【読書感想】歴史を変えた最強チームの真実 女子バスケットボール東京2020への旅 小永吉陽子
この本の概要
感想
オリンピックの感動をもう一度…。
ということで、東京オリンピックで、銀メダルを獲得した女子バスケメンバーのインタビュー集、読みました。
私はBリーグをはじめとした男子バスケをよくみるんですが、夫は以前からBリーグだけじゃなくWリーグにも注目していて、JBA公式動画「INSIDE AKATSUKI」の女子のほうもちょこちょこみてたんですよね。
そんな事前準備もあったので、オリンピック前には、私もある程度選手たちの名前は覚えた状態になってました。
この本では、オリンピックに至るまでの挫折や選考のつらさ、スタートメンバーの責任感と重圧、セカンドメンバー選手のひたむきさと悔しさなど、一人ひとりの当時の思いがものすごく正直に書かれていました。
選手をほぼ知っていたし、試合もところどころはみていたし、Bリーグの試合観戦のおかげでバスケ用語やシステムもうすらぼんやりは理解できていたので、読んでてだいたいは理解できたし、「あのときこんなこと感じてたんだ〜」ってのがわかって、胸が熱くなりましたよ。
選手の話す内容が割としっかりバスケの話だったりするので、用語がわからないと????となる箇所もあるとは思うんですが、感情面に関する話もたくさんあるのでバスケ用語詳しくなくてもオリンピックを機に女子バスケに興味を持った方は読んでみるといいかも。
それぞれの個性がみえて、きっと、より選手が好きになります。
代表選考や試合のときの葛藤などは、男子メンバーでも、女子と同じような感情になっていると思うんですけど、同じように男子選手たちにインタビューしたとして、これだけ感情を正直に話してくれるかというとそれは難しいような気がします。
感情面を率直に話すことに日本の男性は慣れてないし、女性とは違うかたちでのプライドもあるのかなと思うので。
女子選手たちの言葉を通して、私がよくみていた男子選手たちの葛藤とかも想像できて、そういう意味でも読んどいてよかったと思いました。
選手たちがますます愛おしく応援しようってなりました。
ワタクシ的名言
先日、今シーズンでの引退を発表した三好選手。
オリンピックではベンチからスタートすることが多く、悔しい思いもあったとのことですが、このチームのメンバー全員は個人的な感情はいったん横に置いて、試合のときはチームのために尽くすことができたとのことでした。
今まで選考で何度も落選していたことですが、選考合宿中に上記のように吹っ切れたんだそうです。
このある種、諦めのような心境は、三好選手以外の方も持っていたようで、他の人も同じように語っていました。
極めきった先にこの境地があるのかもしれないなぁ。
ベルギー戦ラスト数秒で逆転3pシュートをうった林選手は、オリンピック本番直前まで長い期間シュートスランプに陥っていたんだそうです。
スランプを乗り越えたきっかけは恩塚さん(現・女子日本代表HC、当時は代表AC)が読書をすすめてくれたからで、その時読んだ本から、気持ちを整えることを意識するようになったんだそうです。
できないことを受け入れる。
言うのは簡単だけど難しい。
「できないことを(私自身が)受け入れる」と「できないことを(みんな)受け入れて」は別で、林選手が言ってるのは「できないことを(私自身が)受け入れて、それから私はどう動いていくか」の話をしているのだと思う。
でもそこで「私はできないから、こんな私をみんな受け入れて」になると、動かなくていい理由として使われてしまって、そうすると色々うまくいかなくなりそう。
トップで活躍するスポーツ選手の多くは高いレベルで自分を俯瞰してみてて、そのうえで自身をどう成長させられるか考えている。
尊敬します。
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