[映画評] I Think We're Alone Now(孤独なふりした世界で)
ポスト・アポカリプト(post-apocalyptic)
原題:I Think We're Alone Now
邦題:孤独なふりした世界で
2018年 米国 SF映画
監督:Reed Morano
出演:Peter Dinklage(ピーター・ディンクレイジ)
Elle Fanning(エル・ファニング:ダコタ・ファニングの妹さん)
Paul Giamatti、 Charlotte Gainsbourg
台詞と名前が出てくるのはこの4人だけ
あとは、最後の方に出てくる通りを行き交う人々
感想とか
この映画の前半は、主人公が一人で街を片付け、淡々と過ごす日々の様子が続きます。
ネットの映画評を見てみると「ココが退屈」との感想が見受けられます。
そういう人には向かない映画。
私は逆に、広い湖にボートを浮かべ一人で釣りをしたり、図書館の飲食コーナーで、外の景色を見ながら食事をする主人公の様子を流し続ける映像に魅力を感じました。
後半のエル・ファニングが出てくるところまでは良いとしても、彼女の両親と称する2人が出てくるところから流れはグダグダ。
そこからが面白いという方もおられるようですが、その先は話の筋が見えるので(エル・ファニングの首の傷とか)、個人的には「このパターンね」で終了。
製作者は前半と、後半のラスト部分を対比して「どちらが現実を見ているのか」を問いたかったのではないかと。
主人公は以前の世界で孤独に生活していたため、誰も居なくなった世界でも絶望しておらず、自分の住んでいる街を掃除し、働いていた図書館での仕事を続け、日々を淡々と生きている。
一方、生き残りが集まる街(確かパームツリー カリフォルニア)では、明るく振舞って暮らしているが、そこの住民は(手術で)過去の悲劇を記憶から消している。忘れる去ることで平和に暮らし、現実に蓋をして夢の中で生きるような生活。
難しいSF映画ではありませんが『おぼえていて普通にする』『忘れて明るくする』という行動の対比に、少し考えさせられました。
SF的感想
これを書こうと思って投稿したのに、危うく書き忘れるところでした😅
・この映画、人類が亡くなった理由の説明が最後まで全くありません
・主人公たちが、なぜ生き残れたのかの理由も分かりません
・分かっているのはある日の午後、突然主人公たち以外が亡くなったこと
(遺体はミイラみたいな感じ?)
・これから主人公たち2人がどうするのか?(どうしたいのか?)も不明
SF映画はタネ明かしをしなくても成り立つことを、改めて実感しました。
SF小説にも、それくらいのアバウトさが必要なのかも知れません😊
MOH