M-1グランプリ2020振り返り(2ndステージ)

前回の続き。

グランドファイナルについて書きます、ということを書いていたが、正しくは 「2ndステージ」ですな。全然言葉を正確に捉えてません、失礼しました。

さて2ndステージ進出と順番は以下の三組。

1.見取り図(1stステージ3位)
2.マヂカルラブリー(1stステージ2位)
3.おいでやすこが(1stステージ1位)

始まる前の期待値としてはやはりおいでやすこがが一番高かった。1stステージのハネ具合はもちろんだが、形式として「ツッコミが別に変わった形式じゃないのに面白い」というところが、もう1回ネタをやっても笑いが落ちないのではないかと思ったのだ。こがけんは多分歌ネタとしても、そこにおいでやす小田がいいタイミングでブチギレるだけで爆笑が起きそうな気がしていた。

見取り図はこれまでのネタに詳しくないが、多分正統派の漫才だろう。しかしマヂカルラブリーは何を持ってくるかわからない。大ウケかドン滑りか、どちらかに大きく振れるのではないか。
ちなみに全くの私見として「M-1は独自のスタイルを固めているコンビは一発勝負」という印象がある。例えばもしミルクボーイが去年優勝してなかったら、次の年からは決勝まではいけても優勝は難しかったのではないかと思う。世間が「見慣れている」からだ。ぺこぱが今回決勝に残れなかったのもこのへんではないだろうか。「そうそう、誰も傷つけないツッコミするんだよね」という前提で見られてしまうと落差がなくなってしまう。もちろんネタを練って面白くすることはやっているだろうが、「初めて見た」感がなくなるのは仕方ない。

閑話休題。
ここから3組のネタを振り返る。

1.見取り図
いきなり申し訳ないが前半少し見逃した。見る限りやはり完成度の高いネタ。けんかをベースにしながらところどころにイントネーションが違う、みたいな笑いどころを入れてくる構成。充分面白いとは思ったのだが、爆ハネしたか?というとわからず。この後の2組がそんなにバカウケしなかったら優勝あるな、という印象。

2.マヂカルラブリー
「吊皮につかまりたくない」というボケの主張から何が起こるのかと思いきや、生まれたての小鹿のように激しく電車内で揺れる、どころか地面に転がったりとにかくアクションの大きい漫才。掛け合い的なものは一切なく、ひたすらボケが制止と解説に終始するやり方だったが、かなり会場は爆笑。自分もめっちゃ笑った。ツッコミの印象薄いように見えて結構しっかり仕事してるなぁ。

3.おいでやすこが
「誕生日の歌は少しアレンジすると盛り上がる」というボケが歌いだすが、少しどころじゃない上に延々歌い上げ続ける、というネタ。これまた掛け合い的なものはほとんどなく、ツッコミがところどころ我慢しきれなくなるという構成。まったく歌が止まないと思いきやところどころ一瞬だけ受け答えしたりとこういう放置系ネタに珍しくいろいろ変化球を入れてあった。会場ウケもよく、我が家もウケた。

終わった時点で自分の中では「マヂカルラブリー優勢、対抗がおいでやすこが」だったわけだが、結果は見取り図2票、マヂカルラブリー3票、おいでやすこが2票と僅差の優勝。見取り図は一番漫才らしい漫才だったのでそういう向きもあるんだなぁと思った。もちろんもし見取り図が優勝してたとしても納得できるレベルだったし。

そして案の定というか終わった後には「マヂカルラブリーは漫才じゃない」とかいうネット上の動きがあった。「面白くなかった」ならわかるけども、「漫才じゃなかった」と言われると何か定義を決める立場の人なのかな?と思う。漫才じゃない、という判断を審査員がしてたらそもそも決勝出てないしな。

なおマヂカルラブリーは昔「あらびき団」という、ゴールデンの地上波ではもたないような粗いネタを取り上げる番組に出ていたので、そこからM-1優勝まで上り詰めたってすごいな~と思っている。あらびき団でのラッパーネタもかなり好きだったけどね。

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