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2人で生きて行く時間のために、車を変える。

新しい車がそろそろ届く。今度の車はピックアップトラックと呼ばれる形の電気自動車EV。これは車オンチな私が欲しくなって買うことになった。

数年前にSUVを手放して「小さいセダンでいい」とEVに変えたのに、どうしてまた大きい車(トラック)にするのか。なぜ中年になって、子供達が巣立って行く時期になって、トラックなのか。

理由はまず、その「小さいセダンのEV」をオットが頻用するようになったから。私は元々車に疎いし、正直ガソリンを使う車に興味がなくなっている。オットの車だったガス車を使っていたが、動かさないとエンジンの調子が悪くなるしバッテリーが上がったりするというのが「この車も可哀想だし私も面倒」な点だった。それにガソリンを使うことになんとなく、うっすらとではあるが抵抗があって、引きこもり度も高くなった。

そして家に大きめの車がなくなってみて、アメリカの田舎住まいではあれこれ出来ないことがあり、それらがストレスになることがわかった。それらを溜めに溜めた4年間で「これをやりたい」からトラックに、というのはこんなこと。

庭仕事をやっているとしょっちゅう必要になる、大きな(あるいは重い)庭改造の資材をいろいろ買ってくるとか移動させるとか。
芝刈り機の調子がわるいのでメンテナンスに出したい(芝刈り機は普通の車には乗らない大きさ)
LAの娘の家に持っていきたい椅子もある(普通の車でもいけるけど、分解するのが面倒)
そのうち準備が出来たらオットのツーリングについていきたい

やりたかったけれど大きな車も、お金も時間もないから、と子育て中後回しにしていたことだった。

リビアンのR1Tといいます。保険会社とのやり取りで「どの車メーカー?」と聞かれてリビアンと答えてもまだ通じないのが普通です 大笑


子供が大学で家を離れ、これから中年〜老年夫婦だけで過ごすんだなぁと思ったときに、お互いが楽しめる趣味とか、あるいは一緒に出来ることがあまりに少なくてびっくりしたのもある。

オットとは25年くらい一緒にいる。そしてもともとだけれど私達はかなり会話が少ない(と思う)。共通の趣味はほぼなく、二人でなんとなく、でも一緒に過ごす時間は「夜にお酒を飲む」時間だけだ(しかも映画をみたりお互い本を読んだりと、会話が無い)。
そんな私達は、心がけて共有出来る時間をつくらないと「まぁ何をしなくても、このままでもいいか」になってしまう、ということだ。勿論それぞれの夫婦の形はあると思うけれど、私達はコミュニケーションが豊富な夫婦ではないからこそ一緒に何かをする、を意識しないといけないと思っている。

オットは去年からオートバイ(バイク)にまた乗り始めた。彼がバイクに乗ることを止めはしないけれど、オット一人でユタ州の山の中のツーリングにいくのは、留守の私が怖いのでしてほしくない。
車でついていけば 必要な時は手伝える(連絡くらいだけど)し、休憩時間での無駄話の相手にもなれる。さらにこれがピックアップトラックだったら、急に天気が崩れたり、予想以上に寒くてバイクを運転し続けられない、なんていうときも、荷台にバイクを載せてオットとふたりで次の目的地までいけるから。

あれ、それができたらキャンプのオプションもひろがるんじゃない?

・・・とまぁ、この辺りでだんだん夢が広がってきたのだ。


私達が子供を授かることが出来たのは本当にありがたいことだし奇蹟だったと思う。20年とにかく一生懸命で、気付いたら彼らが無事成人できたことも感謝しかない。
ただ、子供達が家を離れたあと、「あれ、私は何をしたらいいんだっけ」と途方にくれていたのは事実だ。今度こそ「私だけの、私のための」時間を生きていいのに、やりたいこととか夢がないぞ。この数年は高校時代の私にまけないくらい、「これから何をしたらいい?」に悩まされていた。

仕事人間だったオットも、年齢の事もあるのだろうが少しずつ考えることは同じ方向を向いているようだ。これからの時間は、年老いていく自分たちを受け入れながら、でも楽しみを加えながら生きて行く時間のはず。


世の中には青年期・若い壮年期の人にむけての自己啓発本とか、なんだったら人生のハウツーものが溢れている。まぁ人が悩みを抱える時期でもあるからだろうが、「老いていく過程にある夫婦」のこととなると・・・趣味本がほとんどだ。
いや、それを悪いとは思わない。それぞれが生きてきたなかで「自分のやり方」を軸にしていく年齢だから。

ただね。ただ興味として、みんなどうしているのだろう、と思うのだ。
noteのエリアには同世代の人たちも結構いらっしゃる。ただ、みんなそれぞれの生活・仕事が違いすぎて、なかなか聞けないし参考にするのもなあ、ではある。

そんな中で、noterさんのなかで密かに憧れるご夫婦像がある。ご夫婦でトライアスロンをされているかなこさん、そしてこちらもご夫婦でトレッキングなんかを日常にいれていらっしゃるたなかよしあきさん。お二人ともご夫婦で素敵な日常を過ごされている。書いてる部分だからですよって謙遜されてしまいそうだが、日常って色んな地味な事の中に「一緒に作っている素敵な時間」があれば最高だと思うんだ。

私達もせっかく自然の多い(というか自然しかないwww)ところにいるのだ、トレッキングもスポーツも夫婦で出来たら良いなぁ、とは思う。ただ、普段トレーニングしているオットと自堕落な私とで、基礎体力が違いすぎるのであれこれオットに申し訳ない。

そんなわけで比較的ハードルの低いところ、かつEVという夫婦共々好きな移動手段、そして私の「アレもコレもやりたい」を叶えるところ、として車を変えることにしたのだ。

ここからどんな風に私達二人で出来ることを増やせるかどうかだけれど、「何をしたら良い?」の状態から「なにが出来るかな?」とワクワクする状態になった。それだけでも、1,2歩進んだんじゃないかな、と思っている。子供達に「とーちゃんとかーちゃん、なんかいっつも楽しそうだよね」と呆れられる夫婦になろう。








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