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明桜会のキャリアパス:スタッフの成長を支える研修の取り組み

今日は、明桜会の人材育成について書いていきたいと思います。

明桜会には「育成・キャリアアップチーム」があり、スタッフの皆が
法人理念と使命の理解を育み、階層に応じて求められる役割にむけて
の成長をサポートするための研修を企画・実施しています。


▶ 育成・キャリアアップチームの目標

全体目標
・法人理念と使命を理解し「その人の望む暮らしの実現」に向けて、ご利用
 者の立場に立った支援を実践できる職員を育成する。
・人材の定着、「働きやすく」「働きがい」のある魅力的な法人組織を目指
 す。

基本方針
・キャリアパス制度を活用し、法人の共通理解の元に職員同士が専門職とし
 て安心して成長を目指せるようにする。
・主体的に働ける職員になるための研修を企画実施する。
・職員一人一人が役割の中で最大限の力を発揮できるようにする。

▶ 各階層の研修の目的

【新任研修体制(1~3年目)】
・自身の成長や行動、考え方の変化に対する気づきを促す。 そのなかで、
 仕事に対する自信や目標、業務の価値等を認識してもらい意欲的に働く   
 ことができるようにする。
・対人援助職として必要不可欠な権利擁護の考え方や姿勢について改めて
 学び、専門職 としての支援基盤を形成する。
・法人の目指している事や自身の求められている役割を理解し、自身のキ
 ャリアをイメ ージできるようにする。
・同期の職員との関わりを通し、視野の拡大と相互刺激の機会を作り横の
 つながりを強化する。

新任・OJT担当者研修会
・新任職員が成長できる(学べる)土台作り
・「育つ意識」「育てる意識」を相互に育む
・「認められる機会」「認める機会」を設ける

2年目
 事業所の役割や業務についての理解を深めることで、自身の仕事の価値
 を再認識し意欲的に働くことができるようにする。また、同期の職員と
 の関わりを通し、視野の拡大や相互刺激の機会とする。
 対人援助職として必要不可欠な権利擁護の考え方や姿勢についても学び、
 支援基盤の一助となることを目的とする。

3年目研修
 新任研修を修了する3年目の職員が次のステップとして後輩職員を育てる  
 視点を育む。また、法人の目指している事や今後中堅職員として自身の求 
 められていく役割を理解し、自身のキャリアをイメージした成長ができる
 ようにする。

【中堅職員研修】
中堅職員として現場でリーダーシップを発揮するとともに、育成の視点と技術をもってチームをけん引できる力を身につける。

【副主任ワーキング】
法人の職務行動権限に基づいた必要な研修等を企画する。また、それぞれの事業所での実践報告会を通じて、相互刺激につなげる。

【役職者研修会】
主任・管理者を対象に時流に応じたテーマ設定を行い、法人全体としての共通目標の確認を行う。

▶ 明桜会のキャリアパス

「キャリアパス制度」 令和3年度よりスタート


研修体制は、取り組みがすすむにつれてフォーマット化していきます。
取り組みを提供する側にとっては、合理的かつ計画的に安定して企画を行うことができるようになってきました。
研修対象者には、学び・日々の業務との結びつきやリアリティーを感じてもらうことを大切にしています。
また、育成担当者にとっても成長につながるような研修となるよう企画を行っています。


▶ インタビュー

-育成・キャリアアップチームのなかのひとたちー


さて。ここからは、人材育成の研修を企画している方々にお話を聞いてみました! ”育成”に関する、悩み・葛藤・思い・・。
どんなことを感じながら、取り組みをすすめているのでしょう。


(育成・キャリアアップチーム) 左から、 前田 奥村 三村

三村 研修を法人で体系化しようとした背景としては、事業所も増え、働く
   職員も増えていく中で課題が出てきていて。配属された事業所ごとの
   OJTだけでは、法人理念や使命に関する共通認識を持った職員育成が
   難しくなってきていたんです。そこで、法人としての研修体制が必要
   ではないか?というところから、平成26年度に人材育成の取り組みが
   スタートしました。

前田 はじめの頃は、すごく迷いながら手探りでやってましたね。何をどう
   伝えたらいいのか・・が定まっていなくて。年数を重ねるごとに、自
   分の中でも形ができてきました。キャリアパスができてからは、法人
   が求める人物像を根拠立てて伝えられるようになったかなと思いま
   す。取組みを通して携わった職員さんが活躍している姿を見ると、や
   っぱり嬉しいですね。

