正しい vs 正しい
メメ(娘)がもうすぐ2ヶ月になるであろう日の早朝のこと。
育休中の夫さんといつもと同じように、交代でメメを抱っこして、寝かしつけをしていました。2ヶ月頃のメメは、まだ昼夜がはっきりしていないため、時間に関係なく眠くなるみたいでした。
寝かしつけが夫さんのターンで、特に眠くてぐずぐずを繰り返していたようです。
夫さんは、ベッドの近くの椅子に座り、泣いているメメをトントンとなだめていました。メメは縦にゆらゆらされるのが好きなので、トントンでは収まりません。
次第に泣きが強くなり、仮眠をとっていた私も起きました。どうやら、泣かせて体力消耗させる作戦のようです。
あえて泣かせておくのは、賛否両論だとは思いますが、我が家ではわりとポジティブに捉えています。
…しかし、一向に泣き止まず気づけば長い時間が経っていました。
私は母性本能なのか、その泣き声に耐えきれず、
「ゆらゆらしてあげちゃダメなの?」
「疲れさせてあげたほうがよく寝れると思うんだ。」
「でもまだ朝だよ。体力消耗させなくてもいいんじゃないかな?」
「じゃあ代わって抱っこしてあげて。」
「……。」
と少し険悪なムードになりつつ、寝かしつけをバトンタッチしました。
結局私が抱いてゆらゆらしていると、口寂しいような雰囲気もあり、少し授乳をすると、メメはスッと寝落ちしました。
その日はそれっきり、険悪なムードで夜まで会話はほぼありませんでした。
無言の雰囲気のまま、わかっているのにメメの要望に応えてあげない怒りや、なぜそんなことをしたのかが頭の中をぐるぐるします。
これに関して、夫さんと話し合うことはありませんでしたが、メメに愛がなくてしたわけではないことは確かです。
好きなだけ泣かせ、トントンでなだめることは自分を落ち着かせる力を作ることができるし、体力もつくから悪いことではない
と、助産師さんが教えてくれたこともあります。
夫さんはメメから目を離すことなく、腕の中でなだめて、それをしようと思っていたのかもしれません。
私は母として、泣いている姿がかわいそうで、要望に応えてあげたいと思ったのです。
夫さんも私も、きっと自分の正しいを貫き通そうとしていただけでした。
夜になり、私の気持ちも落ち着いてきたころ、お腹いっぱいでご機嫌なメメの様子を二人で見ながら、気づけばお互い普通に戻っていました。
少し方向性が違ったけれど、メメを想う気持ちは二人とも同じです。
正義の反対は悪ではなく、他の人の正義である、とはまさにこのことだと思いました。
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