イスラエルのガザ侵攻前にドイツで作られた映画。
今、観るといろいろと思うところはある。
映画そのものはwiki(de)が詳しい。
(機械翻訳で)
2022年のこの映画、過去に1984年ドイツで、2001年にはイギリスで映画化されている。
雑感
当時の議事録に基づいて作られた映画で、俳優の仕草等はともかく映像の通りに議事が進行したようだ。
議決された内容の「トンデモナサ」はさておき、「通したい提案」を会議に掛けるための準備(内輪のメンバーに事前に情報を与える)、場所と出席者の選定(会議の設置場所、会議で使える配下の出席)、効果的な資料の提示(会議で初めて見せる図表)等、スムーズに会議を取り仕切り、終了時に全員の合意を得る手際は鮮やか。
提案事項に同意するときは、握り拳で机を叩く。
これには奇異を感じ「ナチス流の合意の仕方?」と思ったら、ドイツ人は拍手ではなく握り拳で机を叩くらしい。
この会議を運営したラインハルト・ハイドリヒは、その冷酷さから親衛隊部下たちから「金髪の野獣(Die blonde Bestie)」と渾名された。この会議の半年後、連合軍のエンスラポイド作戦で暗殺された。
組織で新しいことをやる時「それを何故やるのか? やらなければならないのか?」という本質論を吹っ飛ばし、出席者に「どうやってやるのか?」しか考えさせないところは、主催者が思惑通りに物事を進める手段としては優れている。 出席者に考える余地を与えない。
但し、そのような組織に未来はない。
一橋ビジネススクール特任教授楠木建氏が、わかりやすく説明している。
『「What」「Why」を論じることなく、遂行するためのより効率的な方法「How」を論じたんじゃないか』
80年を経た現在…
ホロコーストの対象となった600万人と比べると(比較する数字ではないが)「大した数字ではない」と考えて攻撃を続ける人がいるのかも知れない。
残念ながら、それを止められる人はいない。
MOH