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北部イギリスの旅(7)〜トレイルとお城と夕ご飯。

(このイギリス・アイルランド旅行記は以下に全部リンクがあります。よかったら。)


この地図で一番上の辺りから南下していくところのお話。

戦場跡でどんよりした私達の気持ちのように、天気も「今にも泣き出しそう」という雰囲気。とりあえず気持ちを切り替え南下します。

上の地図で見られる「ケアンゴームズ国立公園」は壮観な山、森の小道、川、湖、野生動物のホットスポット、村、ウイスキー蒸留所など「なんでもある」と言われるスコットランドの自然が詰め込まれた場所。今回の旅では私達はそれぞれの土地の自然に触れたかったので、せめて短いトレイルだけでも歩こうと決めていました。
ちなみに2022年に亡くなられたエリザベス女王お気に入りの(そして最後の時間をすごされた)バルモラル城もこの国立公園内にあります。王族がいらしていなければ一般公開されていますが、今回は移動距離が長いので大回りになるここは外しました。

歩いたのは↓の「バー湖」周回コース。

All Trailというトレイルマップアプリを使っています。ほぼ世界中網羅しているという素晴らしさ。有料版だとGPSトラッキングがついていて、トレイルを歩いていてルートを外れると素早くお知らせが来るのでどこかに迷い込むリスクも減ります。
歩き始めていきなり有刺鉄線に阻まれるという・・・でもGPS上はまちがってなくて。人の歩いたあともあって。うーん。でもまぁ、湖の周りを回れば迷うこともないので行くか、と。
どんよりの曇り空だけど、寒すぎることもなく、トレイル歩きにはまぁまぁでした。
おう、「ダンブルドアの墓」の島的な木のはえている小島も。
道は有刺鉄線の向こうへ。。。そして有刺鉄線が綺麗に壊されている。・・・いいのか???いや、良くないよね.…でも多分ですね、public pathというトレイルが地域文化としてしみ込んでいるイギリスで(私有地の端っこでもpublic pathなら通れるようにしてある)、トレイル歩きに慣れた人たちが「まぁこれくらいならゆるされるだろ」的にしてるんじゃないの、と自分に言い聞かせて・・・
静かで美しい水辺。
足許の小さな植物たちに足をとめてしまう。
大体一周したところ。おっかしいなぁ、1時間もかかってるぞ・・・(私達、まぁまぁトレイル歩きは早い方で アップダウンがひどくなければ通常のコースタイムの3分の2くらいで行けるほう何ですが・・・)
歩き始めたときは私達くらいだったのですが、車に戻った頃には駐車場から車が溢れそうになっていて。駐車するのも問題なく雨にも降られていない私達、今日もとてもラッキー。
ケアンゴームズ国立公園内に可愛い村も沢山あります。農地も牧草地も。
牛???ですかね。
A9という(数字が一桁!!!)道を南下していたので、多くのところでdual carriageとよばれる二車線、広いし追い越しもしやすく走りやすい!それにしてもイギリスの人はみんなリチギに左車線を走り、追い越すときだけ右に出ます。日本の高速みたいに○km以上追い越し車線走っちゃダメ、という法律とかあるのかな。(アメリカみたいに自分勝手な人ばっかりだとそういう考えがない)
修道院あと?誰かの邸宅跡?こういうのがあちこちにあるのがイギリス。
そういえば、大分紅葉の時期なんだなぁ。そういう意味ではこの時期に来ることが出来たのはラッキーなんだろうか。
さて、次の目的地のためBの4ケタ道路に入りました。でも二車線だね、すごいわ(Bの4ケタ道路はギリで一車線っていうのもあります)
ブレア城というところをめざしているんです。Athollというのは行政地区みたいなものらしいけど、城主だったアソール家という意味でもあるのか?
お城の前(塀の外)にある宿。お城っぽい!!!
立派な門をくぐると、ちょっと「進んでいいんですか、ここ?」なアプローチ。すごいねぇ。散歩している人たちもちらほらと。
・・・ねぇ、どんだけこの並木道続くの????
やっとお城が見えてきた。
ブレア城主はスコットランドでもかなり有力な貴族だったらしい。力と財力ではいつも1−2番目だったそう。
城の前に川!そしてこれが美しいしな!
正面玄関をはいるとスゴイ数の武具が壁を覆っています。こういう装飾のしかたはその主の力の強さを示すらしい。(個人的には武具を飾る趣味は理解出来ないんだが)
「素晴らしい!」っていってる人が沢山いたけど、ゴメンナサイ、私はお腹いっぱいで胸焼け気味。

