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SAKA-SAMAニューアルバム【DAYDREAM】の感想。


私が最近ライブに足繁く通って(こう書くと盲信的、信者的に見られそうだけど、そうならない様に気をつけて書きます)いる【SAKA-SAMA】という寿々木ここねさん朝倉みずほさんで構成されている二人組女性アイドルユニットがアルバムをリリースしました。このアルバムはライブ会場(と公式通販)限定販売というなかなかに目にとまりづらい形態なので、誰か興味持ってほしいなと思って文を書いてます。

タイトルは【デイドリーム】。日本語だと白昼夢という意味ですが、私はよくサカサマのライブ中に”夢みたいだな”と思っていたので、タイトルが先行して決まった時点でピッタリだなぁ、と思ってました。

サカサマのライブはハードコアトランス的な激しい曲をやったかと思えば、ミドルテンポの涙腺を刺激するようなガールズポップ然な曲が始まり、その次に急に激しめの90年代グランジみたいな曲が始まったりして、正直脈絡のないセットリストの時が割とあります。そんなライブが、夢で見る様な”めちゃくちゃな展開だけど脳がなんとなく理解しちゃってる”みたいな感覚で自分は心地良いです。フロアも、大暴れしたかと思えば、次の曲では聞き入って目がうるんでたり、みたいな。

アルバムは9曲入り。

1. Ex/cla/ma/tion/!!
2. 朝日のようにさわやかに
3. わたしたちの地図
4. ライト・ナウ!!
5. タイミング
6. おやすみジュディ
7. 変身
8. Melody
9. to the stars

1曲目の【エクスクラメーション】は90年代チックなシンセ多様のディスコ的サウンド。最近の音楽観から見ると逆に新鮮に感じるバブリーな音色からのスタート。そのテンションで疾走感そのまま、サビでは哀愁も漂うメロディで緩急がグッときます。愛Dee(初音ミク・巡音ルカ)をテンポアップした様な印象をもったのでボカロ好きな人とかにもウケるのかな?とも少し思いました。(運営の屑山さん曰く映画「モータル・コンバット」の主題歌を意識したという事です)
こちらの曲は配信シングルとして、サブスクでも試聴できます。
※下記youtubeリンク1曲目です。

2曲目の【朝日のようにさわやかに 】はサカサマ結成初期から歌い継がれているアンセム的な曲。この曲を対バンなどで聴いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。前体制時にリリースされたアルバムに収録されておりサブスク配信もしているので、知らない方は聴いてみてください。今回収録されたものは再録(リマスター?)されており、オケの音像もクッキリしていて、よりカッコよくなっています。ちなみに「90年代のプライマル・スクリームみたいな感じで」とオーダーして完成された曲らしいです。
こちらは屑山さんのツイートを掘って見つけたのですが””「朝日のようにさわやかに」のタイトルは、大和屋 竺監督の『愛欲の罠』の原題が「朝日のようにさわやかに」だったので、そこからとりました。もちろんジャズの有名な曲のタイトルなのは知っていたのですが、シマダさんの書いた詞を見て、大和屋さんの映画をイメージしたからです””との事です。wikiのあらすじを見た感じだと私が受け取った歌詞のイメージと全く違うんですが・・・笑

3曲目は【わたしたちの地図】。最近ではNHKバーチャル紅白歌合戦にも出場した人気Vtuber”ピンキーポップヘップバーン”の楽曲プロデュースも好調で、ソロアイドルKOTOさんの楽曲プロデュースでも広く知られる佐々木喫茶さんが作詞/作曲/編曲を担当した一曲。メンバーの大量脱退から、心機一転2人の新体制のサカサマお披露目ライブ(2019/8/26)での1曲目に披露された曲で、個人的に強烈に印象に残った思い出。アイドルに感じる儚さと、ポジティブさの両面を佐々木氏らしくキラキラなサウンドでアッパーに表現した傑作です。音源の歌詞にジーン…と聞きこめる感じと、ライブでエネルギッシュなステージとフロアを見る感じで印象が違って見えてくる側面も好きな要因です。
私は佐々木喫茶さんの楽曲が好きなので、SNSでたまにパブリックサーチしてるんですが、この曲に関して男性の人気はもちろん、女性の支持率が高い気がします。KOTOさんのプラトニックプラネット(喫茶さん作編曲)がヒットした時も同じ様な反応だった気がするので、これのMV作ってくれないかな~と思います。
三曲入りシングル【空耳かもしれない】にも収録されておりますので、ぜひサブスク(歌詞も見れます)などで聴いてみてください。

4曲目の【ライトナウ】【朝日のようにさわやかに】と同様、前体制から受け継がれた楽曲の一つ。(正直、前体制の頃もたまにライブを見ていたが聴いたことが無かった)音楽情報サイト大手のナタリーにて【ガバを取り入れた問題作】としても紹介された話題の曲。サカサマではかなり異質で目立った存在でもあるハードコアテクノの要素が濃い楽曲。幅広い楽曲を網羅しているというポジティブな印象もあります。アイドル楽曲とは思えない攻撃的な攻めのトラックとは裏腹に、メンバー二人の甘くふわふわした声が対極的で(ライブだと特に)かわいいです。
※下記YouTubeリンク8:55あたり。

