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Movie, Film

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映画・ビデオのレビュー
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Malignant(邦題: マリグナント 狂暴な悪夢)/夢を見るのが怖くなるかもしれない

プライムビデオ見放題終了は、7月22日24時。 スリラー映画を滑り込みで視聴😊 というか最近は「見放題終了」に釣られて観ることが多い気がする。 見放題終了商法? 公式ページ。    雑感主人公が眠っていて殺人現場が見える理由が分からず、日常生活でちょっとしたことにも怯える主人公を描くところまでは少し安っぽいホラー。   ストーリー半ばから漆黒の殺人鬼が姿を現す場面からはアクションホラー。   物語的に「これだと当たり前すぎるな」と思っていると、終盤で本当の理由が明かさせ

マイ・セックス・ドール( 2020年 タイ映画)/アダルト映画ではないし、ロボット論を語る映画でもない

明るい学園もの?コメディ😊 雑感主人公宅に届いたAI搭載ドールの話す言葉が、日本語なのは何故?😅(タイ語の字幕が出てくる) 初期言語が日本語。他に英語とタイ語ができる😅設定。 ドールに表示される単語が時々、日本語… 日本は技術とスケベの国という印象が強いのかも知れない。   主人公が通う大学でのシーンで学生が白いシャツに黒いズボン or スカート。 タイの大学に、制服があるとは知らなかった。 ストーリーは、ドール(ロボット)のアンナが人間の心を持ち始めることで話が進み、そ

Byzantium(邦題:ビザンチウム)/切ない吸血鬼の物語

Amazonプライムビデオで「残り30時間」に釣られて観たら、意外に面白かった。 雑感事前情報無しに観た。 「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の監督(Neil Jordan)が撮った「吸血鬼映画」というのは知っていた。 観てみると同じ吸血鬼でも設定が異なる。   吸血鬼映画には必須の「血を吸われたものは眷族になる」ではない。 今年、原作コミックが終了した『よふかしのうた』などもこれに倣っている。 アニメは2期制作が決まっているらしい。 話をByzantiumに戻す。

X エックス :: 観たことのないプロットで、予想が外れる怖い映画

この映画、3部作の中編だが、最初に公開された。 制作元は2012年に設立されたA24 Films LLC。 映画・テレビ番組の制作、映画配給を専門とするアメリカの独立系エンターテイメント会社。 3部作の時間軸とおおまかな内容は次の通り ・Pearl:1918年テキサス殺人事件(X老婆の若い頃) ・X:この映画(1979年) ・MaXXXine:Xの大虐殺を生き延びたマキシン(Maxine)は1985年ロサンゼルスでストーカーから逃げながら、有名女優の夢を追う。 A24公

MEMORY メモリー / リーアム・ニーソン(70歳)がアルツハイマー型認知症の殺し屋を演ずる

前から観ようと思い、ウォッチリストに入れていた作品。 トレーラー 雑感リーアム・ニーソンは好きな俳優。 以前に何度か作品をつぶやいている。   つぶやき 有名な『96時間』や『ナルニア国物語』のことを書いていないが、自分が一番好きな作品のことも noteに書いていなかったり… 高齢化社会向け? 20世紀に高度経済成長を遂げた国々は、どこも高齢化社会になりつつある。 高齢化社会に対応してなのか、エンターテインメントの主人公も高齢化。 エルフのフリーレンとドワーフ

『ガールズバンドクライ』 日頃、言いたい事が言えない方へ / 吉野家へ行きたくなる

オフィシャルサイトはこちら こちらで視聴可能 雑感ガールズバンドのアニメは、以前記事にした。 この記事で書いた感想を、逆手に取ったような設定。   シーズン1エピソード10までなので「結果」はまだ分からないが、主人公 井芹仁菜 が、めちゃくちゃトンガっている。バンドメンバーにいつもケンカをふっかけている。バンドメンバーの他4人も同じように一癖も二癖も個性的。   挿入歌 バンド経験者河原木桃香が、演奏未経験の主人公井芹仁菜 にスマホの音楽作成アプリを教え、1週間で

Die Wannseekonferenz (ヴァンゼー会議)『邦題:ヒトラーのための虐殺会議』/狡い会議の進め方

イスラエルのガザ侵攻前にドイツで作られた映画。 今、観るといろいろと思うところはある。 映画そのものはwiki(de)が詳しい。 (機械翻訳で) 2022年のこの映画、過去に1984年ドイツで、2001年にはイギリスで映画化されている。 雑感 当時の議事録に基づいて作られた映画で、俳優の仕草等はともかく映像の通りに議事が進行したようだ。   議決された内容の「トンデモナサ」はさておき、「通したい提案」を会議に掛けるための準備(内輪のメンバーに事前に情報を与える)、場所

