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Book review;ストラクチャーから書く小説再入門

久々にブックレビューです。

またまた「何とか宣言」が出て在宅勤務の日も増え、本を読む時間も増えたのですが、なかなか一冊をカッチリと読むまでには至らず、今まで買い込んでいたKindle本を読み散らかしています。
それに加えて、Unlimitedが割り込んでくるのでますます読み進みません。
途中まで読んでいて、他の本に読み移れるのは便利なのですが……

今回のレビューは、先月ご紹介した『アウトラインから書く小説再入門』の続編にあたるものです。

読み始めての第一印象は「ずいぶん具体的に書き方について『こういうところに気をつけましょう』の話が多いな」でした。
『アウトラインから…』と同様、押し付けがましい内容ではなく「まあそうだよね」と思うところが多々あります。

読み始めて50%くらいまでは一冊の本を仕上げることを前提に書かれており「なが〜く続く、Web小説はどうするの?」と思っていたら、後半からシリーズものについても解説されており、その辺はWeb小説に応用できるところもあります。

『安定を重視して就職したつもりの会社が・・・ブラックな地球防衛隊?だった件』は長い長い物語なので、その中に何度も山が出て来ますし、その間に筆休め的なエピソードもあるわけで、そんなシーンへのアドバイスは参考になりました。

既にリリース済み物語の内容を思い返しながら、この筆者が指摘する書き方のポイントを読んでいると「うん、あのシーンはそうしたよね」とか「やっぱり、あの場面はもう少し盛り上げたほうが良かったのかな」等々思いながら読み進めました。

物語を幾つも書かれていて、いろいろなテクニックをご存知な方が読むような本ではないかも知れませんが、所謂ファンタジー系をこれから書こうと思っておられる方や、既に書かれていて「もう少し読んでもらえる物語にしたい」と思われている方には一読の価値があると思います。
全体の章立ては次の通りです。

Chapter.1 掴み(フック)
Chapter.2 物語をどこから始めるべきか?
Chapter.3 最初の章の注意点
Chapter.4 第1幕 パート1 : 登場人物の紹介
Chapter.5 第1幕 パート2 : 危機と舞台設定の紹介
Chapter.6 プロットポイント1
Chapter.7 第2幕の前半
Chapter.8 第2幕の後半
Chapter.9 第3幕
Chapter.10 クライマックス
Chapter.11 解決
Chapter.12 エンディングをさらによくするために
Chapter.13 構成についてよくある質問
Chapter.14 シーン
Chapter.15 シーンの「ゴール」の選択肢
Chapter.16 シーンの「葛藤」の選択肢
Chapter.17 シーンの「災難」の選択肢
Chapter.18 シークエル
Chapter.19 シークエルの「リアクション」の選択肢
Chapter.20 シークエルの「ジレンマ」の選択肢
Chapter.21 シークエルの「決断」の選択肢
Chapter.22 シーン構成のバリエーション
Chapter.23 シーン構成についてよくある質問
Chapter.24 文の構成

シークエルという馴染みのない言葉が出てきます。
後半は「シーン」「シークエル」の解説にページをかなり使っています。

この辺は物語の修飾的なところなので「そこにそんなに注力が必要なの?」と感じました。読者を物語に引き込むと言う意味での重要性は分かりますし、話の流れの中で「ここは主人公に葛藤させた方が話が深まるかな?」とか「このシーンで更に主人公たちを大変な状態に追い込んだ方が話が盛り上がるよね」とか物語を進めていく上で考えたり、それらの要素を加えていくことはありますが、個人的には物語を書き進めていく上での本筋ではないと考えます。
もしかしたら、そのような地道な積み重ねが「売れる本」になるのかも知れませんが、出版で収入を得たことはないので分かりません😅

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同じ素材(内容)でも書き方次第で、読者に伝わるものが違うというのは分かるのですが、元のネタ(テーマ)が「良い筋」であることが大切ではないのかと思います。
上の絵は扉絵と元画像(素材)は同じです。これを(画角が)同じ(場所)と見るのか、加工を施したそれぞれの絵と見るのかは、見る人によるのかと。

それから細かいところですが、Kindle版には文章の一部に段落ごとの繰り返しがあります。校正ミスかと。

ここまで、一人前に評論してしまいましたが、上記拙作(一話平均3500文字)の16話目で張った伏線を123話目で回収するような「なろう系小説家?」が偉そうなことを言うのは僭越ですね😅

ここまでお付き合いいただきありがとうございます
MOH

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