北の伏魔殿 ケースⅠ-後日譚

○公務員は、過ちをみとめず、謝罪しないのが通例

 私が公務員として、いや人として仕事をする上で最も嫌いなのは、自分の職務権限を利用して、報復する人間である。そもそも、公務員は自分の地域や住民のために働いているはずなのに、組織に入ると自分の出世しか考えていない人間が多い。少なからず、住民のためと思っている職員もいるにはいるが、彼らのうちどれだけの人数が人事で処遇されているのかは、首長が正当に評価できるかどうかにかかっているだろう。

 以前、新聞で公務員関係は北海道が目立つと書いたが、管理職に限定した記事でも、公文書偽造が3件、うち1件では仕事が面倒で国の交付金事業で嘘の報告をし、3億円相当の本来不要だった税金負担を生じさせたそうだ。また、天下り先への発注を優先させるため、天下り先が優位になるよう工作し、それが発覚するとその上司である局長は隠蔽工作を指示したがその理由は「関わるのがいやだった」とのことだった。看護学院のパワハラを主導していたのも管理職だそうだが、そういった事例が非常に目立つ。我が県職員も同様である。結局、人事制度がまとに機能していないのが原因だろう。

 M係長と、B主査に謝罪を求める機会を与えようと、それぞれと飲食することとした。
 B主査には、彼らがやったこと全てを明らかにするよう求めたが、「M係長には世話になったので言えない」と言う。それよりも迷惑をかけた私には何の説明も謝罪もできないのか?B主査は「私があなたに気を使わなかったことが悪い」知らなかったが「前年度予算で翌年度分を支払ったことが問題だった」「(出張を11月と)言ったことはしようがない」との言い訳をしてきたが、私は、気を使わなかったことなど何気にしていない。不正経理をしていたのが問題なのではなく、私のアドバイスを無視して事務所に節約するように言ってそれを私に責任転嫁したのが、問題だと言うことが分かっていないのか、自分の恥部だから認められないのか。さらに「言ったことはしようがない」というのは、おそらく、全てが露見したときに課長がB主査を慰めるために言った言葉だろうが、それをやった本人に言うとは驚きだ。
 
「課長はいい人だ」「私がしたことは黙っていて欲しい」と言い出したが、私が課長に恩があることを知っていて、それを楯に黙らせようとしている。自分の都合しか考えない人間だ。
 外国語は得意なようだが、日本語は不得手なようだ。謝罪を求めると「じゃあ」と前置きの言葉を発したが、これで私はこれまで、この人間をかばってきたことを後悔した。本来、会場に来たときに私が求める前に「すみ
ませんでした」というべきだろう。それが「じゃあ」ならとても、悪いとは思っていないということがよく分かった。

 M係長は、やっていることが性格をよく表しているが、その言い訳も噴飯ものだった。
 事務所が県直営になり、海外勤務の2人が団体から取ることになった際、私の出身部の人事担当課長補佐から「Kくんも戻すから」と言われたが、「当該課でやらせることがあると言っているので」と辞退した。補佐から「それぐらいB主査にやってもらえばいいのではないか」と言われたが、M係長が私を残留の方向で、人事課や財政課に根回ししているので、断った。
 M係長は自分の学閥であり、また私の知人でもあるT氏に私の出張に関し、「早く行けと言ったのに、行かなかったから出張に行けなくなった」と
自分が行けないような工作をしたにもかかわらず、嘘の情報を流した。
 私は、この時点でも彼らの立場を考えて、出張に行っていないことを誰にも言っていない
にも関わらず。

 彼との会談で、人事で定数の問題だと言ったことを確認すると「そんなことは言っていない」「人事課からの指示だ」と言う。予算要求もそうだが、人事も現課が要求しもせずに、予算や人をつけるなどあり得ないだろう。
 まして、人事課の指示なら、私の部の人事担当課長補佐が戻すなどとは言わないだろう。この程度の言い訳しかできない。
 さらに、「早く行けと言ったのに、行かなかったから出張に行けなくなった」との発言を確認するとこれも「そんなことは言っていない」と否定ばかりする。私は、「出張に行っていないことは誰にも言っていない。課の職員が言わない限り、誰も知らないはずだ。」と言っても、「そんなことは言っていない。T氏に話す。」と学閥関係でT氏に今から口止めするつもりらしい。この学閥からは、この後も、集団でいじめ、パワハラを受けたが、県の伝統というのは、最大派閥であるこの学閥の特性が色濃く反映されているようだ。今は政策判断でさえ、第三者委員会でその正当性が調査、検討される時代であるにもかかわらず、まともな論理が言えない職員を管理職にあてることは、幹部職員自身にとっても、責任を問われることとなるだろうに、人事制度を根幹から見直す時期なのではないかと思う。

 

 

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