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【読書感想】剣と十字架 空也十番勝負(三) 佐伯泰英

この本の概要

舞台は五島へ--。
隠れ切支丹の島に潜む狂気とは⁉

八代の湊を発った空也は、五島列島の福江島へと辿り着く。
唐人相手の抜け荷交易に用心棒として同行することになり、
値付けを賭けて、唐人武闘家との勝負にのぞむ。

執念深い薩摩東郷示現流一派が
この島にも迫ってきたことを報され、
隠れ切支丹がいるという中通島へと向かう空也。

湊近くのめし屋でみかけた婀娜っぽい女が
近づいてきて……。
Amazon 商品説明より

感想

空也十番勝負シリーズ3作目。武者修行中の空也くん。薩摩、肥後での旅ののち、今作では五島列島に移動。
薩摩での修行中、はからずも東郷示現流の面目を潰すことになり、さらに薩摩を出る折は東郷示現流の師範代を斃してしまい、肥後にいるときには師範代の三男坊まで斃してしまったもんだから、ますます追われることに。
無用な戦いを避けるため、五島列島で身を隠す作戦だったけど、なんだかんだで目立っちゃうのが空也くん。さすがです。

めしやで出会ったしまさんという女性とちょっとドキドキする展開になることも期待してたけど、真面目な空也くんはもちろんそんなことにはなるはずもなく。
まぁ空也くんならそうだろうけども、もうちょいドキドキ展開があってもええんやで。

江戸メンバーのワイワイも相変わらずいい感じ。特に今回は磐音初期メンバー、竹村武左衛門に加えて品川柳次郎も登場したのが嬉しかった。

ワタクシ的名言

「兄上ったら、なんなの。『母上、空也は元気に生きており申す。明日も明後日も、そして来年も生きて剣の道に勤しんでおり申す。母上、それがしには生きておらねばならぬ大事なお人が一人増え申した。』って。おそらく眉月様の願いで書き添えただけよ。母上はたったこれだけの内容で涙を流されたのですか。呆れた。」
p272 第五章 異人の剣技

台詞は空也の妹、睦月のもの。
武者修行にいってからまったく親に連絡を寄越さない空也くん。
彼女の眉月ちゃんが磐音たちに近況を伝える文をだしてくれたけど、そのなかに、ちょこっとだけ空也くんからおこん宛のメッセージが!
そのメッセージが「母さん、おれ生きてるから。あ、おれ彼女できた」程度ですよ。。。
成人した息子のあっさりさったらひどいもんだね。
うちもそのうちこうなっちゃうんだろうなぁ…。

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