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【読書感想文】『虚構推理』を読んだ後、既視感のあったことが、虚構では無かったことに気がつく

この小説、10年以上前に出版され、数年後にコミック化、2020年にアニメ化されたそうだ。 Kindle Unlimitedで読んでみた。
主人公が「一眼一足」な小柄な女の子であることに、読み始めてから既視感を覚え、コミックかアニメをチラ見したのかと思いながら読み進めた。

虚構推理 (講談社タイガ) Kindle版

「この本は読んでいないけど、大筋を知っている」と思いながら読み終わり、Amazonの注文履歴を調べてみる。

コミック、読んでるよ?

「注文の詳細」を見てみると、どちらも期間限定無料の時に注文した模様。
Kindleのライブラリを確認してみると1巻がある。2巻目は行方不明。

Kindle本 コミック表紙のスクショ
当然だが中身も読める

読書感想文

小説を読み始めると、病院のシーンはなんとなく覚えがあるが、この本のメインテーマ『鋼人七瀬』が出てくる、地方都市に場面が移るとほとんど記憶がない。

読み終わった後、コミックを捲るとコミックの第1巻は、主人公の岩永 琴子(いわなが ことこ)が、恋人?の桜川 九郎(さくらがわ くろう)の元彼女弓原 紗季(ゆみはら さき)に出会うところで終わっている。
最終ページから遡ってページを捲っても何も覚えていないので、無料で買ったまま読まなかったのかも知れない。

「この小説はミステリー小説なのか?」と発売当初、話題になったらしい。
話題になるほど、当時は注目されたということか。

今回読んでみてミステリー小説というより、尖った特徴に設定された主人公とそのパートナーのキャラター小説のように思われる。

『一眼一足で妖怪たちの知恵となる美少女』『妖怪を食らった不死身の能力者』
この二人のキャラクターが小説の骨となる。

物語のクライマックスが、ネット上での虚構の構築(嘘のつきあい)で、筆者としてはそこにチカラを入れたと思うのだが、文字通り「文字が踊る」だけの展開には饒舌さが感じられた。

筆者の書き方と私の読み方が合わないのか、語りの言葉使いや句読点の置き方に違和感を感じ、ところどころ読みづらかった。

物語に今後登場するであろう妖(あやかし)が少し気になり、wishlistに2〜3巻を入れておいたのだが…

終わりの「主要参考文献」に『雨月物語』が出てくる。
この小説に限らず『雨月物語』は、この類の書き物に度々登場する。

『雨月物語』はちゃんと読んでいないので、こちらの方を優先した方が、物語を書くうえで必要なのかも知れない。

MOH


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