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「保育園落ちた日本●ね!!!」から7年

◉政治性丸出しのユーキャン新語・流行語大賞で、「保育園落ちた日本死ね」がトップテン入りし、民進党の山尾志桜里議員が国会で取り上げたため、受賞者として出席していましたね。政治性丸出し。で、政府も自治体も、けっこう頑張って待機児童を減らそうとして、実際に大幅に減らしたのですが……。育児休業給付の受け取りを延長しようと、わざと落選する人間がいると。これも、補助金行政の弊害、ですね。

【保育申請「落選狙い」抑止 育休給付延長目的、審査厳しく】日経新聞

育児休業給付の受け取りを延長しようと落選狙いで保育所に入所申請する事例が相次いでいる。入所がかなわず休業を続けることが延長の要件のためだ。厚生労働省は復職の意思を確認できるよう新たに申告書の提出を求め、支給を厳格にする。待機児童の実態が見えやすくなる期待もある。

「保育所に落選したいならこの園に申し込んでください」。都内のある自治体は、入所したくない意向を示した親に抽選倍率の高い園を紹介している...

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA078020X01C23A1000000/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

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■待機児童とホームレス■

もちろん、そういう不心得者は一部なんでしょうけれど。待機児童の数は、最悪だった2017年の2万6081人から、2022年4月時点の待機児童は2944人と過去最少を記録したのですから。11.28%に激減。ゼロが理想ですが、この減らし方はかなり本気の減り方だと思います。少子化対策については、疑問に思う部分もありますが、少なくとも待機児童解消に対しては、官吏本気の対応です。

【待機児童が過去最少の2944人まで減少!ただ隠れ待機児童問題の解決に至らず】保育士バンク

2017年に約2.6万人いた待機児童数が2022年には「2944人」まで減少。認定こども園の増設、0歳〜2歳児の受け入れ施設の整備が充実したことが要因のひとつでしょう。ただ、隠れ待機児童問題や保育士の人材不足など大きな課題も残されています。近年の待機児童の推移や保育の問題点について詳しく解説します。

https://kidsna-connect.com/site/column/hoiku_ict/5356

グラフも転載しておきますね。

https://kidsna-connect.com/site/column/hoiku_ict/5356

先日も書きましたが、ホームレスに関しては2003年度で全国に2万5296人もいたホームレスは、2013年は8265人と32.6%に半分以下に。さらに20年後の2023年は3065人にと、2003年から12.1%にと激減。待機児童の5年で2万6081人→2944人って減り方は、ホームレスの20年で2万5296人→3065人と比較しても、かなりの数字ではないでしょうか? しかし、こういう取り組みも、少子化には全然ストップがかかっていないんですから、問題の本質はそこではなかった、ということでしょう。

■本能か集団的無意識?■

少子化対策というと、すぐ「金が~」「環境が~」「制度が~」という話になるのですが。どうも、そういう話ではないような。産む家庭は産む、産まない家庭は産まない。理由も、それを解消しても、歯止めがかからない。スウェーデンやハンガリーの少子化対策も、喧伝されるほど上手く入っていません。X(旧Twitter)を見ていたら、こんな意見が流れてきました。これも、よく見る意見なんですが、はたして

「ほっときゃ誰だって子供作って育てるだろ」というのが実は当たり前じゃなかった(あるいは文化しての継承に失敗した)というのが現状なので「子供を産み育てても困らない、不利にならない」どころか「産み育てるとお得」くらいの制度設計に舵切る必要があるんじゃないかな、本気なら。

https://x.com/kasai_sinya/status/1728632827795939750?s=20

実際は、多産は文化でもないようです。うちの父方の祖父母は10人、母方の祖父母は9人、出産していますが。これは、戦前の産めよ増やせよの時代のためですが。そういう大家族で育った父母の世代も、子供は多くて4人、だいたいが2人です。少子化対策にかなりの予算を注ぎ込んで、V字回復と讃えられたハンガリーもにして、「2011年には1.23にまで低下したハンガリーの出生率は、2020年には1.56まで上昇した。」と、コンマ以下の数字でしかないですからね。

フランスも、イスラム系の移民の第一世代は、ポンポン子どもを生んでも、第2世代になるとフランス人と大差なくなるそうで。種として、恵まれた環境に置かれれば、そんなに産まなくなる、というのが現実です。であるならば、本能や集団的無意識に近い領分の問題ではないかと、疑う理由です。歴史を見ても、平和で安定していた江戸時代よりも、戦国時代のほうが出生率が高いんだそうで。ならば、少子化対策に、アレが原因だコレが原因だと振り回されるよりも、少子化は前提の社会設計が大事かと。

■40年後もドイツ以上?■

幕末の日本の人口は、3000万人ぐらいだったと、推計されています。明治3年の庚午年概算で3279万4897人。今は、1億2491万人。2008年の1億2,808万人がピークでしたから、ほぼ4倍ですね。医療の大改革と食糧生産の増大、土木工事技術による治山治水などで、ある種の人口爆発を起こした面があります。人口が3倍近くに増えたため、外国への移民や大陸進出に繋がった面もあります。そういう意味では、少子化をマスコミの煽りに載って、過剰に恐れる必要はないとも思います。

自分がガキの頃はむしろ、人類は人口爆発で滅びるという言説が、主流でした。これは川内康範先生の『コンドールマン』や永井豪先生の『デビルマン』、あるいは聖悠紀先生の『超人ロック』や富野由悠季監督の『機動戦士ガンダム』のスペースコロニーなどにも顕著です。でも、現実はそれから半世紀ほどで、少子化で人類が滅びると言ってるわけです。同時に、当時は地球は氷河期で滅びると、マスコミは言っていました。今は温暖化で滅びると言っています。

ハッキリしているのは、マスコミはそのとき時の不安を煽るだけで、何ら解決策も出せない、不安につけ込む産業ということだけ、です。2050年には日本は1億人を割り、2065年には8800万人ぐらいになるという予想もあります。でも、ドイツの人口が8427万人ほどです。40年後も、ドイツと同じ。で、今のドイツが二進も三進も行っていないかと言えば、そんなこともなく。軽佻浮薄なマスコミの喧伝は無視し、真面目な研究者の声に耳を傾けるべきでしょう。江戸時代の倍、全盛期の半分の6500万人ぐらいで下げドメル可能性もありますから、それに向けた社会設計が大事かと。

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