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【実話】うちの墓がなんか変【不思議な話】

前回の件よりちょっと前のまた母の話。

その頃、妹がグレまくってたり父が体調不良とか、他にも色々あって母は疲弊きっていた。
自分は当時進学して離れて暮らしていたので、緊急避難場所としてくらいしかフォローができなかったのだが、その時に母から聞いた。

母の母(A子さんとしておく)は、母の結婚前に他界しているのだが、そのA子さんが夢に出てくる。
夢ではA子さんの後ろにはたくさんの知らない人がいて、その中に母が子供の頃に他界した母の祖母なんかが混じってて、直感で「ご先祖様がいっぱいいる」と感じたそうだ。

口を開いたのはA子さんで、「○○ちゃん(母)はだいぶ頑張ったんだからもういいんじゃない?」「こっちに来る?」みたいなことを繰り返した。

疲れた人が救済を求めた結果見た夢といえばそうなんだが、なんせ内容が不穏すぎる。やめてくれまだ連れてかないでくれ。聞きながら母の過去の実績を思い返して、自分は内心冷や汗をかいていた。

結局母はそれに対しては返事をしないまま、いつのまにか場面は切り替わりA子さんの墓の前にいたそうだ。
もちろんA子さんだけでなく、歴代の母方のご先祖様が眠っている。

「そのお墓の台座?がね、少しだけ引き戸みたいに開いてたの。あそこって骨壷を入れるところじゃない?
なんか普通じゃない気がしてさすがに翌日見に行ったのよ」

親戚一同健康すぎて納骨室が本当に分からなくてググった。フーン、ここがこう開くんだ…。

結局納骨室は引き戸みたいではないが本当にちょっとだけ開いていて、お寺の人を呼んで閉めてもらったそうだ。引き戸は納骨室の記憶が薄すぎて、母の中の扉のイメージが採用されたんだと思う。

「重い石だし道具いるから勝手に開くはずないし、開いてたのはうちだけだったから本当にわけわかんなかった…どうやったんだろ…」

納骨室は地域や墓石の形によって差はあるが、我が家の場合は引き出しのように開くタイプ。自分は他に気の利いた答えが思い付かなかったので、何気なくこう答えた。

「それさぁ、外からじゃなくて内側から押して開けられたんじゃないの?」

カーチャン、マジで納得して膝を打つのやめてくれ。

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