とにかく展示の数もすごいけれど歴史もすごい。さすが大貴族。プライベートアーミーも持つことを赦されていたほどだから。・・・現在の城主は南アフリカにお住まいで、こちらの式典で年に一度くらいいらっしゃる程度らしい。

でもね。力があるってことは悲しい歴史も沢山あるってことで。ジャコバイト軍に入った次男、政府軍の重鎮だった父と長男。。。みたいな悲劇も、実際にあったこと。
お城に住めていいわねぇ、じゃないと思うんだよなぁ。権力とか財とか、ほんとに必要だったのかなぁとつい、いつもの疑問に心が向いてしまうのでした。

こんな「扇子」のコレクションも。王室との繋がりをあらわすようですね。
なんと!こんな「扇子メッセージ」があるとは。(面倒くさかろうに)高貴であるというのはいろいろ大変ですね。庶民でよかったよ、私は。
家の隅々、天井までこの装飾。
こちらはグレートホール(お客様を招いたときなんかに使われる場所)、代々の領主が「狩った」鹿の角が、その人の名前、年代が記されて飾られています。(・・・これも私の趣味ではない)
でもスコットランド王だけじゃなくイングランド王家との繋がりも示すものらしいし。。。Mary the Queen of Scotsとのいわれもあるらしいし。
いやぁ、すごいお城でした。日本の昭和天皇陛下も皇太子時代訪れたことがあるそうで贈られた日本の鎧もありました。日本の皇太子は「教養高く馬術も狩りのたしなみもお持ちで...」という説明がありました。
尊敬を勝ち得る天皇陛下で良かった。。。と思う一方で、そういう部分で外国から測られる側面もあったんですよね、日本という国は。複雑でもあるなぁ。

本当はブレア城の有名な庭園(本当に素晴らしいらしい)を1時間くらい散歩(並みのトレイル以上にあるw)したかったけれど、移動の長さとそれまでも沢山歩いて疲れたってことで、宿泊地であるスターリングに向かいました。
スターリングは このあとの記事で書こうとおもいますが、スコットランドの歴史上大切な役割を担った地。。。そういうところをゆっくり見て歩くためにも、そこに宿を取ったわけでした。

古い石造りの建物なのですごそうに見えるのですが(こら)、基本的に「パブに宿が併設」の流れであって、かなり庶民的(お値段もw)。お部屋は広かったけどまぁ・・・こんなもの?ってかんじ。バスルームがリノベーションされていてきれいで、バスタブに浸かることができたので 私達にはハッピーではありました。

長距離移動してきたあとだから、階下にレストランがあるのは助かる!平日の夜なのに結構混んでましてね。ここでも地ビールをハーフパイントずつ。
オットはムール貝のバターソース仕立て。これがめっちゃくちゃ美味しくて。チップス(とイギリスでは呼ぶんだよね)でソースをすくって食べきりました。
私はラムシャンクをオーダー。ぽろりと骨から肉が外れるシャンクで、肉もイイお味。なによりVeggie(付け合わせの温野菜)がちょうど良い加熱加減で美味しかったの!人気店なのがよくわかるよ、こんなに何を、どこをとっても美味しいんだから。
バーカウンターがチェックインのレセプションも兼ねてます。私達がご飯の時、このカウンターの向こう側はほぼ満席だったのでこちら側の席に案内されたのだけど、適度に静かでよかった。

ご飯を食べたあと部屋でリラックスしながら、「明日の宿にロストバゲージの荷物がちゃんと届くといいなぁ」ってふたりで言いながら寝ました・・・何が辛いって、天パの私はヘアドライヤー(この程度の宿にはない)なし・ヘアストレイトナー(荷物に入ってる)なしは「よれよれオバチャン」まっしぐらなのがいやなのよ・・・・苦笑


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