沿岸漁業と後継者不足
◉過疎化と後継者不足は、日本全国の問題です。そもそも、農林水産省のやり方自体が、ダメダメですからね。特に水産業は、1960年代初頭には70万人近くいた漁業従事者も、2022年段階で12万3100人まで減少。全国に厚生労働省に登録した医師免許を持つ人間が約34万人ですが、それでも人手不足と言われてるんですから。四方を海に囲まれた日本ですが、漁業に就職しようという若人は、減る一方です。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、牡蠣の写真です。美味しそうですね。
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■みんな勤め人に?■
水産庁によれば漁業就業者は14万4740人で、さらに〈令和元(2019)年の新規就業者数は1,729人となり、前年の平成30(2018)年と比べ1割の減少となりました。 就業形態別に見ると、雇われでの就業は例年並みですが、独立・自営を目指す新規就業者は前年と比べ3割近く減少しています。〉とのこと。そもそも日本のマスコミ自体が、農林水産業をクロヨンだトーゴーサンピンだと、批判し続けてきましたし。そりゃあ不安定な一次産業より、子供は勤め人にしたがります。
さらにWorkshipのサイトによれば、自営業自体が〈2022年の就業者数は6723万人で、自営業主・家族従業者数は648万人となっています。 就業者の89.9%は雇用者であると示されているため、ここから計算すると日本の全就労人口に占める自営業主の割合は約10%にしかなりません。〉とも。もう、自営業が圧倒的に少数派になってるんですから、後継者不足は全体に慢性化し、穏やかな産業の絶滅を、迎えるしかない業種も出るのは必然でしょう。なんらかの魅力がなければ。
■デタラメな水産行政■
そもそも、日本の漁業は取り過ぎなんですよね。北欧などでは、最大持続生産量(MSY)という考えを導入して、漁獲量が減った魚は資源管理して、持続可能な漁業をやっているのに。勝川俊雄氏などが指摘されていましたが、シシャモとかもう年間漁獲量が64キロまで激減と、絶滅寸前じゃないかってぐらいまで減っているのに、漁獲枠もない状況。北欧のカラフトシシャモ(カペリン)は大量に入ってきていて、純粋な日本のシシャモはもう、口に出来ないレベルなのに、放置。
論調としては、東日本大震災の大打撃は、事実でしょう。でも、今のようなデタラメな行政をやっていたら、ダメでしょう。どんな政治的圧力があるのか知りませんが、バカバカしい話です。そんな刹那的な漁業では、後継者も増えようがなく。水産庁や農林水産省としては、わざと水産業の従事者を減らし、ある程度の人数になったら、補助金で保護ってのが、合理的なのかも知れません。これは、農業も同じで、実は日本の農業はアメリカやフランスに比較しても、小規模農家が多く、数が多すぎるんですよね。
■戦犯はやはりマスコミ■
こういう、センチメンタリズムでは、問題は解決しないんですよね。上岡龍太郎さんが昔、日本のテレビにはセンチメンタリズムはあるがヒューマニズムはない、と喝破されていましたが。ニホンウナギだって絶滅の危機にあるのに、土用の丑の日と期間的な消費を煽り、値段が上がると庶民の味がと、センチメンタリズム全開。統計をベースに科学を語り、クロマグロのように資源管理の成功例をキチンと語って、大衆に正確な情報と現状を淡々と伝えれば良いのに。処理済み水の海洋放出でも、科学より反政府扇動を優先。
平成不況のせいで、デグレ経済で、値段を上げると売れなくなる、という恐怖感が全部の産業に蔓延していますが。それを煽ったのも、マスコミなんですけどね。値上がり=悪というのは、儒教の素朴な経済観であって、緩やかなインフレは体感的には苦しくても、メタ視点では経済が成長するのに。もう、愚かなマスコミが影響力をな食うのが先か、アホな行政で水産業が壊滅するほうが先か。自分は、大手企業の陸上養殖に期待です。それが、サラリーマンの時代の方法論かと。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