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20年でホームレスが8分の1に

◉X(旧Twitter)を読んでいたら、こんなポストが流れてきました。これ自体は、なんのエビデンス🦐もない、噂話程度の内容なんですが、「ホームレスはここ20年で8分の1にまで減少」という数字が気になって、調べてみました。すると、驚くべき数字が浮かんできました。

新宿のルノアールで盗み聞きした話なんだけど、現在貧困ビジネス界隈は深刻なホームレス不足に悩まされていて大変らしい。ホームレスはここ20年で8分の1にまで減少、ものすごい勢いで減っていて巷ではホームレスの奪い合いが激化している。なのでホス狂い支援政策は新しい稼ぎの柱として期待していると

https://x.com/banabanasan/status/1726389153275994311?s=20

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ホームレスで検索したら、出てきたイラストです。

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■本当に減っていた!■

検索したら、2021年の記事がヒットしました。2002年7月31日成立の『ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法』によって、2003年度で全国に2万5296人もいたホームレスは、2013年は8265人と32.6%に半分以下に。さらに20年後の2023年は3065人にと、2003年から12.1%にと激減。確かに、20年でほぼ8分の1ですね。ちゃんと根拠がある数字だったわけです。

【ホームレスの減少が続く背景とコロナ禍での課題を考える】日経ビジネス

日常的に屋外で起居するホームレス。国の政策や自治体、民間団体などによる支援で2000年代から減少傾向が続くものの、リーマンショックや新型コロナなどマイナス要素も少なくない。今回は過去に掲載した、ホームレスに関する話題を振り返る。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00081/050600184/

重要なのは、こちらの表ですね。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00081/050600184/?SS=imgview&FD=-1040850507

自分が学生時代にバブルが弾け、ずっと平成は不況で。主にバブル崩壊後の1993年から2005年に学校卒業・就職活動していた年代を、就職氷河期世代と呼びますが。イメージ的には就職氷河期世代からアベノミクスまでずっと、ホームレスは増え続けていたような気がしていたのですが。むしろ2003年以降は劇的に減っていて、アベノミクス以前の2012年でも、半減どころか37%に減っていたわけで。けっきょく、ホームレスは経済の問題というよりも、支援の問題だったと言えそうです。

■境界知能の進級問題■

そこで、タイミングよく為末大さんの長文ポストが流れてきました。自分も、大学や専門学校、あるいはMANZEMI講座で人に物を教える立場ですが。美大生とかで、パースペクティブ(透視図法)を学ぶとき、分数の割り算とか必要なんですが、それが怪しい大学生とか、けっこういるんですよね。日本の、悪しき横並び主義の弊害ですね。義務教育レベルをクリアしていないのにも関わらず、横並びで卒業させちゃう。境界知能の判定も昔は、学校の匙加減ひとつで、特殊学級に入れず卒業させちゃう部分が、田舎の学校ではありました。

例えば私が学力が低い学校に行った時は、高校で掛け算割り算を教えており、それがわからない子が一定数いました。また算数の課題を解いているときに、そもそも課題とされている問題自体を読めていませんでした。
IQがやや低いとされる境界知能の方は、14%、1700万人、国民の7人に1人いると言われています。理解をすることが難しかったり、読解力に課題があったりします。また自己を抑制する力も弱い。そして社会に出て騙されることも多いと言われています。
この場合自由に独学をさせることは難しく、むしろある程度外部から働きかけて学びの習慣をつけていくことが必要です。

https://x.com/daijapan/status/1726728071599013917?s=20

このような議論をするときにエリートは「本当にそんな環境の子供がいるんですか」という反応をすることがあります。しかし、現実にいます。
努力する力は「肥沃な愛と安全の土壌の上に育つ」わけですが、それがほとんど与えられなかった子供もいます。
私はエリートの「もしかすると私がそうだったかもしれない」という想像力が大事だと思っています。

https://x.com/daijapan/status/1726734174839791762?s=20

そもそも、うちの田舎には専門の教員不足で、特殊学級ができたのは小学校五年生のときで。クラスメイトとか、事業を邪魔されるぐらいならと、一日中外で遊んでいて。給食のときだけ教室に現れました。でも、特殊学級ができても、嫌がる親もいました。それって親が世間体を気にして、望んだことなんですよね。うちの子は普通だと、思いたい。その心情も理解できるので、だから学校ばかりも責められないんですよね。これは、同年代の地方の学校では、よくあったようです。でも、変えていかないとけっきょくは、子供が不幸になってしまうんです。

■行政のケアが問題?■

前にも書いた記憶がありますけれど、田舎にホームレスはほとんどいないんですよね。だから、片田舎の進学校だったうちの高校では、受験シーズンに各地の大学を受けに行くと、「広島駅にはいた」「福岡駅にもいた」「東京とかいっぱいいて、村みたいになってた」などと、報告し合ったものです。人口10万人の鹿児島の片田舎の都市には、ホームレスはいない。都会になるほど増えるんですよね。都会人にはホームレスは貧困の象徴でも、地方から見たら豊かさの象徴なんです。

で、田舎では横並びで境界知能の人間を中学校を卒業させても、地縁血縁でなんとか仕事を紹介する部分が、あるので。田舎の人間関係の濃厚さは、ときに煩わしくて嫌なものですが、そういう機能はある。でも都会では、それが機能しづらい面が。でも、都会のホームレスも法律を作って対応すれば、ここまで劇的に減るんです。もちろん、境界知能だけではなく、いろんな原因があると思いますが。最終的には、1000人台に減らせるのではないでしょうか? 2万5296人の3-5%ぐらいは、行政では救えない可能性が。

【米でホームレス急増、過去最大の伸び=WSJ調査】ダイヤモンド・オンライン

 米国では新型コロナウイルス禍が下火になる中、今年はホームレスが記録的な勢いで増えている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が調査した全米各地のデータで明らかになった。  WSJは都市や州など地域のホームレス人口を集計する300超の団体のデータを基にまとめた。  今年これまでのホームレス人口は前年同期比約11%増と、2007年の政府統計開始以来で最大の伸びを遂げた。コロナ禍による統計停止の影響を受けた昨年を除けば、その次に高い伸びを記録したのは19年の2.7%だ。
 WSJのまとめによれば、今年のホームレス人口は少なくとも57万7000人。

https://diamond.jp/articles/-/327651

一部の海外出羽守は、「アメリカの時給はこんなです、日本はこんなに貧しくなりました!」みたいな話ばかり書きたがりますが。いくら日本より2.4倍も人口が多いとは言え、188倍もホームレスがいるって、どんだけ格差社会なのかと。というか、ホームレス支援する慈善団体がかなり多く、寄付も潤沢なのに、この数字は。あの手の団体が、むしろ行政のすべき努力を免罪していませんかね? ここらへんは、学者の研究に委ねますが。きちんと自立支援の制度を作って、公的に支援する。田舎の地縁血縁が今後、どんどん希薄になる時代に、必要なことでしょう。

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