社長日記(118)プログラミング教育の必修化と受験科目への影響

コトイズムのコラムの転載です。
https://kids-mirai.jp/news/120/

2020年から小学校でプログラミングが必修化になりました。そのようなこともあって、子どもが中学受験する保護者の中には、プログラミングが受験にどう影響するのか気になる人も多いでしょう。

今回は
・プログラミングがどう入試に影響するのか、
・プログラミングを学ぶことで子どもにどのようなメリットがあるのか
について紹介していきます。

プログラミングは入試にどのように影響するのか?

プログラミングが入試にどのように影響するかについて、一般的に言えるのは、直接的な影響は限定的であるということです。多くの入試や受験試験では、プログラミングスキルそのものが評価の対象とはなりません。

しかし、プログラミングが入試に及ぼす影響は、子供たちの学習スタイルやキャリアの方向性に間接的に影響を与えることがあります。
プログラミング教育の目的は論理思考力や問題解決スキルを向上です。これらのスキルは入試においても高い評価を受けることがあるでしょう。さらに、プログラミングの学習は創造性を刺激し、プロジェクトの実行力を高めることができるため、入試に提出するエッセイや面接において差別化を図る材料となるかもしれません。
具体的にはグループワークやプロジェクト的な課題に取り組みレポートやプレゼンテーションを行うようなより実践的な入試方法が実施されていく可能性もあります。

例:駒込中学のプログラミング入試

文京区にある駒込中学校では<プログラミング入試>を実施しています。この入試では単なる教科の知識を問うだけではなくより実践的な知識を問うという点、またScratchを活用してプログラミングの内容を扱うという点で新しい入試の方法の1つと言えるでしょう。

<プログラミング入試>(駒込中学HPより)

本校のプログラミング入試は算数分野とScratch(スクラッチ)を使ったプログラミングの問題が出題され ます。
【算数入試】四則計算(2科目・4科目入試問題と同レベル)ならびに「実生活で使う算数」です。 過去にはカレーの材料を「組み合わせ」で解く問題や、「簡単なN進法」を問題文で学んだ 後に、16進法のカラーコードを見て「色」を答えさせる問題が出題されました。
【プログラミング入試】Scratchを使ったプログラミングが出題されます。初めにパソコン操作やScratchに ついて指導があり、その後自由に与えられた課題をプログラミングします。正解はありませんが、より簡潔で完成度の高い(可能であれば他者が感動するような)プログラムを描けるように目指してください。


プログラミング学習が子供にもたらすメリット

プログラミング学習は子供たちに多くのメリットをもたらします。このスキルを身につけることは、知的な成長や将来の成功に対して多くのポジティブな影響を持っています。

まず、プログラミング学習は論理思考力を養う手助けとなります。プログラムを書く際には、ステップバイステップで論理的に問題を解決する必要があり、これは数学や科学の知識を深化させるのに役立ちます。また、プログラミングはエラーのデバッグ(修正)作業を含むため、問題の原因を見つけ出すスキルも向上します。

さらに、プログラミングは問題解決能力を高めることができます。子供たちはプログラムを書きながら、様々な課題に立ち向かい、独自の方法で問題を解決する方法を見つけるのです。この経験は日常生活においても非常に役立ち、困難な課題に対処する能力を強化します。

プログラミング学習は子供たちにとって非常に有益なスキルであり、知的な成長や将来の成功に向けて重要な役割を果たすことができます。

家庭でプログラミング教育を実施する時の保護者の役割

家庭でプログラミング教育を実施するために必要な準備について考えましょう。やることはそこまでたくさんありませんが、ただパソコンを渡しておくだけではなかなかうまくいきません。

・コンピューターやインターネット接続を提供
 コンピューターは必ずしも高いスペックのものである必要はありません。画面が大きめがいいかもしれません。タブレットよりもパソコンのほうが使えるソフトが多かったりするのでおすすめです。学校から支給される端末で実施することも可能ですが、利用制限がされている場合もあります。

・静かな学習スペース
 集中して活動できる環境を整えましょう。アイデアやメモを残したりすることも重要なので、ノートを隣に置いて活動できるようなスペースがあるとより良いです。ただ制作の内容をシェアしたり、安全な利用をするためにも個人の部屋に籠ったりする必要はなくリビングなどでも大丈夫です。

・プログラミングの教材やオンラインコースへの登録やテキストなどの用意
 扱いたい教材や、作りたいものに合わせて必要なものを用意しましょう。ネットで無料で手に入るものや、書店で購入できるものをたくさんあります。ただ個別に作りたいものにカスタマイズするためにはより深い理解が必要になります。より高度な検索の能力や、定期的に専門家に相談できる環境があるとより活動がスムーズに進むでしょう。

・安全にインターネットを利用するための約束
 インターネットを利用するための約束を決めておく必要があります。スクラッチはプログラミングの教材であると同時にインターネットのコミュニティ的役割もあります。そこに作品をUPして、コメントしあったりするということもあるのでその際の利用の約束などについて確認しておきましょう。またパスワードの管理や、みていいサイトの制限なども検討して安全にインターネットが活用できるようにしましょう。

・モチベーションを高める役割
 進捗を定期的に確認し、質問に答え、学習の困難さに対処するサポートを提供します。子供たちの成果を称賛し、成功体験を共有することで、学習への意欲を維持する手助けをする。


家庭でプログラミング教育を実施するためには、保護者のサポートが不可欠です。子どもにパソコンとネット環境を渡して放置しておくだけでは、なかなか有意義な活動で難しいかもしれません。子供たちの学習環境を整え、リソースを提供し、モチベーションを高め、挑戦を受け入れる姿勢を育むことで、子供たちはプログラミングを通じて重要なスキルと自己成長を実現できるでしょう。
一方で、これだけの準備を家庭でするのは少し大変かもしれません。そういった場合に外部の教室などの活用を検討してみましょう。

まとめ

中学受験に対する直接的な影響は限定的であるものの、プログラミング学習は子供に多くの恩恵をもたらします。保護者の役割は、学習環境を整え、リソースを提供し、モチベーションを高め、挑戦を受け入れる姿勢を育むことです。プログラミング学習は子供たちの成長と成功に向けた貴重な手段と言えます。

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