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映画めも。

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観た映画のはなし。 ネタバレするぞー!
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2018年9月の記事一覧

あみこ

あみこ



やっとあみこを観てきた。

運命と信じた出会いから一年、それから会話もなくすれ違うばかり…って話かけりゃいいじやん!と思ってしまうのだけど、どうやらあみこにとって「会話はいらなく言葉を超えた関係」を求めていたみたい。

女子高生のいきなりテンションマックスな行動や振る舞いがパッケージされてて、勢いを感じる映画ではあったものの、個人的にはあまりぴんとこず…。

自分勝手すぎる行動の後のラストの

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アニーホール/恋人のいる時間

アニーホール/恋人のいる時間



相変わらずme tooの渦中にいるウディ・アレンの傑作アニーホール再見。

ユダヤ人コンプレックス(ラビの姿まで演じてる!)、フェリーニ、マクルーハン、ミンストレルショウ、マルクス兄弟、フロイト、ポール・サイモン、マハリシなどあらゆるワードをはらみながら滑稽なほどにダメな自分をさらけ出す。

「僕を入れるようなクラブには入りたくない」というマルクス兄弟からの引用を繰り返し、死への恐怖を常に感じ

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惑星ソラリス/後悔の念に苛まれて

惑星ソラリス/後悔の念に苛まれて



ブルーレイで惑星ソラリスを改めて鑑賞。
オープニングのタイトルの所で今まで何を観ていたんだ!?という気持ちが湧き上がる。
持っているDVDはマスターが古く、ビデオ起こしのような荒い画像のもので、やはりこういった高解像度のもので鑑賞すると何もかも印象が変わる。

水、森、雨。
タルコフスキーの映画はSFであろうと自然の風景が強く印象に残る。
キューブリックの2001年宇宙の旅が文明賛歌な中に潜む

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きみの鳥はうたえる/体を重ねることよりも言葉がもつ強さ

きみの鳥はうたえる/体を重ねることよりも言葉がもつ強さ



「寝ても覚めても」とともに話題にあがっている「きみの鳥はうたえる」を観てきた。
先に言うと「寝ても覚めても」は俳優の力点で強行突破した映画だったけれど、「きみの鳥はうたえる」は3人の俳優が掛け合いながらじっくりと作り上げていく。そんな印象だった。

原作を読んでいないので正確な比較が出来ないのだけど、舞台を東京から函館に移したのは正しいと思う。この関係を今の東京で描いてしまうと単調な生活の中で

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寝ても覚めても/その鮮やかをどうやって忘れたらいい?

寝ても覚めても/その鮮やかをどうやって忘れたらいい?



渋谷のシネパレスが閉館して、跡地に以前パルコに入っていたシネクイントに変わってから初めて映画を観た。シネパレス自体恐らく10年以上通っていなかったので、かつての姿がどうだったのかすら覚えていないし、何を観たのかもうろ覚え。
唯一はっきりと覚えているのはレイトショーで観たラス・メイヤーのワイルド・パーティくらいかな。満席の中で、ひとりやたらと大声で笑うひとがいたのを覚えてる。1999年か2000

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ラヴ&マーシー/だれも助けてはくれない

ラヴ&マーシー/だれも助けてはくれない



ブライアン・ウィルソンの絶頂期と再起への足掛かりをテーマにした映画。
ブライアン・ウィルソンという人の音楽に触れた人なら心が揺さぶられる一本。

世紀の傑作ペットサウンズのバックトラックの録音シーンだけでも鳥肌もので、「素敵じゃないか」のイントロでフィルインを入れるハル・ブレインを制止ながらスネア一発の指示を出すブライアンに「君は才能がある」と褒め称えるハルの言葉。
レッキングクルーや取り巻き

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