見出し画像

【詩】朝の光のその意味は

言葉の裏に張り付いた粘性の胸の内に気づき
電波の向こうに落ちた呼吸を拾おうと踠く
明け方は白々と事の起こりを忘れさせ
未だ眠る街路やビルに腰を休ませている
アルコホリクス! 同胞の舌を切れ!
熱をもった左頬に手をあてる様 有様をもう一 人の僕が見つめている
直ぐにかけ直せ! もう一度!
微細な針のような発端が
これも容易に「それまで」を貫いて「これから」に
穴を穿つ
昨日の夜、僕は眠れずに街へ出で 放射する光を追いかけていた
フライドチキンとフライドポテトを齧り またもう一人の僕と月夜を興じる
喰い過ぎだ! もうやめようぜ。
いいかい
僕はしんだってかまわないんだよ
「甘えるな」
心の振動をアスファルトに伝えることで足を 知り
姿のない声を聞いたことで耳を 失う
さあかけ直せ! まだ間に合う!
世界と自身は責任関係にない と深夜ラジオがヒントをくれる
「そうかもしれない」
高架橋を馳せる明滅光
自動販売機の白光
街灯
女のスパングル
スマホの凍った画面
夜の光はわれわれと有機的な責任関係にある のだ

新しい決心を連れて立ち向かう仇敵よ
僕とお前とぼくとの関係を放射しろ
朝の光に照らされろ!
直ぐにお前の意味も立ち上がろう
「もしもし!
おはよ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?