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チップには悩まされた (アメリカ駐在よもやま話 その19)

チップのない世界に戻るんだ! 長いアメリカ駐在を終えて帰国するときに嬉しかったことの一つでした。

サービス料込みのためチップは不要というレストランが増え、アメリカのチップ事情にも変化があるかもしれませんが、2018年に帰任するまで、チップの習慣には最後まで悩まされました。

周りのアメリカ人に聞いても、決まったルールはないと、つれない返事。私の場合は、毎回悩むのも面倒なので、レストランやタクシーは10%から15%、ホテルの枕銭は1ドルと決めていました。また、ホテルでチェックインのあと部屋まで荷物を運んでくれたとき、フロントで荷物を預けて引き取るとき、ホテル玄関でタクシーを呼んでくれたとき、それぞれ1ドル渡すようにしていました。

1ドルでは少なかったのかもしれませんが、いやな顔をされたことはありませんでした。いや、鈍感なので気づかなかったのかも...。アメリカでは現金を使う機会が少ないのでついつい忘れがちだったので、出張や旅行に行くときは、チップ用に1ドル札を10枚ほど持参するようにいつも注意していました。

レストランやタクシーはクレジットカードで支払うことが多く、伝票に手書きでチップの金額を書き入れるか、端末に入力するのが決まりになっていました。会計時に直ぐに暗算する必要があり、そのため、当時は暗算力が維持できていたように感じます。

レストランの中には、一定のサービス料を請求額に含めるところもボツボツ出てきていました。その場合はチップを上乗せする必要がありません。伝票をしっかり見てサービス料の有無を確認しなければなりませんでした。

チップの習慣のためレストランではテーブル毎にウエイター・ウエイトレスが決まっていました。当たりはずれもあり、タイミング良く担当のウエイター・ウエイトレスが来ない、目くばせしてもなかなかやって来ない...なんてことも多かったですね。彼らはチップも含めてようやく一定レベルの報酬に達するのだと聞いていたので、例えサービスが多少悪くてもチップを上乗せして払うようにしていましたが...。

ホテルの朝食はセルフサービスのところでも、食器を片付ける係の人がいて、食事を終え席を立つときにテーブルの上にチップとして1ドル紙幣を置くのが決まりになっているようでした。あるとき、日本から来た出張者がそのような習慣を知らずに、チップを置かずに立ち去ったのを見かけました。そのとき片付け係の人があからさまに文句を言っているのを聞きました。

アメリカには長く駐在しましたが、最後までチップの習慣には馴染めませんでした。

最後に宣伝です。昨年、私は「英語で書く、ビジネスメールの基本」という本を出版させていただきました。自費出版ではなく商業出版です。本書の特長は以下の通りです。

<本書の特長>
①通算17年のアメリカ駐在を含む30年以上の貿易関連業務の実践を通じて習得した英文メールの書き方を解説

②ビジネス英文メールはパターン化した表現や決まり文句などを覚え、また、相手の国の文化や習慣に対する理解に基づき表現を工夫することがポイント。それらのポイントを踏まえて、相手にうまく伝わり相手の行動を促す英文メールを短時間で書くための色々なノウハウを紹介

③海外の文化・習慣に対する理解に役立つようにアメリカ駐在時の様々なエピソードも織り交ぜている

④例文を多く提示し、略語一覧やIT用語一覧なども付録として掲載しているので、手元に置いて事典のように利用できる

この本が皆様のお役に立てば嬉しいです。

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最後までお読みいただき本当にありがとうございました。



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