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海原雄山的に生きたい。わあっはっはっは。

人生で一度は実際に口にしてみたいセリフと言えば

「馬鹿どもに車を与えるなっ!」

ですね。どうでしょう、ご存じですか、海原雄山

言わずと知れた「美味しんぼ」のラスボスで、主人公山岡士郎の父親でもあります。書画から陶芸に至るまですべて国宝級の腕前を持ち、食事に関しても達人という、北大路魯山人をモデルとした人物です。圧倒的なカリスマ性と実力を持ち、主人公を叩きのめしながら成長を促す、というのが役どころ。

とはいえ、長期連載の宿命というか、どんどんキャラが変わってきた人物でもあります。

初期のころは主人公が勤める新聞社の社主に対して、ふるまった食事を
「こんなものをありがたがっているとはな!」
みたいに酷評するなど、傲岸不遜極まれりというキャラだったのが、
いつの間にか「すべてを見通してあえて悪役ぶっていた懐の深い人物」みたいになっていたのでびっくりです。

単行本でいうと究極のメニューと至高のメニューの争いが始まる20巻あたりから段々とキャラ変更が始まり、山岡が栗田ゆう子との結婚を意識しだしたあたりでは完全に懐の深すぎる人物となっていました。
(どうでもいいがこの漫画、作者の趣味なのかちさ子とかまり子とか平仮名+子の名前が多すぎる)

とはいえ、名キャラクターの一人であることは間違いない。
名前からしてすごい。海原雄山。この名前でなよっとしたのが出てきたら本人は何もしてないのに詐欺で訴えられそうです。
ただ、一つ思ったのは「子供のころから雄山だったのか?」ということ。山岡の子供時代の回想で若いころの雄山は出てきてましたが、白髪じゃない以外はまったくもってド雄山で、子供のころが想像できない造形でした。

スピンオフ全盛の世の中だから美味しんぼでなければ今頃「海原雄山伝」みたいな漫画が出ていたかもしれないなぁ…。

ちなみに冒頭のセリフは、渋滞にイラついた雄山のセリフです。
けっこう器が小さい。しかも「必要もない連中が車に乗るからだ」といった決めつけを経ての「馬鹿どもに車を与えるなっ!」ですから破壊力倍増。
こんな理不尽なセリフにも中川(雄山の側近)は「はっ…」しか言えないんだからツライ。

そのほかにも有名なのは

「わあっはっはっは!」
「この洗いを作ったのは誰だあっ!」
「私はあの中からは選ばない」
「野良犬の一匹や二匹ひき殺したからといって、いちいち私の車を止めるな!」


あたりでしょうか。このセリフでぴんときた方は昔の美味しんぼファンかと。
どうも後期の雄山は物分かり良すぎて毒気が足りない。
「山岡と組まないと倒せない敵が出てくる!」と満を持して登場した金上社長も小物感満載だったし…。
というか単純に後期美味しんぼをあんまり見てないので最近の雄山事情は実はよくわかりません。しかしもう悪っぽく描かれることはないだろうなあ。


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