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台湾へのワクチン提供と国際政治

◉日本は、ファイザー社製のmRNAワクチンと、ベクター型で開発が一番早く効果があるとされたアストラゼネカ社製のワクチンを、念のために両方確保に動いたのですが。結果的に、ファイザー社製の確保に成功したので、台湾への一部提供は、人道的にも行うべきでしょう。

【アストラゼネカ製ワクチン 政府、台湾へ一部提供を検討】毎日新聞

 英製薬大手アストラゼネカが開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、日本政府が調達分の一部を台湾に提供する検討をしていることが分かった。台湾はワクチン調達が進まず中国と摩擦を起こしており、日本からのワクチン提供により、中国に対抗する狙いもありそうだ。
 ロイター通信などによると、台湾はアストラゼネカ社、米モデルナ社と供給契約を締結したものの、供給不足で接種が進まず、感染が急速に拡大。台湾は米ファイザー社と共同開発した独ビオンテック社とも交渉を進めていたが、蔡英文総統は26日、「中国の介入のために今も契約ができていない」と中国当局の妨害があったとしている。

もちろん、ワクチンはどこも逼迫していますし、アストラゼネカ社とはこのような提供に関しては、たぶん契約上の協定も色々と結んでいるでしょう。でないと、大国がワクチンを買い占めて、他国を従わせる戦略物資にされてしまいますから。

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■台湾のワクチン契約を中国が妨害■

台湾に関しては、中国がワクチンの契約を妨害していると、ロイターやNHKが報じていますね。そのくせ、自国産のワクチンを提供とか、政治的な駆け引きに使っています。こういうことを許したら、経済的に貧しい国は確保も難しくなります。日本としては、日米首脳会談での声明を見ても、アメリカが対中国強硬・親台灣路線は確認済みでしょう。文在寅大統領さえ、共同声明に台湾を盛り込まされたぐらいですから。しかし、こういう妨害に載ってしまうドイツもドイツですけどね。

【台湾と独ビオンテックのワクチン契約、中国が妨害=蔡総統】ロイター

[台北 26日 ロイター] - 台湾の蔡英文総統は26日、ドイツのバイオ医薬会社ビオンテックから新型コロナウイルスワクチンを購入するのを中国が妨害していると名指しで非難した。
台湾は英アストラゼネカ、米モデルナ両社に数百万回分のワクチンを発注したが、およそ70万回分しか届いておらず、接種率は約1%にとどまっている。
蔡氏は与党・民進党の会合で、アストラゼネカおよびモデルナとの契約は「円滑に」進んだとする一方で「ビオンテックについては、同社の独工場から調達する契約が完了寸前だったが、中国が介入したため合意できていない」と説明した。

ドイツという国は、戦前から中国にベッタリで、日本よりもパイプが太いんですよね。三国干渉を仕掛けたのがフランス・ドイツ帝国・ロシア帝国だったことを、日本人は忘れがちですが。陸軍と朝日新聞が推した日独伊三国軍事同盟が、いかに悪手であったか。ナチス南京支部副支部長であり、『ラーベ日記』で知られるジョン・ラーベが、1948年より南京市から少額とはいえ年金を支給されていたのも、パイプの太さを理解する参考になります。

■友好国と国際政治の現実■

さて、日本と台湾の関係。自分は個人的に好きな国ですが、でも国際政治の上は情で動くのは違うと思います。尖閣諸島について、台湾に譲る気はサラサラないですからね。ただ、友好国というのは、やはり国際政治でも大事。利益や価値観を共有する国は、国益にもなるわけで。例えば、この一部提供で台湾が福島産の農林水産物を輸入再開すれば、これ自体は韓国とか中国への、良い牽制になりますから。ついでにいえば、韓国はまだこんな事を言っています。

【韓国前首相、東京五輪HPの竹島地図削除要求「拒否なら五輪不参加」】産経新聞

【ソウル=時吉達也】韓国の丁世均(チョン・セギュン)前首相は26日、東京五輪の公式ホームぺージ上の地図に、韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)が日本の領土として表記されているとして、自身の会員制交流サイト(SNS)を通じ削除を要求。「最後まで拒否すれば、(韓国)政府は『五輪不参加』などあらゆる手段を総動員しなければならない」と訴えた。

前首相の発言ですから、大統領の権限が異常に強い韓国では、特に意味はない発言です。でも、日本の反政府仕草が大好きな人達に、良い餌になりますし。韓国は韓国で、フッ化水素の輸入管理などで、譲歩を引き出したいでしょう。こういう形で政治というのは、国益のために動くもの。もっとも韓国の場合、国益の根本のところを見失って、アメリカと距離を置いたり、北朝鮮ベッタリになったりしているんですけどね。

■マスコミの果たすべき役割とは?■

そもそも韓国は、福島原発事故に関しての評価や、処理水の海洋放出に関しては、自国の研究機関や学会が、かなりニュートラル内見を表明しているんですが。それよりも偏った意見で、日本政府にあれこれ言い続けています。それは、文在寅政権が残り一年の任期を切り、国内では急速に求心力が落ちてダックテールになっていることや、地方選挙で連敗してることと、無関係ではないです。福島ヘイトでしかないイチャモンには、その解説をつけるべきでしょう。でも、韓国政府の立場に近いことをやらかす毎日新聞……。

【福島の原発周辺での除染 2%で効果確認できず 会計検査院】毎日新聞

 東京電力福島第1原発事故に伴い除染作業が行われた福島県の原発周辺の約1万2800カ所で、除染後の線量が除染前の数値を下回らず、除染の効果を確認できなかったことが会計検査院の調査で判明した。環境省のガイドラインなどは、除染作業後に線量調査を行う時期を定めておらず、検査院は26日、除染効果を統一的に確認できる手法の検討などを同省に求めた。
(中略)
 検査院がデータのそろう56万1232カ所を調べたところ、全体の2・2%にあたる1万2894カ所で、除染後の線量が事前と同じか上回っていた。放射線量は時間の経過とともに自然減衰したり、降雨などで変化したりする。56万カ所の事前と事後の調査間隔は平均は245日だが、90日未満~730日以上とばらつきがあった。

いやいや、97.8%では特に問題がなかったということでしょうに。そこを無駄に強調するのは、自社の反原発というイデオロギーを、補強するためでしょうに。反原発、反政府が目的化すると、こうなってしまうのでしょう。でもそれって、報道の第一義ですか? 報道というのは国民が正しい判断をするために、できるだけその時点で正確な情報を、伝えることでしょう。その情報の解釈の仕方は、難しいなら解説を加えるべきですが、一定の方向に誘導するのはダメでしょうに。

台湾へのワクチン提供も、政治の部分で報じるべきことが、多々あるはずですけどね。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