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【読書感想】未だ行ならず 上 空也十番勝負(五) 佐伯泰英

この本の概要

平戸を発った空也は、長崎街道を下り長崎へと向かう。辿り着いた長崎には、紅毛人の居留地である出島があり、異国の帆船が停泊するなど、これまで修行地とは異なる、異国の香りが漂う町だった。
Amazon説明より一部抜粋

感想

空也十番勝負シリーズ、おもしろいので続けて読んでます。
薩摩での武者修行以後、島巡りをしていた空也くんですが、これ以上戦いを避けてても埒があかんと腹を括り、長崎の地に。

島巡り中に出会った女密偵に世話になるなかで、父・磐音も過去に長崎に訪れていたことと、その理由を知って、空也くんは衝撃を受けます。

今作のハイライトは父の過去を息子が知るってことですね。

人には人の歴史がある。
もちろんそれは親も同じなんだけど、身近なはずの自分の親については知らないという人がほとんどなんじゃないかと思います。
好きな芸能人のルーツや若い頃の話は知ってるのに、一番身近な親のことを知らないってよく考えると不思議。

今観ている朝ドラ「カムカムエヴリバディ」が親子三代の物語で、こないだから、娘のひなた(川栄李奈)が、親であるるい(深津絵里)と錠一郎(オダギリジョー)の過去を知る展開になっています。
好きなドラマと読んでる小説の展開が偶然にもリンクしてて自分の親の若い頃とかにもちょっと想いを馳せてしまいました。


ワタクシ的名言

「そのうえ、奈緒様の父御が病に倒れられ、奈緒様は治療の費えを得るために、自らこの長崎の丸山に身を沈められた。」
それを聞いた父は一度は諦めた奈緒を追って長崎を訪れた。その行動に込められた父の断ち切れぬ想いを知り、空也は新鮮な驚きを感じていた。
p109 父の秘密

自ら遊郭に身を沈めた奈緒を追って父である磐音が長崎に来ていたということを知り、驚く空也くん。
いつも落ち着いてておこんとしっかり夫婦をしている今の磐音しかしらないとそりゃ驚くよねぇ。
いや〜、でも実際自分の親のラブとか恥ずかしいし、自分の子どもに付き合いたてのあれこれを知られるのとか恥ずかしいわ〜。

海賊船騒動がまだ終わってなくて下巻に続いてるので引き続き読みます。

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