【読書感想】未だ行ならず 下 空也十番勝負(五) 佐伯泰英
この本の概要
感想
物語が動いたねぇ。
武者修行の地、薩摩での出来事をきっかけに東郷示現流一派に狙われることになった空也くん。
今回は久しぶりに東郷示現流との尋常の勝負が繰り広げられます。
東郷示現流の後継者である太郎兵衛との勝負では、偉大な父親を持つが故の苦悩も互いに理解し合ったりもして、立場が違っていたらよい理解者になれただろうにな、とちょっと悲しくなりました。
空也くん以外にも、江戸の磐音家、薬丸新蔵にも動きがあるし、江戸の様子も開国は避けられない雰囲気になってきていて、時代の変わり目が近いな、と感じさせられる展開でした。
ワタクシ的名言
磐音も空也も、ひたすらに剣の道に進む人たちでしたが、この武者修行の旅で、異国の文化水準の高さも目の当たりにした空也は「剣に意味があるのか…」と迷い始めます。
これまでも、異国の文化をみてもやもやと気になっていた様子でしたが、長崎の地でより深く異国を知り、迷いも大きくなってきたようです。
これからどんどん時代は開国にむけて動いていくわけで、徳川家との関係も強い坂崎家はどうなっていくんでしょうね。気になります。
あとがきでは著者が、老いによる執筆のしんどさを書いてたりもするんですが、老いやコロナなんかに負けず、長くこのシリーズを続けてほしいな、と切に願います。
続きが気になるのでこのまま次の作品を読もう。
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