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私物語vol.11『働く私の心を守る』

職場で仲の良かった人が退職した。
上司とも仲が良く、色んな情報を知っていた人だったけど、最後はその上司達とも気まずくなり辞めたそうだ。私は時々愚痴を聞く程度でそこまで深刻な話は聞かなかったけれど時々事務所で会う彼女はとても疲れていたように感じた。

退職して間もなく「会って話がしたい」と連絡が来た。
私も会いたいと思う反面、気乗りがしないというのも事実で約束を決めてからも何となく中止になればいいなとか思っていた。
結果的に中止になって、それから再度約束をするようなこともなかったし多分これ以上私から約束をすることもないだろう。

それは、なぜか。
家族以外の人とご飯やお茶をするのが苦手というのもあるけれど、それではない何か釈然としない感情があって今後も彼女のことを避けたいと思っている。

多分「あなたも私と同じなのよ」と言われるのが怖かったんだと思う。
情報を沢山持っているということは個人的な情報もあるということだ。在籍中も時々他の人の話を聞いていて、上司が嫌いなのは誰だとか誰と誰にはキツイことを言っているとか聞く度に複雑な気持ちになっていた。
そして、円満な形で辞めたのではなく上司とも気まずくなった末の退職であれば秘密を保持しようとする感情も無くなったと思う。きっと今まで言わないでいたことも話すだろう。
そして、自分だけが嫌われた訳じゃないと言いたくなる。目の前にいる人間の悪口を本人に伝えてその人がショックを受けた時彼女は初めてスッキリするんじゃないかと思った。

だから、もう会わないと思った。
私は今のところ辞めるつもりもないし、自分のペースで働かせてもらえる職場に感謝している。そりゃ他人だらけの職場でいいことばかりとは思っていない。でも聞かなければ知らないでいられる。
無駄に他人に対して疑心暗鬼になるのはとても疲れるし無駄なことだ。
私は家以外の生活で自分の心を安全に保ちながら生きていきたい。だから他人の負の感情に振り回されたくない。
彼女も辞めたのだから、今思っている辛い感情は少しずつ薄れていくだろう。辛さがピークの時人は誰かを巻き添えにしたくなるのだから彼女のこれからを考えても私と関わるのは健全ではない気がする。私も彼女のことを面白くていい子だったなと思いたいので、その気持ちのまま終わりにできたら幸せだ。

20代の頃働いていた職場で、自分がどう思われていたのかを知って辛かった。
今思えば随分身勝手で我儘だったからそりゃ嫌われるよねと思う。でも当時の私はそんなことを振り返る余裕もなくて、退職日にみんなが泣いたりありがとうと言う姿がとても滑稽でもう1秒でも早く家に帰りたかったことを今も覚えている。
今も私の心にはあの時の気持ちがなかなか取れない焦げ付きみたいにこびりついている。
気持ちの整理ができるまでは当時の仕事に関わる人を避けてきた。最近少しずつ話をしたり会ったりできるようになったけど当時の話はしない。
身をもって知っているからこそ今回の選択だったんだと思う。

人の目が気になって生きていくのが辛くなる。
それでも一人ぼっちで生きていくわけにはいかない。相手の感情を読み取りながら相応に接していく自分を保つのには今まだ気持ちがついていかない。
その気持ちをこうしてnoteに書いている。
文字にして誰かの目に触れてもらうことでどん底に落ちないようにできているのだと思った。note最高!

いつか、本当の意味で自分らしく生きられたらいいなと思っている。
自分の感情と冷静に向き合ってそれをちょっとでも上手に表現していけるようになりたい。

祖母が家に帰って弟Bと私と子供達だけの夜が始まった。
他の家族が帰ってくるまで2人でそれぞれ協力しながら家のことを進めていく。
私達家族はいいチームだな。
そうゆう家族と暮らせて幸せだ。

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