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県警VS暴力団 刑事が見たヤクザの真実(Kindle Unlimited)

文春新書

Kindle Unlimited80冊以上追加!文藝春秋 の広告があり、早速読んでみる。

脅迫・銃撃・放火・殺人・手榴弾 全国唯一の特定危険指定暴力団・工藤會。その壊滅に警察官人生をかけた元刑事の、30年余にわたる戦いの軌跡。

「いいヤクザなどいない。マシなヤクザがいるだけだ」

警察官人生の半分以上を暴力団対策、とりわけ凶暴として知られた北九州の工藤會対策に従事した刑事がリアルに明かす、暴力団との戦い。

修羅の国・北九州市――ここを根拠とする暴力団・工藤會は、その凶悪さで全国に名をとどろかせていた。興した事件は殺人、銃撃、糞尿まき、一般人襲撃、手榴弾投げ込み事件に至る。工藤會壊滅を目指した福岡県警は、試行錯誤を繰り返しながら捜査の手を強めていく。ただ発生した事件を取締るだけの繰り返しでは、壊滅できない。暴力団を社会から排除するべく、市民と共闘し地域で戦う。資金源であるみかじめ料を断つため、建設業者など関係の深い企業に働きかけていく。そして工藤會トップへの頂上作戦。
本書は二部構成をとっており、第一部は現場を指揮した捜査官が暴力団犯罪との闘いを振り替えるドキュメント。第二部では、これからの時代にいかにして暴力団と戦うべきかを指南する市民のための対策マニュアルだ。

(目次)
第一部 工藤會vs福岡県警
一 取り締まりあるのみ、の時代
二 工藤會壊滅を目指して
三 市民と共闘の時代へ
四 工藤會頂上作戦

第二部 暴力団vs市民
一 暴力団は今も脅威か?
二 市民が暴力団に狙われたら?
三 令和の暴力団との戦い
四 ヤクザと刑事

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166612635

著者略歴
藪正孝
1956年北九州市戸畑区生まれ。高校を卒業して一浪後、福岡県警察官を拝命。主に刑事部門、特に暴力団対策部門に携わる。2003年3月捜査第四課に新設された北九州地区暴力団犯罪対策室副室長に就任。以後、10年間、大半を指定暴力団工藤會対策に従事。2008年全国初の暴力団対策部の設置準備作業を担当するとともに、工藤會取締りを担当する北九州地区暴力団犯罪捜査課長、暴力団対策部副部長等を歴任。2016年2月地域部長を最後に定年退職。同年4月から公益財団法人福岡県暴力追放運動推進センター専務理事を務める。2019年暴力団に関するより正確な情報を発信するため暴追ネット福岡を開設

https://www.amazon.co.jp/dp/B088LZ5CD6/

暴追ネット福岡 には本に収録されていない話もあり、人によっては興味が沸くかも知れません。
例:『フーテンの寅さんは暴力団員?』

感想など

第一部は、著者が現役時代に関わった、当時県警の暴力団への取り組みが時系列的に書かれています。読み物というよりは記録的なもの。
日本国内のことなので、銃撃戦などはありません。
地道な捜査、証言・証拠集めと、地味な作業の積み重ねで,ジワジワと暴力団の勢力を弱めていきます。

第二部は、暴追センターの立場からの記述
1)暴力団に絡まれそうになったらどうするのか
2)イタリアの警察とマフィア、日本の警察と暴力団、の法的な面からの比較
3)刑事時代に印象深かった同僚の話、警察組織の話

著者が書かれた、次の言葉が全てを語っているのではないかと。
一部には暴力団を社会のセーフティーネット、必要悪と見る人もいる。だが、それは間違っている。時にましな暴力団員はいるが、良い暴力団員などいない。暴力団壊滅は道半ばだが、壊滅は可能だし、壊滅すべきである



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