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Movie, Film

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映画・ビデオのレビュー
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記事一覧

Nomadland(ノマドランド) " I’m not homeless. I’m just houseless."

原作は、ジャーナリストのジェシカ・ブルーダーによるノンフィクション。 ドキュメンタリー風の映画。 映画に登場する実在の有名人は、少しカルトっぽい。 ストーリーがあるわけではないので、トレーラーを観ていただければ、この映画の雰囲気は掴めると思う。 雑感アメリカ北部大陸の広大な景色を映し出した映像は「素晴らしい」の一言。 ただ、そこを棲家とせざるを得ない高齢者たちの現実は厳しい。   コロナ禍の間、米国でAmazonが大量に雇用者を増やすニュースを度々聞いたが、それに応募す

レミニセンス(原題:Reminiscence)/SFではなく偏屈なおじさんが怪しい女に執着する映画

ネタバレになるが、ヒュー・ジャックマンが訳ありの女性に惚れて(騙されて)追いかけた挙句、人生を終わらせる物語。 設定がアバウトで非科学的なストーリー。ファンタジーかと言うと現実的な暴力シーンも多く、どちらか言えばバッドエンド。 いろいろな中途半端さが重なっている映画。 トレーラー 感想見始めてから5〜10分経った頃「これは外れたかな?」と感じたが、思った通りだった。 映画が始まりしばらくしても話が進まないし、映像的に見せ場がある訳でもない。独立系の映画ならそれも有りだが

『ザ・ロストシティ』(The Lost City)豪華キャストによるコメディ冒険モドキな映画

たまには何も考えずに(ツッコミ様が無いくらいな)映画を観るのも、気分転換には良いもの。   扉絵は"https://www.facebook.com/TheLostCityMovie/"から。 Amazon プライム他で観られる。 感想文(を、どう書こう?) というくらい、観たあとに何も残らない映画。 それでも儲けは出たらしい。 豪華キャストが、どんな役を演じたかは上げておきたい。 短い出演のブラッド・ピットはともかく、ダニエル・ラドクリフはハリーポッター役以外で、

TOLKIEN(トールキン 旅のはじまり)/「指輪物語」を書き始めるまでの物語

「ロード・オブ・ザ・リング」が有名で、作者トールキンの名前は知られているが、その生涯はあまり語られていないと思う。 この映画は幼少期から家族を持つまでを、戦場(第一次世界大戦)のシーンを挟みながらドラマ仕立てで描いている。 その後は大学教授・売れっ子作家として順風満帆な人生だったようで、映像的には面白みに欠けるからか『ホビットの冒険』を描き始めるところでこの映画の幕が閉じる。 生い立ちとその一生は、wikiがまとまっている(情報が多い)。 予告映像と主役インタビュー

Killers of the Flower Moon / 先住民居留地の石油鉱業権を手にしようと白人が殺人を重ねる物語(実話に基づく映画)

映画館で観ると途中でおトイレに行きたくなる長さだが、その間の映像を見逃すのは勿体無い。 自宅で配信を観るのが得策だと思う。 感想(少しのネタバレを含む)物語として特別な設定がある訳ではなく(実話に基づく話だから)、映像に目を見張る風景が現れることはなく、ストーリーの進行は決して早くはない。 出演者のセリフや行動で観始めの早い段階から物語の行く末が分かるが、それでも3時間を超える映画を観られたのは何故だろう? 起伏のある筋書きはなく、表と裏の顔を使い分ける街の名士(ロバー

ヴァチカンのエクソシスト The Pope's Exorcist / 実在したエクソシストがモデル / エクソシストを職業にしている人がいるらしい

尺もさほど長くなく、サクサクっと観終わる映画。 でも、そんな職業の人が実在していると聞くと…う〜ん😅 感想(映画とエクソシスト)悪魔を祓うまでの時間がさほど長くなく、飽きずに観られた。 ストーリーは「(映画的に)よくある悪魔祓いの話」で、それ以上でもそれ以下でもない。 低予算(1800万ドル)で製作されたため興行成績的には十分潤い、続編の話もある。 最後のシーンでそれを匂わせるラッセル・クロウのセリフが出てくる。 公開当時(2023年)の評判は芳しくなかったらしい。 「

Terminator: Dark Fate(邦題:ターミネーター:ニュー・フェイト)アナザーストーリーの興行成績は芳しくなかったらしい

コロナ禍直前(2019年11月)に公開された映画。 若い頃にシュワちゃんのターミネーターを観ていれば、当時の主演二人が出ているだけで懐かしく感じられるのかもしれない。 感想ターミネーターは自分の小説の最初の方(013.研修3日目 午後の避難訓練 その2)にも出てきており古のキャラクターだが、オリジナル(?)の映画そのものは延々と続編が続き、追いかけていない。   だからなのか、この映画は新鮮な気持ちで観ることが出来た。 ストーリーもREV-9(液体金属ターミネーター)から逃

