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師走はとうに過ぎたのに。

12月を師走と呼ぶ。もともとは旧暦の12月の異称だったらしい。しかしいまでは、陽暦でも12月の異称として使われている。「師走」という語感が、年末の慌ただしい様子に合うからだ。

多分に漏れずぼくも、師走はバタバタとしていた。ほとんどの時間は家で過ごした。けれど、東京へ行く機会があったり、地元の山梨県へ帰省したりと、他の月に比べれば移動が多かった。仕事も(これはいつも通りかもしれない)年末年始をゆっくりと過ごすためにかなり追い込んだ。あれやこれやとしている内に、大晦日になり、気づいたら新年を迎えていた。時の歩みの速度は変わらないはずなのに、時が走っているようだった。

さて、では睦月はどうだろう。「睦(び)」には、親しくするという意味が込められているらしい(諸説あり)。誰かと親しくしているだろうか。いや、さっぱりだ。オンラインでやり取りすることはあるにせよ、直接誰かには会っていない。「あけましておめでとう」とパソコンに向かって頭を下げた覚えしかない。睦月とはとても言えない気がする。家で仕事ばかりしていて、まだ師走の気分だ。

特にフリーランスになってから、1月が過ぎるのをより早く感じるようになった。考えられる要因は、2月に控える確定申告だ。年が明け、しばらくすると「そろそろ確定申告の準備をせねば」という考えが頭をよぎる(理想を言えば、もっと早く考えるべきだ)。しかし、やる気が起きず、しばらく放置する。日にちを確認しては、「まだ大丈夫」という言い訳をし、手を付けない。そんなことを繰り返していたら、いつのまにか1月末になっている。

走り出す必要はないかもしれないが、そろそろ確定申告へ向けて歩きださねば。まだ大丈夫……とはもう言わない。たぶん。

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