「三つ子の魂百まで」にも似た中二病の呪い

パーラノードイフォーモーブルールネーイヴァセイーダーイーエイターナールアイドールヘーブンンヘイル　ダイオミ　ギーザ　オージ！

のっけから怪しい羅列だがこれが何かお分かりであろうか。
そう、皆さんご存じ「死黒核爆裂地獄（ブラゴザハース）」の呪文ですね。
何だコイツは頭がおかしいんじゃないか、とそう思われた方はこの先の話を読んでもさっぱりであろうが、構わず続けます。

「死黒核爆裂地獄（ブラゴザハース）」とは日本3大終わらせる気が見えない漫画の一つである「BASTARD！！」（あとの２つはHUNTER×HUNTERとファイブスター物語）の中でもかなり上位に位置する呪文である。
さすがに詳しい効果までは忘れてしまったが、要はすさまじい威力の爆発を起こしてだいたい相手は死ぬような呪文だ。

BASTARDの呪文は「爆裂（ダムド）！！」の一言で終わるものから、前述のようにクソ長い口上を述べたうえでようやく唱えられるものまでいろいろある。このクソ長い口上を覚えることが昔の自分のステータスであったのだ。ちなみに冒頭の呪文は、本来は間に「・」がいろいろ入ると思うのだが、さすがにその位置までは覚えてなくてずらずら書いた。だがそれ以外は全く調べなおすこともなく記憶を頼りに書いている。たぶん間違っていないはずだ。

厳密に言うと「暗黒よー！闇よー！腐海の混沌より禁断の黒炎を呼び覚ませー！」みたいな前段があったような気もするのだがこれはややうろ覚え。
でもだいたい合ってると思う。
関係ないがBASTARDは中高生にとって「魔法の戦いが熱いから読んでるぜ！」という大義名分を与えながら全然無関係なサービスシーンを堂々と読ませてくれる漫画であった。後期になると行きすぎというか完全にエロ漫画になってるシーンもけっこうあったし、車田正美ばりに「見開き2ページを丸々必殺技の決めゴマとして使う」という荒業をかました上にそれを4連続くらいでやるという神をも恐れぬ所業を披露していた。あのあたりで長年追いかけていたファンもけっこう離れたのではなかろうか。

落語の「寿限無」も中学の時に国語資料で覚えた。「寿限無寿限無後光の擦り切れ…」と延々続くアレ。なんでそんなもんを覚えていたかと言えば単に長いものを覚えることに優越感を得ていたからだが、まさか年をとってからもこんなに覚えているとは思わなかった。特に寿限無ならともかくブラゴザハースは誰も覚えてないし披露したところでドン引きか苦笑い以外の反応はない。

三つ子の魂ならぬ中二病の魂百まで、といったところか。この先ジジイになっても忘れることなく唱えられるだろうし、おそらく漫画は完結しないであろう。
中高生諸君に伝えておきたい。今無駄に覚えたと思った知識、それはこの先も消えることはない。ないのだがどうにもならないしどうでもいいので隠し通して生きろ、と。