奥村 人材育成の難しさは感じてます。どこに焦点をあて、何を持ち帰って
   もらいたいかとか。僕なら、この時どんな研修をしてもらいたかった
   かな?とか想像しながら試行錯誤です。新任当時は、明桜会は事業所
   がいっぱいあるけど、他の事業所のことを全然知らなかったんですよ
   ね。なので、事業所見学会や交換実習を企画しました。「めんどくさ
   いな」と感じる方もいたかもしれないけど、結果的に「とてもいい機
   会でした」という声が多く、それぞれに学びとなったようで良かった
   なと思います。

前田 他の事業所のことを知る機会って少ないですもんね。昨年行った2年
   目・3年目の研修に関しても、内容は難しかったかもしれないけど、
   みんなポジティブに捉えてくれてましたね。

奥村 福祉サービスの制度のことや権利擁護、障害福祉の変遷とかについて
   講義をしましたね。

前田 事業所のなかではなかなか深く教えられていないような部分だと思う
   ので、自分のやっていることや利用者さんのことが「そうつながって
   いくんだ!」という意味合いが伝わる機会にもなったんじゃないか
   な。受給者証なんかも、現場は「実績表の計算、間違わんとってね」
   としか言われない。”なんでそれが必要なのか。何のためにこれがあ
   るのか”を知っておくことは、やっぱり大事
で意識も変わってくる。

三村 確かに、アンケートのなかでも「まだまだ新人の感覚だったけど、こ
   れからはそういうことが求められるんだと改めて感じるきっかけにな
   りました」というような前向きな感想が多くありました。昨年、支援
   力向上チームの中堅スタッフが講義をする機会を設けたんだけど、ま
   さにこういうことが「育てる意識・育つ意識」を実践している状況な
   のかなと感じましたね。

前田 人に教えるにあたって、自分の仕事を改めて振り返ったり、勉強し直
   したり、どうしたら伝わるかを考えたりしますしね。そういった機会
   をつくるのも、私たちの役割かなと思います。

奥村 僕も、育てられてきた意識はすごくあって。いろんな経験をさせても
   らって、今があると感じてるんです。
大地からスタートして、難しい
   ケースを担当させていただいたり、いぶき祭(地域に向けた法人のお
   祭り)の統括をしたり、上の人がいなくなったタイミングで業務調整
   会議に入り、翔に異動でリーダーになって。オアシスでは人前で話す
   機会をいただいたり。その場では上手く立ち回れなくても、周りの人
   を見て勉強になるなと感じたり・・。学ぶ場をたくさん与えていただ
   きました。今は組織も大きくなって、そういった経験を積む機会が減
   ってるんじゃないかなとは感じてます。

前田 いろんなことを経験して乗り越えることで、自信もつきますしね。そ
   れが育成にもつながる。経験の機会って、やっぱり大事ですね。

三村 今後の大きな目標でいうと、明桜会のミッションである「その人の望
   む暮らしの実現」の、意味や目的を追求していくスタッフを育ててい
   きたい
というところですね。そして、仕事の喜びを適切に感じてほし
   いなと思います。「利用者さんに笑ってもらえた」「ありがとうと言
   われた」と。みんなそこに喜びを感じますよね。そういった感覚に長
   く触れてもらおうと思ったら、やっぱり年数とともに成長していくこ
   とも必要で。その成長のサポートができればと思っています。
 
前田 研修の内容は、「できてないからしなさい」の視点にならないように
   というのは意識していて。「よりよく働きやすくなるよう、いっしょ
   に学ぼう」というスタンスで企画しています。

奥村 あとはイベントにならないように。研修後すぐは効果はあるように感
   じるけど、その効果を継続していくってなかなか難しかったりもしま
   すよね。みんなが学びたいこと・法人の目指してること・いまこれが
   必要なんじゃないかという内容、という3つの軸で研修企画は考えま
   すね。どれかに偏っても響かないし、ブレてしまう。 
   周りのスタッフにも「この内容で分かるかな」「こんな研修しようと
   思ってるんやけど」と相談することも多いです。

三村 キャリアパスもしっかり活用していけるよう、形だけではなく中身に
   対してのアプローチをもっと考えていきたい。その中で、楽しさや横
   のつながりをつくっていきたいですね。お互いのことを知る・理解す
   ることが、利用者支援にも影響してくる。
これは最近すごく感じてま
   す。職域・階層ごとに役割が健全に遂行されて、認め合って支え合っ
   てという法人集団
になればと思いますね。
   今年はコロナの類型も下がったので、動きのある研修を組んでいきた
   いと思ってます!


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