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【実話】5人もついてる【不思議な話】

母の不思議体験が1番多かった頃の話。
家庭のごたごたが絡むので長いし分かりづらいです。

当時母は毎日同じ夢でうなされていて、その内容が「地獄に行って父を助けて連れ帰ってくる夢」だった。父(以下ポル)曰く、その夢を見ている間、母は何かを探すように手を動かし、ポルがその手を掴むとようやく落ち着いて本当に眠りにつくようだった。

ある夜、例の如く何かを探していた母の手をポルがつかもうとしたところ、眠っていた母がぱちりと目を開けて起き上がった。
目が覚めたのかと思ってポルが声をかけようとしたところ、母が母ではない男の声で「事故で死んでから一度も吸ってないから、悪いけどタバコを一本くれないか。」と言った。

ポルが枕元に置いていたタバコを母(?)に渡すと、母(仮)は小さくお礼を言ってタバコに火をつけ完全におっさんの仕草でタバコを吸い、大きく煙を吐いた。

「この人は大変だな。5人もついてる。」人心地ついた母(おじさん)はそう言った。
完全に夢遊病患者にしか見えないが、毎晩見る夢の話を母から聞いていたポルは、「もうそういうものだ」と考えて、このおじさんから何か有益な情報を聞き出せるかもしれないと思い、詳しく話を聞いたそうだ。

おじさん曰く、母のこことここと(実際指差しながら)…で、計5人憑いてる。3人は死んでいるのがたまたま憑いちゃっただけだからそのうち離れると思うけど、残りの2人はまだ生きている。女の人でこれこれこういう特徴の人だ、と言った。

ポルはその人たちを知っていた。それと同時に憑いている理由もなんとなく理解した。

その2人というのはポルの姉と叔母で、姉の方はポルの父の連れ子だったので、半分だけ血が繋がっている。
この姉というのが、親の離婚経験(計2回)があって家族の絆というのに夢を見て執着するタイプで、「家族なんだからお泊まり会するよね」とアポ無しで当時ポル達が住んでいたアパートに家族で凸り、布団の用意などを全部臨月間近の母にやらせたりするお花畑だったらしい。沸いとるな。

姉の頻繁な凸とお花畑に辟易した母とポルは、アパートを出て家を購入した頃に「ポル母の面倒はこっちで見るから介護の心配はない(ポル父は当時故人)。そのかわり今後頻繁な凸はやめてほしい、最低限の付き合いで勘弁してくれ」みたいな旨を姉に伝えたそうだ。

そうしたら姉は激怒、自分の味方の叔母(ポル父の姉)に話し、叔母が「家族なんだから仲良くしなさいよ」みたいな感じで出てきたらしい。そもそもポル両親はとっくの昔に離婚して「姉・叔母:ポル父陣営」「ポル:ポル母陣営」みたいになってるのに「家族なんだから」は強調できんだろ。破綻済みっすよ。

その後いろいろ揉めた結果、姉叔母その他離婚済陣営とは今後葬式以外関わりませんってことになったんだけど、最後に叔母が去るとき「あっ、蚊が」とか言いながらポルと母に平手打ちをして帰っていったそうだ。限りなく陰湿寄りな潔さよ。

そんな話があったので、上記のリアクションを見るに100%納得して離れたわけじゃないんだよな、みたいな話をポルは母(おじさん)にした。

おじさんは「姉叔母にとって血が繋がっているのはポルなので、この女(母)と結婚したから家族がこんなことになったんだ、っていう逆恨みなんじゃないか。この2人は首が長く伸びて母に絡み付いてる」と解説してくれた。

その後どうやっておじさんが母から出ていったのかは知らないが、母は翌朝起きてからポルにその話を聞いて、ポルの父家系に改めてドン引きしたよって話でした。

ちなみにこの毎晩見る夢は、旅行の時など家を離れた時には見ないことが判明したため、今は両親はポルの職場近くにアパートを借りて住んでいます。

今年の正月にポルが実家(ポル母だけ住んでる)に行ったところ、例の姉家族とポル母が宴会していたそうなので、自分と母はそれを聞いてめっちゃ複雑な顔をしたのはまたちょっと別の話。

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