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続 松本清張ブーム         松本清張記念館&日本の黒い霧

こんなに早く行けるとは思っていなかった。
家族が興味あるようには思っていなかったから、言い出してもかなわないだろうなと…。
でも連日忙しい旦那さんは休日遠出がしたいらしい…。
北九州なんかどうよ?松本清張記念館があるんだけど…。と言ってみると、
いいんじゃない。と二つ返事。

やったー!!

北九州名物焼うどんを食べたり、小倉城を見たりしているうちに怖気づく。

8歳と5歳の息子が静かに見ているとは到底思えない。
でも行かなかったら後悔するだろうなと揺れる思い。

まぁ揺れているうちに着きました。

1 松本清張記念館

入ったところに700冊の著書が並べてあって展示している。私は少ないながらもあれ読んだわこれ読んだわという楽しみ方だったけど、旦那は表紙デザインとかがたまらなかったらしい。確かに昭和の本の表紙はバラエティーに富んでいてそれを並べられると面白い。なんでその書体?!とか…。

進むと清張の巨大年表に時代ごとの事件が書かれている。「日本の黒い霧」と「昭和史発掘」に描かれれている事件は記がついている。ちょうど「日本の黒い霧」を飛んでいる最中だったので、やっぱり注目作品だったのか。チョイスは間違っていなかったと自信を持つ。

松本清張全仕事として、現代小説、推理小説、歴史小説、現代史、古代史、松本清張フィルモグラフィの6ジャンル別に紹介している。ジャンルが広いから見ごたえがたっぷり。

でもこの辺で子どもたちは限界。だんなが連れて行ってくれる。

この後は書斎、書庫、応接室を移築して展示してある。こどもたちと離れて見たけど、こっちの方が子どもたちには楽しかったかも。だんな曰く楽しんでいたそうだ。
すさまじい数の本がある書庫、書斎・応接室は小説家独特の特徴もあるかもしれないけど昭和感のある物品が懐かしい。やっぱりこの時代が好きだなぁと実感。

一通り見終わって、だんなに電話をかけてみると記念館内のカフェでコーラを頼み子どもたちはご機嫌だったそう。
興味ないのについてきてくれた旦那と息子たちに感謝。やっぱり行かなかったら絶対後悔していた。

2 日本の黒い霧

帰ってから読破した。「日本の黒い霧」

GHQ占領時代の事件の謎を清張が解き明かしている。読んでみてこの時代のこと何も知らないなとそれが一番思った。
日本は太平洋戦争に負けて、GHQがきて、サンフランシスコ平和条約で独立を回復。歴史の授業で一番急ぐところな気がする。
でもこの本を読んで、この時代すっごいたくさんの種類?の人がいたんだなと言うのが分かる。混乱して混とんとしている時代だからなんだろうが、GHQがいて、GHQの中でも派閥があって、アメリカの政府はまた別のことを言って、ソ連、中国関係もいて、そのそれぞれにスパイもいて、スパイは一方だけに通じているわけではなくて…。右派がいて左派がいて、労働組合は活発で、最初は奨励していたアメリカは途中で方針転換をして…。
今の世の中も複雑かもしれないけど、この頃よりは単純な気がする。
どの政党も似たようなことを言っていて、いざ政権が代わってもそんなにかわらない。だれがやっても同じでしょという日本人の感想。政治に無関心。
でも「日本の黒い霧」を読んでそんな下地を作ったのはこの時代なのかもと思った。
物騒な事件が度々起こり、人々の心に恐怖感や一定のイメージを植え付け、なんとなく単一の国民性はこうして作られたんじゃないか。植え付けた首謀者は誰なのか…。一人でできるものではない…。でも私たちの今生きている社会は純粋に日本人自身が築きあげてきた社会ではないと突き付けられた気がする。 

松本清張の謎解きが正しいとは言い切れないけど、この時代の混とんとしている様子、非合理なことがまかりとおる様子、が伝わってきた。知らなきゃだめだなと思った。



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