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中国SF小説「三体」を読んで一言。めっちゃめっちゃ面白い!!

中国SF作家、劉慈欣の代表作『三体』全5巻
(大森望、光吉さくら、ワン・チャイ訳、立原透耶監修/早川書房)


 この小説の内容は他の方が詳しく書いているのでそちらを見て頂くとして、私の読書感想として素直に書かせて頂こうかと思います。


とにかく久しぶりに本の中にどっぷりとはまった、というか三体世界から抜けだせなかった。。。三体ロスというのが率直な感想。。



長編で、物理用語が沢山出てきたり、三体世界と地球の世界が入り混じって訳がわからくなるけど、がんばって読み進めれば自分の思考のはるか外、はるか先にいつの間にかいる感じ。一緒に幾世紀も先に進み、宇宙のはてに移動して時間や場所、次元の感覚が崩壊するのを感じました。



ざっくりとあらすじ(ネタバレなのでこれから読む方は少しだけに!)


中国、文化大革命の只中、物理学者の父を目の前で惨殺された、中国人エリート科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)の人類への絶望から始まる。

葉文潔(イエ・ウェンジェ)は前半のキーパーソンとなる女性。
エリート科学者であった彼女が巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地に勤務することになったところから、地球と宇宙との闘いに移行し、主に三体世界という宇宙の存在と関わっていく事になる。

三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』。
地球人類最高の化学vsはるかに優れた三体人との対決。
*この辺りで頭の中が混乱し始める。


読み進めるうち、葉文潔(イエ・ウェンジエ)のように人類に対する絶望もうっすら湧いてくる場面もあり、物語の中の絶望とかすかな希望の中に引きずり込まれる。

三体星から地球に向けて艦隊が出発。
三体星から地球に到着するまでおよそ450年かかることで、その時点での地球の科学技術が三体と同じレベルになるかもしれないと危惧した三体星人は、「智子」プロジェクトを開始した(読み方=ソフォンプロジェクト)「智子ソフォン」とは“智恵のある粒子”のこと。
三体星人の科学者は先ず、陽子を11次元から2次元に展開させ、その2次元表面で強い相互作用を使って集積回路を組み込む。これでその陽子を計算機にする。複数の「智子」があれば、「智子」同士の遠隔作用は利用可能。これを利用し、半分の「智子」を三体の世界に残してコントロール用とし、もう半分の「智子」を地球に送り込んで、高エネルギー加速器の研究結果を乱して、物質構造研究を邪魔し、地球人の科学の発展に桎梏を掛ける。これで地球人に科学技術が追い付かれることはなかろう。それと相俟って、「地球三体組織」も全地球の科学者を暗殺し始めた。
*wikipediaより抜粋


*余談ですが、私の本名は「智子ともこ」人類の脅威「智子ソフォン」と同じ名前。
初めのうちはソフォンと読み仮名がふっているけど、そのうち読み仮名が無くなり漢字だけになるとやはり自分の事を言っているような錯覚に陥り複雑に、、、
どうして智子って名前をつけたんだろう。日本の三体ファンの智子(ともこorさとこ)さん達と話をしてみたい気分。。



後半の「智子ソフォン」は着物を着た楚々とした東洋美人になったり、日本刀を振り回したり、地球人にとって最後まで恐ろしい存在だけど、私にとって「智子ソフォン」は徐々に親近感が湧く存在になる。
*このnoteブログを書き始めた時が三体マイブームだったので、noteのニックネームを「ソフォン」にしようかと思ったくらい。


1冊毎にテーマとともに時代や登場人物が変わるが、物語はどこに進んでいくんだろう・・・というハラハラしっぱなしの展開。

450年先の三体星の襲撃に備えつつ「智子ソフォン」の監視体制の中、智慧を出し合い戦う地球人。絶望的に思える展開も打開していくのは人間の精神性…なのか。。

結末がギリギリまでわかならい展開。

私たちが生きる少し前の文化大革命があった人間同士の戦争時代から、近い未来の地球の姿のような予感を抱かせるのが、この物語をリアルに読み進め素直に入り込める所以ではないかと思う。

読み終えた感想として、ただただSFの面白さもあるが、明日にでもこのような展開がリアルなこの世界でも起こり得るし可能性はあると実感したこと。



宇宙は広大無辺。でも私たちの精神も広大無辺。


小さな世界の固定観念をすぐにでも取り払いたい気分に…
シリーズを最後まで読み終えた後、少し今までと感覚が変わる、広がるような感覚にになりました。

書きたいことや想いは山ほど、、、
でも、これから読まれる方は前知識なしで読んだ方が絶対に面白い本なのでこの辺りで終わります。

劉慈欣さん   
最高です!!


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