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「さよなら朝日新聞」どうぞどうぞ

◉Twitterで「#さよなら朝日新聞」というハッシュタグが、拡散しているようです。朝日新聞の解約運動で、右派が仕掛けたのかと思ったら……開いてみたら、朝日新聞の報道姿勢を批判する左派の言動なんです。なぜか3割ぐらいが朝日新聞を批判しつつ東京新聞を褒めるという、東京新聞シンパの乗り換えキャンペーンじゃないかと、邪推してしまうような状況です。で、朝日新聞を解約して東京新聞を契約する人が増えているなら、ダチョウ倶楽部のギャグで言うなら「どうぞどうぞ」と言うしかないですね、自分は。

【Twitterで「#さよなら朝日新聞」が拡散中 “統一教会”報道に「OBと愛読者」は不信感】デイリー新潮

#さよなら朝日新聞 ──こんなハッシュタグがTwitter上で今も拡散を続けている。朝日新聞を批判する論調自体は珍しくも何ともないが、今回は投稿者の“思想的立ち位置”が以前とは全く異なるところに大きな特徴があるという。

https://www.dailyshincho.jp/article/2022/08220601/?all=1

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、新聞の写真です。

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■マニアがジャンルを殺す■

ハッキリ言えば、朝日新聞の〝OBと愛読者〟こそ、朝日新聞がまっさきに切り捨てるべき悪性腫瘍でしょうね。この、声だけは大きく実際は票を持っていない層に振り回されて朝日新聞は、従軍慰安婦問題や吉田調書などで誤報を連発した側面も。Twitterでハッシュタグをつけて朝日新聞批判をしている人を見ても、自分は朝日ジャーナルを創刊号から読んでるが……とか、その価値観がアイタタタなんですがって人が多くて、苦笑失笑爆笑です。

マニアがジャンルを殺す、と言われます。精確には「すべてのジャンルはマニアが潰す」ですね。これは新日本プロレスを買収したブシロードの木谷高明会長が語った言葉で、一部の熱狂的なファンの要望を受け入れ続けると新規ユーザーが入りづらくなり、その結果ジャンルは衰退してしまう、という意味です。これは常に正しいとはいいませんが、一定の傾向はある指摘なのは確かです。歌舞伎とか落語とか、明らかにこの傾向があって、新規参入の障壁になっていますね。

■吉本新喜劇の背水復活劇■

小林信彦先生の『天才伝説 横山やすし』という本があります。この本は、天才漫才師と呼ばれた横山やすし師匠の、その破滅型芸人の言動の背後にあったものや、本人の小説『ビッグマグナム 黒岩先生』の主演で接点もあったやすし師匠についての、評伝でもあります。この中で、やすし師匠のマネージャーでもあった木村政雄元常務のエピソードが、印象深いです。彼は古い芸人が大好きなくせに、その古い芸人を切って、吉本新喜劇を再生させた、と。

実際、吉本新喜劇はかつては看板であった岡八朗師匠や花紀京師匠などが中心だったのですが、1989年に「新喜劇やめよっカナ?キャンペーン」を開始して観客の危機感を煽りつつ、座員全員には解散を宣告し、若手中心の新方針についていけるベテラン中堅役者だけ再入団という、大鉈を振るっています。この結果、吉本新喜劇が再生したのは有名な話。ただ古参を切ればいいというわけではなく、きちんとしたビジョンを持ち、改革への筋道の具体的方法論がないと。そして、泣いて馬謖を斬る果断な決断力。

■ビジョンと具体的な筋道■

新日本プロレスは、テレビ朝日と強い結びつきがありました。元々、力道山の日本プロレス自体が、テレビ時代の時流に上手く乗って、大発展した部分がありますからね。なので、テレビがつかない弱小団体や、テレビ中継を切られた団体は倒産の憂き目に合うのが常でした。でも、このテレビの存在抜きに成り立たないプロレスゆえ、関係者は「またゴールデンタイムに放映されれば、人気が戻るさ」と言ってましたね。でも、深夜の時間帯ですら視聴率が獲れないのに、どうやってゴールデンタイムに復帰するんでしょうか? 