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 / 評価は高いが原作とは異なる物語

Amazonプライムビデオには、少し前に入って来たと思う。 予備知識なしで観てみると、最後の部分で無理やり原作に繋げた感じがする。 公式サイト 原作第1話を映画化するために新たな物語を作り、エンドロールの後に続く話の中で鬼太郎が墓場で生まれ、原作と帳尻を合わせている。 映画の公式サイトに「初めて明かされる、鬼太郎の父たちの物語」とあるが、下に引用した原作をお読み頂くと分かるとおり、設定が原作とは異なる物語。 映画にするためにこの映画の主人公水木が訪れた村で起こる事件が

コリン・ファレル主演『Suger』全8話/クラッシックな映画ファンには興味深いドラマ

オープニングが終わると、そこは渋谷のスクランブル交差点。 「アレッ?」と思うが、主人公コリン・ファレルは仕事の依頼で日本を訪れただけで、直ぐ舞台はハリウッドに変わる。 21世紀ロサンゼルスが舞台のハードボイルドな私立探偵物語 物語が始まるとコリン・ファレルは現代風で裕福な私立探偵。 ・趣味の良いホテル住まい  あちらこちらにカメラを付け、居ない時の訪問者をMacBookで確認😊 ・バーでウイスキーのストレートを煽っても酔わずクルマを運転 ・仕立ての良いスーツとシャツを纏い

「夏へのトンネル、さよならの出口」SFというよりファンタジー映画

Amazon プライムビデオのウォッチリストに入れたあと、リストにあることも忘れていたが、連休中にコミックアプリで多くの無料試読があり、そのタイトルを見てアニメ化(映画化)されているのを思い出した。 Webでコミックを読み始めると「中途半端なタイムワープ?」が気になり、まず映画版を観ることに。 プライムビデオのリンクはこちら。 映画版では主人公以外の周辺人物の描写が薄く(83分なので仕方がない)、視聴後にコミックを最後まで読んでみた。 全4冊、ひと夏の物語。 原作のラ

『無名』 原題「无名」 / 日本公開日に映画館へ(海外では2023年に公開済)

内容はフィクションだが時代背景は史実に基づいており、第二次世界大戦以前の中国事情を少し知っておかないと、話の筋が見えにくいと思う。 王一博推しのらん💚85号さんが、1年前に配信で観た感想を熱く語っている。 映画の内容は、そちらの記事が詳しい。 雑感 「身内がオンラインでチケットを取ってくれたので一緒に行った」が、映画館へ行くまでのモチベーション。でも観始めると130分が短く感じられた。 雨のシーンが多く雨に降られるが故の人物の仕草、全体的にトーンを落とした映像が、スパ

ARGYLLE(アーガイル)/コメディーに全振りのスパイ映画

ARGYLLEは2024年3月1日公開の映画。 ネットで配信も始まっている(多くが有料)。 Appleが2億ドルで権利を獲得したため、Apple Oneでは無料で観られる。 Appleの資金回収は難しそう。 トレーラー 雑感前回の映画感想文からスパイものが続くが、両作品は全く別モノ。 Red Sparrow(レッド・スパロー)は、原作を元CIA職員が書いておりリアリティさを感じるところもあるが、この映画はエンターテイメント路線。 バトルシーンはダンスシーン。 リアルな

Red Sparrow(レッド・スパロー)/元CIA職員が書いたロシアのハニー・トラップ小説原作の映画

2018年制作の米国映画。 原作はこちら。 (読んでいないけど) 原作者の紹介はこちら。 トレーラー 雑感原作はフィクションだが、ソ連時代のロシアにはスパローの養成学校が実在したらしい。 久しぶりに見応えのある映画を観た気がする。 作品として良かったのは、次の2点。 ・誰が策略を組んでどうなるのか、最後まで観ていないと分からず、気を抜かずに観られたこと(主人公を含め、出演者は何度も嘘をつく)。 ・撮影はロシアではないとのことだが、寒い国を(らしく)映像に収めた景色

Nomadland(ノマドランド) " I’m not homeless. I’m just houseless."

原作は、ジャーナリストのジェシカ・ブルーダーによるノンフィクション。 ドキュメンタリー風の映画。 映画に登場する実在の有名人は、少しカルトっぽい。 ストーリーがあるわけではないので、トレーラーを観ていただければ、この映画の雰囲気は掴めると思う。 雑感アメリカ北部大陸の広大な景色を映し出した映像は「素晴らしい」の一言。 ただ、そこを棲家とせざるを得ない高齢者たちの現実は厳しい。 コロナ禍の間、米国でAmazonが大量に雇用者を増やすニュースを度々聞いたが、それに応募する