Alita: Battle Angel(アリータ: バトル・エンジェル)脚本,製作: ジェームズ・キャメロン/名前に釣られて観たけれど… / 作品論とか

CGは良かった… 原作はこちら(新装版は全12冊 1〜3冊まで Kindle Unlimited) 映画の感想冒頭に書いたとおり、CGは良かったと思う。 ただ、主人公アリータの気持ちの動きや感情の揺れが画面上からは読み取れなかった。   圧倒的な強さが前提なので、どんな敵が向かってきても戦いは無双に終わり、その設定に既視感を感じ「何なのかな?」と思い、思い出した。 異世界系の無双転生。   アリータは失われた数百年前の技術で作られたサイボーグ。 主人公が時代を経て生まれ変

『ラーゲリより愛を込めて』 シベリア抑留実話に基づいた映画/世界は不条理に満ちている(感想文のない映画感想文)

Amazonプライムに来ているのは分かっていたが、実話が元となっていることを知り、観るかどうか迷っていた。 シベリア抑留から帰国した叔父(私の母と年の離れた兄)から子供の頃話を聞き、内容は途切れ途切れだが、今も心に残っている。 その後、叔父一家は個人的な事情で離れた場所へ引っ越し、私が実家を離れていた学生時代に亡くなったと、数年経ってから聞かされた。 映画の配役は、メディアでよく知られている方々 感想noteで『ラーゲリより愛を込めて』を検索するとたくさんの記事が出てく

年初めに「バグダッド・カフェ(Out of Rosenheim)」/大人向けファンタジー

内容を知らない方は、主題歌 “ Calling You ” が有名過ぎて、物悲しい話ではないかと勘違いしそう(MOHがそうだった😅)。 ところどころに、コメディ要素を挟んだTVドラマ的な映画だと思う。 見終わるとハッピーエンディング。 内容は(設定を詰めていない)ファンタジー。 ロケに使われたお店は実在し、映画公開後に店の名前を Bagdad Cafe に変えたらしい。 感想「名作映画」らしいので、note内で検索すると多くの感想が読める。 主人公と女主人との関係、カフ

今更ながら 『Saturday Night Fever』 を通しで観た :: 時代ものの音楽映画

『サタデー・ナイト・フィーバー』( Saturday Night Fever)は、1977年のアメリカ映画。公開されてからまもなく半世紀。 TVなどで何度も放映されたと思うが、今まで全編を観たことはなかった。 たまたまプライムビデオのミュージカル映画の枠に入っていたので観てみたが、ミュージカルというより、クラッシックな青春映画。   ビージーズの曲が多く聴けるという意味では、音楽映画かもしれない。 2時間で6曲が流れる。 21世紀基準からすると、いろいろなものが緩くて、あ

ティアムーン帝国物語/今年は「小説家になろう」原作アニメをよく見掛ける/転生ではなくタイムリープ物語

先日、「小説家になろう」原作のアニメは記事にした。 「原作」「書籍」「コミック」「アニメ」の順に、この作品の情報を整理する。 「小説家になろう」原作は上のリンクから全話読むことができる。  掲載は 2018年8月からスタートし、最新話掲載日は2023年 11月10日。 現在の総文字数は、3,001,544字。   この小説もアニメ効果なのか、最近の既読話数が桁違いになっている。 『薬屋のひとりごと』の記事で書いた通り、「無料の威力」を感じる。 書籍Kindle版では1

RUN/ラン(2020年ホラー映画)後半の捻りが「なるほど〜」と

夏頃から観ようと思ったまま秋も半ば、ようやく観ることができた。 タイトルの”RUN”は、「走る」ではなく「逃げる」。 雑感良く似たストーリーの作品を、観たり読んだりしていると思う。 限られた舞台の中での演技に、少し飽きそうになる。 この映画の良いところ (1)上映時間90分 主な登場人物は親子二人だけで、舞台も家の中が大半。これで120分以上の映画だとダレてしまう。 (2)異常に束縛する毒親の話だと思っていたら… 毒を使って拘束するが、それ以上にとんでもないことが、始

『葬送のフリーレン』 コミックとアニメから 「人との別れ方を考える」

『葬送のフリーレン』は先日、アニメのOPで少し触れた。 今秋のアニメに来ているのを、プライムビデオやネットで知った。 「冒険、勇者」の単語が目に止まり『また異世界冒険もの?』と思いスルーしていたら、若い知人が「絶対オススメ! 今なら『サンデーうぇぶり』で、かなり先まで読めますよ」と言われて読んでみると、今までにない設定の物語。 興味が湧き、アニメも観てみた。 個人的なあらすじ wikipediaの通り物語がスタートしてすぐに、かつて一緒に冒険した仲間たちの看取りが続く。