5曲目の【タイミング】は、前述の新体制お披露目ライブ(2019/8/26)で新曲として発表された楽曲のうちの一つです。ようやくの音源化という事で「まちにまっていた!」という感じです。浮遊感のあるガールポップ然とした楽曲で、やさしい曲調ですが歌詞の”かっちり”さが、二人のまっすぐさに相まって聴いていると涙が出てしまいそうになる名曲です。
新体制になってから発表された楽曲のすべてに言えるのですが、本当に振付が最高で、わかりやすく、キャッチー。これまで様々なアイドルを見てきましたが、ここまで楽曲とのマッチングが抜群な振り付けは少ないと思います。サカサマはいい振付師に巡り合ったんだな、とライブを見てつくづく思います。
ここねさんの「その輝きを!」の声と振り付けが神がかりレベルでカワイイ。

6曲目の【おやすみジュディ】も新体制お披露目ライブ(2019/8/26)で新曲として発表された楽曲のうちの一つ。アルバムの中ではスロウなナンバーとなっていますが、ドリームポップを下敷きにしっかりとしたバンドサウンド、レトロな空気感からのハッとするブレイクや展開の楽曲構成、2人の唯一無二の歌声が素晴らしいレベルでまとめられている極上の仕上がり。2010年代最後期に生まれた奇跡の楽曲です。MVも曲の雰囲気を崩さず、メンバー2人の表現力豊かな表情と、刹那的な歌詞の切なさを上手く投影した映像作品だと思います。

7曲目の【変身】は、アルバム発売日である2月21日(たのしい生活ツアー in 京都)でお披露目された楽曲。作詞/作曲/編曲が6曲目の【おやすみジュディ】と同じくDaisuke Adachi氏が担当。ピアノイントロと、それに呼応する様なギターサウンドから始まる切ない楽曲。この《おやすみジュディ(6曲目)→変身(7曲目)》のアルバム曲順の流れが心地よすぎる。そしてみずほさんの消えそうな切ない歌声も最高なんですが、寿々木ここねさんの歌での表現力に磨きがかかりまくっている。ちょっとピッチ修正/補正しすぎだよなと思う楽曲も正直ありますが、この個性が光る声質を生かしたマスタリングは巧の技だと思います。そういう点ではアルバム通して、作編曲者(エンジニア?)のセンスも見えてくる側面もあると思います。

8曲目の【Melody】。こちらは2019年9月9日に初披露された楽曲。ライブでの2人のハモりが心地よく、左右や、奥行きを生かしたステージ全体を使う振り付けのステージングも見ごたえがあります。みずほさんはサカサマのライブ中、フロアのファンをよく見ていて、アイコンタクトなんかで"チョケる"ようなアクションをするんですが、【Melody】なんかの比較的シリアスなナンバーの時にはグッっと表現の世界に集中するのが素敵なんです。この楽曲でもそんなみずほさんの一面が見れたりします。
※下記YouTubeリンク11:40あたり。

このアルバムのトリを飾るのは9曲目の【to the stars】です。最近のライブでは欠かせない新たなアンセムソング的な立ち位置になりつつある。【今日が一番でしょ】と、底なしに前向きでポジティブなメッセージ性と、スピード感があるバンドサウンドで一気に駆け抜ける楽曲。イントロなどのフェイザー+タッピングのギターフレーズが、2期ヴァン・ヘイレンみたいな90'sハードロック感があってかっこいい。振り付けもエネルギッシュ。【朝日のようにさわやかに 】と同じくKei Toriki氏が作曲・編曲を担当しており、サカサマとの親和性の高さが素晴らしい。最近ではライブで曲中にみずほさんが「ウ~~ッ・・・オイ!」とフロアを煽る場面がありますが、ある日のライブでアドリブ的に始めたらめちゃくちゃ盛り上がって、そこから定番化しました。

以上、個人的な感想と、資料的な発言をまとめてみました。

気になった方は公式通販サイトで購入できるのでご検討してみてください。
(タワーレコードや、ディスクユニオンなどの全国小売店に流通してないので、現状ライブ会場以外での購入方法は以下URLからの注文のみです。)

https://trashup.thebase.in/items/26740536

**もちろんライブがいつだって最高なので、現場で見ることを一番にオススメします。 **

クソ長おもんな感想文最後まで見ていただいてありがとうございました。
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デイドリーム(白昼夢)ということで、仮にコンセプトアルバム的に曲順を決めていると仮定した妄想すると・・・・・①朝4時頃、クラブで夜通し踊り明かし、体力も消費しまくり、酔いも回りまくり、気づけば朝日が昇る刻に・・・②。ようやく自宅に帰る、帰れるという希望③。からの電車でうたた寝してみる非現実的な悪夢④。そしてようやく温かい布団で寝れる安堵感⑤。心地よい就寝⑥。深い眠り⑦。夢からの目覚め⑧。そして疲れもとれた気持ち良い目覚め⑨。
・・・みたいな感じですかね。こういうの考えるの意外と好きです。
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