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Xの肖像

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筆者の気分とかなり連動しながらぐだぐだ書いてるオリジナル小説です。悩める中学生のお話。割と何もかもがすげー内向的な作品。諸々修正して投稿中です。
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#本

習作④-3「或る文学少女」

 がたんごとんと、世界が音を立てて揺れていた。繋がったまま走るいびつな箱の中には、信じられないくらいたくさんの人間がびっしりと詰め込まれていて、箱が揺れるたびに僕は知らない人間とぶつかってしまう。優しい人は、ごめんなさい、と言ってくれるし、僕も会釈くらいは返せるけど、酷い人は舌打ちしてくる。
 なかなか不愉快な乗り物だと思う。

 時刻は午前10時過ぎ。
 僕は隣市にある駅前の大きな本屋さんに行く

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