そこにはゴールデン復帰の具体的な筋道やビジョンはなく、改革への筋道の具体的方法論もないです。そう、「憲法9条があれば日本は戦争に巻き込まれない」って思考の飛躍と、まったく同じです。ゴールデンタイム復帰なんて、ビジョンではなく願望です。それと同じく、憲法9条でどうやれば日本の安全が守られるか、ロシア連邦軍のウクライナ侵攻で、あっさり崩れました。それ以前に、ベルリンの壁崩壊に天安門事件、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の悪事の数々で、日本はアメリカの核の傘で守られていたと、平成の初期にバレていたのに。

■新日本プロレスの復活劇■

新日本プロレスを買収したブシロードは、まずプロレスが流行ってる感を出そうと、山手線などのラッピング車両などで、主たる興業地である東京の、一般人に目に触れる部分を多くし。さらにテレビという旧メディアではなく、YouTubeに試合を無料で流す、という手に出ました。結果、海外での新日本プロレスの人気が高まり、東南アジア興行の成功に繋がります。「またゴールデンタイムに放映されれば、人気が戻るよ」より、具体的で時代の流れを読んだ策ですね。

もちろん、木谷高明会長の自慢も多分に入っていますが。でも、昨今のスマートフォンの普及によるYouTubeの影響力増大は、暴露系YouTuberを国会に送るほど成長しています。さらに、選手たちに広告塔としての役割と、明確なキャラ付けも求め。学生プロレス出身の棚橋選手をエースに、今の時代に見合った人気を取り戻しましたしね。アントニオ猪木という、カリスマが作った新日本プロレスを、脱猪木色を打ち出すことで回復させる。吉本興業の木村元常務の決断に、似ていませんか?

■部数30万部のブロック紙■

では、朝日新聞は? ユダヤ・キリスト教の千年王国思想を焼き直した疑似科学の共産主義思想を、称賛したOBとかの意見に聞くべきものが、あるのでしょうか? 例えば、同じくTwitterでは東大名誉教授たちのダメダメっぷりが、一部の界隈で話題になっています。和田春樹名誉教授や上野千鶴子名誉教授や塩川伸明名誉教授を見れば、自分は東大の名誉教授だぞという権威主義が、なんの役にも立たないのは明白。いわんや、朝日新聞OBをや。朝日新聞OBで戦争翼賛記事を書いてた人の苦言を、あなた達は聞いたんですかって話です。

たぶん、朝日新聞は早ければ5年、遅くても10年以内にブロック紙に転落する可能性があります。発行部数も200万部を切り、100万部前後になる可能性が。というか、人口3億人のアメリカでも、新聞の部数はそこまで多くないですから、日本の新聞の部数が今まで多すぎただけ。極端な話、30万部でも存続できるよう、今からスリム化に備えるべきでしょうし、そのためには理念先行のOBを切り捨て、良質な情報を提供できる体制の構築でしょう。どんな業種でも、それが王道です。

■商売の原点に回帰すべし■

最終的には、宅配制度もなくなるでしょうし、そうなったときにウェブ中心で、どうしても紙で読みたい人はプリンターで出力とか、そういう時代が来るでしょう。そうなれば、全国紙という意味がもうないです。宅配制度というお手盛りと、多様性のなさで支えられた日本の新聞の我が世の春は、ようやく終わろうとしています。そもそも新聞って、記事の内容ではなく、広告料で利益を生み出すという、実は歪なビジネスモデルですから。そこもまた、時代の変化で失われつつあるわけです。

以前にも書きましたが、広告収入に軸足を置いたマガジンハウスの平凡が廃刊し、読者に金を出してもらう内容で勝負した集英社の明星が長く生き残ったように。新聞もテレビも、広告スポンサーの顔色をうかがう商売をしてきたため、記事の内容ではなく部数や視聴率にばかり囚われ、内容や質について無頓着になってしまったのでしょう。もう一度原点に立ち返って、商売を考え直す時期でしょう。コチラのnoteも、参考になるかもしれません。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