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東京大学総合研究博物館/「動物観」展示監督の遠藤教授は推理小説家

東京駅丸の内南口前、Kitte(JPタワー)2・3階にある「インターメディアテク」は、オフィスから歩ける距離なので何度か訪れた。


所用で本郷を訪れた際、本家の「東京大学総合研究博物館」へ

本郷キャンパスの隅っこに位置する
その入口は分かりにくいが「懐徳門」から入ると直ぐ側
無料です😊
中に入るとそれなりに匂う

訪れた日の展示はこちら

動物観
展示監督:遠藤秀紀
展示制作:アメッド ・ ポプラ ・ 花、 中川梨花、 工藤光平

人間が動物に向けて培ってきた動物観を動物標本を使って展示に表現し、観る主体者の心に訴えたい。動物は私たちの身近に存在する。 例えば、動物をペットとして可愛がったり、動物園に見に行ったり、信仰の対象として祀ったりする。動物は人の精神世界にまで人り込み、 私たちの生活を豊かにする。
一方で私たちは、動物たちを労働力として使い、 屠殺や狩猟によって糧にもしてきた。
「食」、「愛玩」、「狩猟」、「飼育」、「使役」、「言仰」、「物語」、「保護」 などの切り口から、人と動物の間の 切り離すことのできない “つながり’'に迫る。 心を澄まして、私たちの動物観を思慮し、表現してみたい。

https://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2024doubutsukan.html

今回展示を監督した遠藤秀紀教授は「小説推理新人賞」を受賞している。

受賞作「人探し」の着想は、「(動物の)骨探し」から得たのではないかと。

骨の数々

こんな骨がいっぱい
ガラス越しに見る研究員の作業ブース
骨と剥製
やっぱり骨
先史時代の品々と骨
頭骨に朱を塗った理由は分からない
縄文人の全身骨 縄文人は小さめ
なぜ、骨や化石を収集するのか?
偽りのない本心が書かれている
右隅に写る高校生から、剥製の大きさが分かる
赤いネットに吊るされている骨は何故?
遠藤教授がビデオで、骨をネットに入れる理由を解説している(019)
エピソードはランダムに再生されるので、見ていてそれなりに時間が掛かる
ネアンデルタール人

専門を問われたら、解剖学と答えることもあった。死んだ動物の形を観察するのが、私の基本姿勢だからだ。しかし、解剖学という日本語は、残念ながら、遺体を研究する科学を指すのではなく、医療系実学職業教育のカリキュラムのコマを指すために使われる場合が圧倒的に多い。それとはまったく逆に形態学的に真理探究の場を創ろうとする私は、自分の学問をあえて「遺体科学」と呼んでいる。遺体科学は、動物遺体研究の、もっとも新しく、もっとも深く、もっとも執着心に富んだ営みだ。自然誌学、比較解剖学、古生物学、画像解析学などを集合させ、総合と継承の科学哲学を旨とする。動物遺体の無制限無目的収集を重ね、遺体から真実を解き、遺体を未来に引き継いで、知に貢献する。成果は、運動機構のマクロ解剖解析、標本形状の三次元データ蓄積、形態変異論の定量的議論などに結実してきた。遺体を凝視し、遺体に触れ、五感を駆使して遺体に取り組む遺体科学者にとって、研究する自らを言葉に表現することは、必須の責任だ。その責任を果たしつつ、動物園、猟師、飼育者、作家、彫刻家といった遺体を取り巻く人々や社会とともに、遺体と人間の関係の未来を論じ、遺体研究を文化の基礎に位置づけていくことが、狙いの核心にある。

https://www.um.u-tokyo.ac.jp/people/faculty_endo.html


MOH

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