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算数とファシリテーション

学校は「令和の日本型学校教育」(全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現)の構築を目指しています。その中で教師に「ファシリテーション力」が求められるようになってきました。

神保勇児氏に学ぶ

<はじめに>
 私がnoteにたどり着くきっかけとなった、教師をサポートするSNENSEIノートというSNSのコミュニティがあります。教育のICT元年だった昨年度、オンライン授業の留意点はどんなことなのか、実際にやった方にお聞きしたいと思い、昨年の8月中旬、初めてSNENSEIノートを使って質問をしてみました。「オンライン授業のお勧めの方法を教えて下さい」と。

 すると、神保勇児氏からコメントバックを頂きました。「次回の、★1%の努力でできるスキル★学び合い授業スキルアップ研究会では、オンライン授業の話題をします。よかったらどうぞ」
 校内研修を担当していた私は、市内で実践例がない中で、万が一の学校閉鎖や学年閉鎖に備えてどのようにオンライン授業をしたら良いのか実践的な研修を進めねばならず、迷わず参加することにしました。8月下旬のそのオンラインセミナーに参加をし、そこで得た情報を基に2学期開始時に校内でオンライン授業をシュミレーションしながら模擬的に研修することができました。そこからの御縁で、オンライン研修会に参加させて頂くようになり、今年度の初めにはICTに関連した自分の実践についてオンライン発表する機会も頂いて、今はちゃっかり?、運営メンバーに加えて頂きました。(^_^)

<算数に熱い専門家>
 SNENSEIノートでは昨年度、タブレットPCの活用に関して、私はたくさん質問をさせて頂きました。まさにどの学校も手探りの状況でした。
 校内のある先生が算数の図形の授業をタブレットPCを活用して「複合図形の求め方」について研究授業を行うにあたり、時間配分や、タブレットPCの活用方法について質問をさせて頂いた時のことです。回答を頂く中で「まさに算数の神様!」と思ったのが神保勇児氏でした。
算数愛に溢れていました。私が質問した内容について、下記のように図解して送信して下さったのです。お人柄の良さも伝わってきました。
(問い)図形の面積を求めましょう。(下記の図の一番左上が基になる図形)

神保先生からの言葉(抜粋)
タブレットだからできる面積の操作をさせたいです。紙を切ったり、ノートで図形をその都度作ることが苦手な子もいます。そういった操作はタブレットで簡略化させて、より図形の中に図形を見出したり、自由に変形できたりするとタブレットの使い方として面白いのではないかと思います。(中略)
本時の算数科での目標を明確にし、それを達成するためにタブレットPCをどう使うのか考えるといいと思います。私はタブレットなどのICTは算数の目標を達成できるための手立てだと考えています。ものさしや分度器、コンパスと同じように、タブレットを算数の道具として位置付けられないものかと思案しています。
算数の授業では、「作図がうまいが計算が苦手な子」や「作図が苦手なばかりに面積を考えるところまで行けない子」がいます。前者は電卓で何とかなりますが、後者はタブレットで解決できるのではないかと考えています(私見です)。数学的な考え方を育成できるタブレットの活用を今後研究会でも考えていきたいと思います。

こうした御助言を校内でも紹介し、研究授業を無事に行うことができました。感謝しています。

<オンラインセミナーでも、名ファシリテーター技が炸裂!!>
 そのオンラインセミナーでは、教員や教育関係者を相手に、毎回、上手に、楽しそうにファシリテイトされる姿が見られます。その神保勇児氏が、「算数ファシリテーション入門」(東洋館出版社)という本を出版されました。私は御紹介頂いたその日のうちに注文し、お盆休みに拝読致しました。御本人の許可を得て、著書の言葉を引用して内容を少し御紹介したいと思います。下記バナーや、Amazon、全国の書店等で購入することができます。

「算数ファシリテーション入門」(東洋館出版) 神保勇児 著 より
この本は次のような提案をされています。
「はじめに」より抜粋            
子供たちがなぜか話したくなるような授業をめざして、先生の事前の段取り、話し合いの舵取りのスキル向上のために、
・子供の仕草から意見を引き出す
・指名計画を考える
・リズムを崩して規則性でつなげる

など、ファシリテーションを生かした算数の授業について
<目次から項目を抜粋して御紹介>
・子供の困り感を共有し、学習課題につなげる
・数、量、図形など友達の目の付けどころの良さを引き出す
・見方を変えて深めてまとめる 等

なぜ、今、教育においてファシリテーションが必要なのか?

中央教育審議会の答申で、「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師像としてファシリテーション能力、ICT 活用指導力等が加えられたのです。

神保勇児氏の著書の言葉を引用して、なぜ学校でファシリテーションが必要なのか説明しますと「ファシリテーションは、参加している子供の思いや考えを互いに理解し、学習を深めることができるからです。ここで教師の役割に求められているのは、授業に参加する子供の知識や経験を引き出し、自発的な学習を促すことです。」P32
神保先生が、授業の際に、どこに着目をして、どんな働き掛けをするのか、具体的に知ることができ、自分の実践に生かすことにつながる一冊です。
児童の仕草からも、子供の思いや考えを読み取っている凄腕ぶりを垣間見ることができますよ。お勧めしたい本です。

教育関係の方で授業のスキルアップに関心ある方、一緒にいかがでしょう?
★1%の努力でできるスキルを紹介★『学び合い授業スキルアップ研究会』
は、神保先生が主催する研究会です。小学校の先生が多いですが、中学校や高校の先生方、管理職の方、教員でない教育関係の方も在籍しており現在会員数は約320名です。(日々人数を更新中)
どうやら神保先生には癒し効果があるらしく参加された或る管理職の方は「今週も癒されました」とおっしゃいます。アットホームな雰囲気です。
他の運営の先生方も素晴らしい実践をおもちで、勉強させて頂いています。

子育て・教育のお悩みオンライン相談室「ウチのこは」で相談できます。

学びの場.com「教育つれづれ日誌」に教育エッセイも寄稿されています。

著書「学び合いコーディネイトスキル60」子どもが進んで動き出す

最後まで、お読み下さってありがとうございます😊