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アメリカ駐在物語 ⑧下請けなんてない!

「下請け」は英語で何て言うでしょうか?Subcontract/Subcontractorでしょうか。しかしそれでは日本語のニュアンスが正確に伝わらないように思います。

日本にいるときは「下請け」という言葉にはあまり抵抗感がなかった、というか、周りが普通に使っていますし、「下請法」なんてものもあるので、違和感を感じなかったです。でも、アメリカで駐在を始めてからは、アメリカには「下請け」なんてものは存在しないということを強く実感しました。

最近の話ですが、海外の取引先に日本の「下請法」を説明しなければならなかった時に、理解してもらうのにかなり苦労しました。おそらく「下請法」に匹敵するような法律は欧米には存在しないのでは?下請けいじめがあるからこのような法律で守る必要があるのであって、このような差別意識が根強く残っている事実には悲しいと感じると同時に無力感も感じます。

下請けという言葉の背景には、大企業が「上」で中小企業が「下」という意識が働くのだと思います。日本は、皇室や貴族が「上」、武士が「上」、役人が「上」、そして大企業が「上」...というように見られてきた歴史がありますね。最近よく使われる「上から目線」も根っこは同じでしょう。下請企業が大企業に従属する、隷属するかのような力関係は日本独特の商習慣のように感じます。

日本では上下関係があるため日本語の中に敬語が存在するのですね。英語では丁寧語はあっても敬語はありません。英語圏の国では上下関係がなく、対等だという意識が強いのだと思います。

今、日本で働いていて、取引先から「上から目線」でモノを言われると、ついつい「下請け」扱いするな!と心の中で舌打ちする自分がいます。そんな時、こんなことはアメリカではなかったなぁとつくづく思うのです。

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<本書の特長>
①通算17年のアメリカ駐在を含む30年以上の貿易関連業務の実践を通じて習得した英文メールの書き方を解説

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③海外の文化・習慣に対する理解に役立つようにアメリカ駐在時の様々なエピソードも織り交ぜている

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最後までお読みいただき本当にありがとうございました


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