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【読書感想】モダンエルダー 40代以上が「職場の賢者」を目指すこれからの働き方 チップ・コンリー他

この本の概要

著者はホテルを創業して経営したのち、シリコンバレーで注目のスタートアップ「エアビーアンドビー」の創業者に頼まれ入社。二回りも年下の若者たちに囲まれて、尊敬されながら楽しく働き成果を出す「モダンエルダー」としての働き方を解説します! 
Amazon 作品説明より

感想

著者はブティックホテルの創業者。50代に事業の多くを売却し、経営者からエアビーのシニア社員として若手とともに学びながら知恵を伝えていく役割を担うことに。
親と子ほど年が離れた若手ばかりの職場でみえてきた、シニアが活躍していくためのヒントとはなにか?
人生100年時代を生きるシニア世代の背中を押してくれる本です。

読むのにやたらと時間がかかりました。
この本では、職場の賢者になるために、シニア世代やこれからシニアとなる人たちがどういう心持ちで職場環境にのぞめばいいかを語ってくれてます。
いいんだけど!たしかにそのとおりなんだけど!
例として出てくるたくさんの賢者の方々が、そもそもハイスペックすぎないか…?!という点がずっと気になってしまって、素直な素子が全然素直に読めなかった(笑)
ガソリンスタンドのシニア店員とか、名もなき中小企業のシニア平社員とか、もう少し一般庶民的な人を例にしてくれればすんなり入ってくるんだけど…。

シニアに対する先入観と誤解についても説明されていて、コレを読むと経験を積んだシニアたちはみんな素晴らしいように表現されています。
たぶん読者であるシニアたちに前向きになってもらいたいという意図もあるんだと思うんですけど、「ホントに〜?!」って思ってしまうところも正直ありました(笑)
そんなんじゃない老害的なシニアも世の中にゃたくさんいると思うんですけど…。

ただまぁ、これからシニアが活躍したり貢献できる方向性と、私自身がこうありたいと思う人間像は近いところがあったので、このまま進んでいって大丈夫なんだろうな、と背中をおしてもらった感はあります。
気持ちの良い歳の取り方を知るうえではとても良い本だと思いました。長いけど。

なお、「シニア」という言葉を多用しておりますが、基本的には年寄りにも柔軟な年寄りはいるし、若者にも頑なに人はいるので、私自身、人を年齢でカテゴライズして考えてるワケではありません。

若者、シニア、男、女など、カテゴライズワードって色々ありますけど、扱いが難しいな、と最近よく思います。
一人ひとり違うのは当たり前で、カテゴライズして考えることでみえなくなるものもあるとは思うんですが、「一人ひとり違う」という表現でカテゴライズを頑なに否定することもまた違うのではないかな、と思うんです。そこを否定することで、考慮していくべき違いを見えなくもしてないかな、と。
言葉にセンシティブになるのは必要なことだと思うけど、センシティブになりすぎたが故にそこで思考停止してしまう例もあるような気がしてて、こういうワードそのものについて過剰にフォーカスした議論をみてると、たまに違和感を感じたりもします。

こういうワードにも、過剰に感情的にならずに、バランスよく用いることがその本質を理解していくうえで必要なんじゃないかなぁ。
知らんけど。

ワタクシ的名言

トレーニングマガジン誌によると、大企業が提供する21種類の社内研修について調査した結果、最も効果的なのは人事部が行うコーチングとメンタリングだったという。外部のコーチ採用は、年間10億ドル以上の企業支出を占めている。経験豊富な社員にこの役割を担ってもらえれば、外部コーチを雇う費用を抑えつつら年長社員に有意義なキャリアパスを提供できるはずだ。
252ページ 第9章より

私もコーチングを学んだことで、仕事や自分自身のことを振り返り言語化することの効果を理解できるようになりました。日本にはコーチングやカウンセリング文化が根付いてないので、その効果をそもそも知らないという人がほとんどなんですが、もっと当たり前の文化になればいいのにな、と心から思います。
研修もいいけど、こういう対話の場がもっともっと広まればいいのに。

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