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[映画評] I Think We're Alone Now(孤独なふりした世界で)

ポスト・アポカリプト(post-apocalyptic)

原題:I Think We're Alone Now
邦題:孤独なふりした世界で
2018年 米国 SF映画

画像にプライムビデオのリンクを

人類の大半が死に絶えた世界。デル(主人公)は「自分こそが人類最後の生き残りである」と確信していた。デルは図書館の跡地に暮らしながら、他の家を清掃したり遺体を埋葬したりする日々を送っていた。ある夜、デルは花火の音で目を覚ます。翌朝、外に出たデルは破損した自動車を発見した。車内には意識不明の少女がいる。意識を取り戻した後、その少女はグレースと名乗った。デルは図書館に居座ろうとするグレースをよく思わなかったが、2人で暮らす方が都合が良いと考えるようになり、グレースを受け入れることにした。
デルが穏やかな生活を望んでいたにも拘わらず、グレースは何かと騒がしい性格。そのため、デルの心は度々かき乱されたが、時の経過と共にグレースの振る舞いに慣れていった。やがて、2人は一緒に家の清掃や遺体の埋葬を行うようになった。そんなある日、犬を見つけたグレースはペットができたと大喜びしたが、デルは犬を追い払ってしまう。その後、デルは自分の衝動的な振る舞いを反省してグレースに謝罪した。
ある日、グレースはまだ清掃がなされていない家を発見したが、デルはその家を掃除したがらなかった。その家はデルが家族と一緒に暮らしていた家だった。グレースに説得され、デルは実家を清掃することに決め、母親の遺体を丁寧に埋葬した。
翌朝、目を覚ましたデルは話し声を耳にした。驚いたデルが階下に降りると、そこにはグレースの両親を名乗る2人組(パトリックとヴァイオレット)がいた。2人の話によると、人類の生き残りは他にも数千人いるのだという。町の外に出ようとしなかったデルは今までその事実に気が付くことがなかった。パトリックは「君も私たちのコミュニティに来た方が良い」と言ったが、デルはその言葉に耳を貸さず、一人で町に留まることにした。しかし、誰かと共に生きることの喜びを知ったデルは、もはや孤独に耐えることができなかった。そのため、デルはパトリックのコミュニティに行くことにした。ところが、そこに広がっていた光景はデルにとって実におぞましいものであった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/孤独なふりした世界で

監督:Reed Morano
出演:Peter Dinklage(ピーター・ディンクレイジ
   Elle Fanning(エル・ファニング:ダコタ・ファニングの妹さん)
   Paul Giamatti、 Charlotte Gainsbourg
台詞と名前が出てくるのはこの4人だけ
あとは、最後の方に出てくる通りを行き交う人々

感想とか

この映画の前半は、主人公が一人で街を片付け、淡々と過ごす日々の様子が続きます。
ネットの映画評を見てみると「ココが退屈」との感想が見受けられます。
そういう人には向かない映画。

私は逆に、広い湖にボートを浮かべ一人で釣りをしたり、図書館の飲食コーナーで、外の景色を見ながら食事をする主人公の様子を流し続ける映像に魅力を感じました。

後半のエル・ファニングが出てくるところまでは良いとしても、彼女の両親と称する2人が出てくるところから流れはグダグダ。
そこからが面白いという方もおられるようですが、その先は話の筋が見えるので(エル・ファニングの首の傷とか)、個人的には「このパターンね」で終了。

製作者は前半と、後半のラスト部分を対比して「どちらが現実を見ているのか」を問いたかったのではないかと。

主人公は以前の世界で孤独に生活していたため、誰も居なくなった世界でも絶望しておらず、自分の住んでいる街を掃除し、働いていた図書館での仕事を続け、日々を淡々と生きている。

一方、生き残りが集まる街(確かパームツリー カリフォルニア)では、明るく振舞って暮らしているが、そこの住民は(手術で)過去の悲劇を記憶から消している。忘れる去ることで平和に暮らし、現実に蓋をして夢の中で生きるような生活。

難しいSF映画ではありませんが『おぼえていて普通にする』『忘れて明るくする』という行動の対比に、少し考えさせられました。

SF的感想

これを書こうと思って投稿したのに、危うく書き忘れるところでした😅

・この映画、人類が亡くなった理由の説明が最後まで全くありません
・主人公たちが、なぜ生き残れたのかの理由も分かりません
・分かっているのはある日の午後、突然主人公たち以外が亡くなったこと
 (遺体はミイラみたいな感じ?)
・これから主人公たち2人がどうするのか?(どうしたいのか?)も不明

SF映画はタネ明かしをしなくても成り立つことを、改めて実感しました。
SF小説にも、それくらいのアバウトさが必要なのかも知れません😊


MOH

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