執筆前後の星野源の心境の変化。
星野源はこの「働く男」を執筆して書き上げた直後にクモ膜下出血で倒れました。

本にも書かれていますが、星野源は倒れるまでは
「死ぬまで働いていたい」
と思っていました。
この本のタイトルもそういう思いで「働く男」とつけたんだそうです。

でも、本を書いた直後に倒れ、ホントに死ぬかもしれない事態を経験したら、「働く」に対する思いも変化したそうです。

死ぬ思いなんてしたくないけど、「サードメトリック」の著書も、過労で怪我をしてから働き方や生き方について別の考えを持てるようになっていますし、死にそうになって開眼する何かがあるのかもしれません。
逆にいえば、一度死にそうにならないと根っこから考え方を変えるということは難しいのかもしれない。
人の考えを劇的変えるのは、それほど難しいということなのかしら。

星野源の今後(主に女性関係)が気になる…

星野源、とってもいい人。
いい人な人柄が本を読んでても伝わってきます。
そんな彼は女の子大好き。
気になるのはこの「いい人」と「女の子好き」は果たして両立するのだろうかという点。

この本では「俺はモテないし、モテる才能がない」と言ってますが、逃げ恥ブームで、いまやかなりの時の人。
星野源に抱かれたい女子達がごまんといるわけです。

例えば今、仮に、一般人の彼女とかがいて、数多の女子たちが「源さん、源さん」と寄ってきたとき、「いやーオレ彼女いるんでゴメンね」と言って、ちゃんと断る誠実さをもてるものなのでしょうか。
二股とかかけちゃうのだろうか。

人にはいろんな角度から見た「誠実」さがあって、「仕事は誠実だけどオンナには不誠実」とか
「会社では誠実だけど家族には不誠実」とか、
実際はどこにでもあるんだと思います。

注目される人は、全方位で必要以上の誠実さを求められると思うんだけど、メディアや本の中から伝わってくるいい人っぷりを、女性関係方面でもちゃんと発揮できるものなのかしら。

もうただのファンの気持ちですけど、やっぱそこは誠実であってほしいわ〜〜。
そんな場面でも誠実な対応できたりするなら、もう彼のいい人感はホンモノだわ〜〜。

ワタクシ的名言

才能があるからやるのではなく、
才能がないからやる、という選択肢があってもいいじゃないか。
そう思います。
いつか、才能のないものが、面白いものを創り出せたら、そうなったら、才能のない、俺の勝ちだ。

才能ないんだから、歌か、文筆か、演劇かどれか1つに絞ればいい、というアドバイスも多かったらしいけど、「やりたいからやる」と人からのアドバイスをつっぱねて、並行して続けてきたんだって。
もう俺の勝ちですよね、去年の盛り上がりを見る限り。
カッコいいなぁ。

それはつまり、どんなに辛い現実の中にも、ユーモアや笑いが隠されているということだ。いい人生だったかどうかは、それをどれだけ見つけられるかにかかっている。幸せかどうかは、自分で決めるのだ。

映画評のなかのコメント。
辛いときだって大概お腹はすくし、どんなに悲しくたって予想外のところでオナラの音を聞いたらやっぱり笑いたくなっちゃうし、それは不謹慎でもなんでもなくて、当たり前のことなんだと思う。
それを申し訳なく思ったり不謹慎だと思う必要もなくて、面白いところでちゃんと笑ったり、ユーモアをキャッチして人生を面白がれるかはやっぱり自分次第。
「するべきではない」「やってはいけない」とか自分で自分をしばって楽しくない人生にならないようにしたい。
気付くとそういう凝り固まった思考になりがちだから気をつけなきゃ。

この記事が参加している募集

#読書感想文

188,766件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?