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みんなが抱えている爆弾は、時限式なのだ。

いろいろ言われていたオリンピックが開幕し、さっそく日本人選手の金メダル獲得も現れた。まぁ選手たちはピークをずらされても大会が減らされても頑張ってきたわけで、とりあえずは開幕出来てよかったのではなかろうか。

だが、開幕前にごたごたがあったことは記憶に新しい。過去のいじめ問題による音楽担当の辞任、過去のコントでの発言が国際的な非難を浴びた演出家の解任。逮捕歴や言動による炎上が話題になったことによる絵本作家の辞退。さらに遡れば総合演出担当が「オリンピッグ」アイデアを出したことでの炎上・辞任。この総合演出によりそれまで進めてきたプランを消されたということで振付師や音楽担当が辞任。ついでにいうと総合演出担当予定だった狂言師もチーム簡素化に伴い辞任している。

まあこんな有様だったので一部では「辞任ピック」みたいに揶揄されていた…のかどうか知らないが、とにかく混乱しまくっていたことは確かだろう。個人的にはいじめ問題のネタは昔ネットに上がっていたのを見たことがあったので、急にここで出てきたことにびっくりした。というか昔見た時にかなり嫌悪感を抱いていたのでそもそもの人選がどうかとは思ったが…。なのでこの「謝罪→批判収まらず→結局辞任」という流れには驚かなかった。昔炎上したときはほっといたけど、今回たくさん叩かれたので初めて30年以上前のクラスメートを探して謝罪しますってのも変な流れだなと思ったし。

だがびっくりしたのが演出だ。発端となったのは昔のコントのセリフで、しかも不謹慎なネタとして扱っていたシーンだった。…とはいえ、これは日本的には「なんか世界の悪い例」くらいに思われても世界では冗談にもならないネタであるということで、昔の話ながらまあ仕方ないとは思う。ただ疑問なのがそのタイミングだ。マジで開会式3日前とかで、解任されたところで新しい演出プランなど無理な時期。これを「意図的に」そこで暴露した人物が現れたところが怖い。

そして絵本作家もこれまたネットの発言での炎上歴に加えて、不倫まで暴露されだした。これまた話自体は現在の話ではない。もっとも燃え上がるタイミングを待っていたかのようだ。

思うに、こういった「爆弾」は既にあちこちでストックされていて、爆発力が大きくなるタイミングまで貯蔵されているだけなのだろう。たとえネット以前の時代の話でも、誰かが録画していた古い映像やアーカイブ的な番組から探し出されている。雑誌のインタビューであればスキャンした画像があっという間に出回って誰かに保存されている。もし自分が何か露出するような立場になったとしたら、過去のTwitterやらなんやらを探られて何か出されるだろう。

爆弾はたまたま見つかるものではなく、誰かが準備している。そしてこの爆弾の恐ろしいところは「いつでも爆発させられる時限式」だということだ。一番爆発力が大きくなるタイミングで、ボン。もし音楽担当に対して恨みを持つ人がやったことであれば、結果としては大成功である。まぁ正直これは自業自得と思うが、それはそれとしてネットが生まれたことによって、あらゆる人にとっての火薬庫が生まれたということでもあるんだなぁ…と、今回ふと考えてしまったのでした。


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