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厄年にうつ病になった話(2)

うつ状態の悪化


転勤直後に体調を崩して以来、小康状態が続いていたのですが、2018年の4月頃からまた体調が大きく悪化しました。
今度の原因は、妹が再婚して結婚式を挙げると言ってきたことでした。

35歳処女が結婚するまでで書きましたが、その頃の私には誰かと付き合った経験がありませんでした。それは当然、私の最大のコンプレックスでした。自分は男性に求められたことがないという事実は、私に存在価値がないと感じさせられるのに充分な要因でした。
妹の結婚自体はお祝いしたい気持ちはあったものの、私と違って友だちが多い妹がたくさんの人に祝われているのを穏やかな気持で見られるのかという不安がありました。

また、ある事情で父親との関係がとても悪く、何年も絶縁状態でした。結婚式となれば当然父親と会わなければいけません。お祝いの席でそういうことを悟らせないように振る舞うことも苦痛に感じられました。

その頃、それまで通っていた心療内科の先生が辞められることになり担当医師が変わったのですが、その先生は今までの先生と違い私の話をきちんと聞いてくれる先生ではありませんでした。また、その先生が変更した抗うつ剤が全く体に合わず、飲むとフラフラになって働くことすら困難になりました。
心が不安定になっているときに、頼みの綱である先生が助けにならなくなってしまったのです。

ある日、あまりにも体調が悪いので平日の朝に急遽病院に駆け込んだのですが、私がまだ話している最中に先生に話を遮られ、待合室に戻るようにと言われました。
待合室に戻ってもうどうしていいか分からなくなり、涙が止まらなくなりました。狭い病院だったので受付の方も近くにいたのですが、声をかけてくれるようなこともなく、もう全てから見放されているような気分になりました。

その日はその後会社に行く予定だったので、病院の最寄り駅で途方に暮れました。ホームのベンチに座り電車を何本も見送りながら、このまま線路に飛び降りたら楽になるだろうか、と考えもしました。

どれくらいそうしていたかは分かりませんが、結局1週間ほどお休みをもらうことにしました。


(つづく)

#創作大賞2023

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